私の怒りの作法 / 新川勝美(訪問看護ステーション土屋 九州)

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私には、怒りという感情が芽生えた時にやっていることが三つある。

人間には怒りという感情は悪ではないらしい。しかし、怒りの使い方、表現の仕方で間違っている人をコンビニなどに行った時によく目にする事がある。怒りをあらわに、何を失敗したかわからないが店員に対し、客が大声で怒鳴っている風景を良く目にする。すごくブルーになった気分になり、気持ちの良いものではない。

まず、怒りという文字を少し、自分に置き換えて考えてみた。そういえば、若い頃はよく怒っていたなと思い出した。世間ではよく怒る人の事を指して「血の気の多い人」と言うが、そもそも私は低血圧だった身体なのでそれは違うと思うが・・・。血圧は関係ない。冗談はさておき20~30歳代の頃はいつも怒っていたような気がする。何かあると怒っては反論していた。

調べてみたら怒りというのは、不当な扱いや理不尽な言動にさらされた時、人が感じる自然な感情なのである。心理学の世界では、怒りは第ニ感情であると言われており、ニ番目に出てくる感情だそうだ。怒って当然と思える出来事に対し、実は怒りより先に生じている感情があるということである。ということは、怒る直前に生じた感情が第一感情になり、ほとんどの場合それは怒りの裏に隠れて自覚されないらしい。

まず、第一感情が何であるのかと考える前に果たして、私はどういう人間であるのかという事を自分自身知っておかなければならない。

自分ではこういう人間で性格はどうなのかと夫に尋ねてみた。そうしたらこんな答えを言ってくれた。

今は怒ることもなくなったけど、前の私は杓子定規な人間だったらしい。まさしく「お前は、なんでも人を自分の物差しで測る。人にはひとの考え方があるから、自分の物差しで測るな」とよく言われ喧嘩をしていたものだ。

しかし、夫のこの言葉が私を変えるきっかけになったのは間違いない。仕事上で相談されると、ほとんどが「仕事を一緒にしていると仕事の効率が悪く困っている」「相手の考えていることが理解できない」など、内容は様々だ。その時にいつもこの言葉を使わせてもらっていた。「何事も自分の物差しで評価しないこと」。それにより私は、段々と自分の物差しで相手の事を測らなくなったら、不思議と相手に対する怒りの感情はなくなっていた。そのため私にとって一つ目は、人を自分の物差しで測らないこと、これが怒りを抑える作法であると言える。

ある日、仕事でアンガーマネジメントの研修に参加したことがあった。アンガーマネジメントは上手に怒りと付き合うための心理トレーニングのことである。

アンガーマネジメントは、決して「怒り」を悪だととらえるものではない。例えば日常の中で「あの時、もっと怒っていればよかった」「なんであんなに怒ってしまったのだろう」と怒りについて後悔することがよくある。このように後悔しないためにも、怒りを上手にコントロールすることが重要であると考えられている。

私がこの研修の中で実践していることは、別名「6秒ルール」とも言われていることを取り入れている。まず、怒りが湧いたら頭の中で6秒数えるが、たまに指で数えたり声に出したりと様々だ。

説明すると、この6秒ルールは怒りを鎮める効果的な方法だと考えられていて、人間の怒りのピークが長くても6秒であることからきているらしい。単純な方法であるが、これを実践すると、うそのように怒りが落ち着いてしまう。たまに、何で怒っていたかわからなくなり、笑いが出るときもある。これを実践すると、相手が怒りを表していても同じ土俵に上がらなくて済み、冷静な判断ができる。という事は、仕事上に置き換えてみても、怒りという感情が湧いてきても怒りに対し上手に対応できるし、生産能力も落ちずやっていけるということだ。この6秒ルールが私の二つ目の怒りの作法である。

最後にこの年になれば、怒りを表し何度も失敗してしまった経験がある。しかし、失敗から学んだのは、相手は決して変わらないという事。それより簡単な方法を私は学んだ。それは、自分の考え方を変えてみるという事である。そうしてみると、違った側面から判断できるように力が付いたように思える。それと共に、冷静な判断ができるようになった。この考え方を実践していると、不思議に怒りの感情もコントロールできるようになった。これが私の三つ目の怒りの作法である。

色々と書かせて頂きましたが、怒りをコントロールするのは自分。これからも、怒りの感情はなくなることはないけれど、この怒りの作法三つを実践していこうと思う。

 

新川 勝美(しんかわ かつみ)
訪問看護ステーション土屋 九州

 

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