私のエゴと四つ葉のクローバー / 佐々木 優

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私はシロツメクサが好きだ。
いや、というよりもクローバーが好きなのだ。

散歩途中の緑地でシロツメクサの群れを見つけると、私はいつも座り込んで四つ葉のクローバーを探し始める。
四つ葉の発生率は1万分の1、五つ葉は100万分の1とも言われている。
46にもなったオヤジが、草むらで独りしゃがみこんでキョロキョロしているという不審でキモい光景・・・。
やがていくつか見つけると、ハンカチやティッシュにそっとしまって、ウキウキしながら独りまた歩き始めるのだ(だからキモいって)。

なぜ四つ葉、五つ葉が発生するのか調べてみると、踏まれたりして傷ついた葉の成長点が、一枚の葉を二枚に分けて成長させることがひとつの理由だという説明がされている。
なんと、踏まれることで幸せのクローバーになるのだ。

人間も一緒だなあ、踏まれて苦労をしてこそ幸せになれるんだなぁ・・・なんて、うまいことを言ったようなしたり顔をする私は、きっと幸せになんてなれないだろう(笑)

先日、その【幸せ】について、古くからの友人J子とやりとりをする機会があった。
彼女は高知県に住むシンガーソングライターで、もう15年来の付き合いになる。

J:やっほ!!

私:突然だけど、人が人に優しくあれるために、前提とするJ子の考え方はあるのかな―――

J:自分にまず優しく、誠実であることが何より大事。

私:僕は【最大多数の最大幸福】を願っているけど、この世ではそれは絵空事なのかな―――

J:人の幸福を、自分でコントロールしようとするのはエゴだと思うよ!

(相変わらず、J子の歯に衣着せぬ物言いは切れ味が鋭い。)

J:まず自分が幸福であり続けることを選んだら、周りにそれが伝染してゆくから、それが一番近道かと!

時に誰かを引き上げようと自惚れる私を、J子は清々しく窘(たしな)めた。

私:僕の所属する組織も1000人を超えてくると、なかなか全ての皆に思いが伝わり切らないもどかしさがあるんだ―――

J:人が増えるほどに問題も増えるけど、基本は同じだよ!ライブもそうやん。お客さんが10000人でも1人でも。やることはおんなじ!がんば!

10000人でも1人でもおんなじか・・・(笑)
そうだ、J子は今まで一緒だった、私も知っている。
渋谷の新国立劇場でも、うちの近所のカフェでも貴女はおんなじだった。

久しぶりに連絡をとった彼女からのダメ出しにより、私は自分の【エゴイズム】と【ひたむきさの欠如】を思い知らされることとなった。

そんなやり取りをしながら、彼女の昔のアルバムにも【クローバー】という歌があることをふと思いだした。
幸せになりたい、幸せになりたい、と何度も繰返しながら悲哀に満ちた声で歌っている。
抗(あらが)うように、噛みつくように、まるで人を信じなかったあの頃のJ子。
きっと彼女も、踏まれて踏まれて生きてきて、やっと幸せのクローバーになれたんだろう。

自分に優しく、自分がまず幸せになること、それを目の前の人に伝えることだ。
毎日、自分が出逢う目の前の人にただただ一生懸命になることだ。

いつもありがとう。
なんのお礼にもならないが、J子にこの前の散歩で見つけた幸せのクローバーを贈りたい。
そして皆にも。

 

佐々木 優(ささき まさる)
ホームケア土屋 四国

 

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