世界の車いす席 / 雪下岳彦

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毎日新聞にインタビュー記事を掲載していただきました。

東京・わたし:ツイッターで「世界の車いす席」集まれ 順大非常勤講師・雪下岳彦さん https://mainichi.jp/articles/20210428/k00/00m/050/187000c

私は中学生の時からスポーツが大好きでした。
特に、アメリカのスポーツ、NFL(アメリカンフットボール)・NBA(バスケットボール)・MLB(野球)が好きで、実を言うとアメリカに留学した裏テーマは、アメリカでスポーツが見たいというものでした。

最初に留学したハワイには、これらのプロスポーツがありませんでした。ただ、NFLのオールスターゲーム(プロボウル)が毎年ハワイのアロハスタジアムで行われていて、それを見に行くのがとても楽しかったです。

アメリカ留学したからには、これらのプロスポーツの本拠地になっている本土の都市に行ってみたいという気持ちから、サンディエゴの大学院を選びました。

カリフォルニア州南部、メキシコとの国境近くにあるサンディエゴには、NFLのサンディエゴ・チャージャース(2017年にロサンゼルスに移転)とMLBのサンディエゴ・パドレスというチームがありました。

サンディエゴ・パドレスには今シーズンからダルビッシュ投手が加わったので、目にする機会も多いと思います。
私がサンディエゴにいたときは、大塚晶則投手がパドレスのセットアッパーとして活躍していました。

サンディエゴ・パドレスの本拠地ペトコ・パークは、私がサンディエゴに留学した2004年に開設したスタジアムです。
ハワイからサンディエゴに引っ越して1ヶ月ほど、生活の準備が整ってきた頃合いを見て、パドレスの試合を見に行こうとなりました。

そこで、車いす席の前売りチケットを購入するため、チケットセンターにメールを送りました。
「初めてのペトコ・パークでの観戦なので、お勧めの席をお願いします」というリクエストを書いたら、「OK!任せとけ!」みたいな返信が来て、アメリカっぽいなぁと思いました!

試合当日、球場のチケットセンターでチケットを受け取り、いざチケットに書いてある席番に向かいましたが、どう見てもその席番は階段の遙か下の方で、車いすではとてもたどり着けるような位置ではないのです。

球場の案内の人に聞いてもわからず、チケットの席を間違えちゃったのかなぁと思っていたら、ちょっとベテランのスタッフさんが近寄ってきて、チケットを見て、「フォロー ミー!」と言ってくれました。

その方について行くと、知らなきゃ入れないドアを超え、暗い小道を進んでいきました。
その小道を抜けると、ぱっと日差しが差し込み、目の前には美しい緑色の芝生が広がりました!
このときの感動は、今でも忘れずに覚えています。

この写真が、その時に撮ったものです!私史上最高の車いす席!こんな席のあるスタジアムが、日本にもできてほしい!そういう願いが、ツイッターで #世界の車いす席 というハッシュタグを作った原点です。

 

◆プロフィール
雪下 岳彦(ゆきした たけひこ)
1996年、順天堂大学医学部在学時にラグビー試合中の事故で脊髄損傷となり、以後車いすの生活となる。

1998年、医師免許取得。順天堂医院精神科にて研修医修了後、ハワイ大学(心理学)、サンディエゴ州立大学大学院(スポーツ心理学)に留学。

2011年、順天堂大学大学院医学研究科にて自律神経の研究を行い、医学博士号取得。

2012年より、順天堂大学 医学部 非常勤講師。

2016年から18年まで、スポーツ庁 参与。

2019年より、順天堂大学 スポーツ健康科学部 非常勤講師を併任。

2020年より、千葉ロッテマリーンズ チームドクター。

医学、スポーツ心理学、自律神経研究、栄養医学、および自身の怪我によるハンディキャップの経験に基づき、パフォーマンスの改善、QOL(Quality of Life:人生の質)の向上、スポーツ観戦のバリアフリーについてのアドバイスも行っている。

 

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