ヤングケアラー問題について / 大庭竜也

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皆さんは“ヤングケアラー”という言葉をご存知でしょうか。
“ヤングケアラー”とは簡潔に言うと、家族の介護にあたる18歳未満の子どもたちを指す言葉です。

法令上の定義はありませんが、ヤングケアラーは「家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどをおこなっている、18歳未満の子ども」とされています。

今の日本の現状として、ヤングケアラーが何故問題なのかについて書いていきたいと思います。

厚生労働省によると、2020年4月の時点での調査で中学生の『17人に1人』がヤングケアラーに該当するという調査結果が報告されています。その中には自身がヤングケアラーに該当するか分からないとの回答も1〜2割程度含まれており、未だヤングケアラーという言葉が普及しわたって無い為、実状ではもっと多いのではないかという事が推測されています。

実際にヤングケアラーになる事でどの様な影響が子どもたちにあるのかと言うと、約35%の中学生ヤングケアラー達が「自分の時間が取れない」、「宿題をする時間や勉強する時間が取れない」等の回答をしました。
そしてその頻度はほとんどが毎日で3〜4時間/日という事でした。

こうした状況に、自らも非常に多感で精神が未発達にある段階で直面するという事は学業だけで無く心身ともに悪影響を及ぼすだろうと考えられています。

家族を見守る負担を持つ事でストレスを常に抱え、睡眠に影響したり、遅刻や宿題忘れ、欠席ばかりでなく、部活動に参加できなくなってしまったりなど、思春期に培われる大事な友人とのコミュニケーション能力の欠如にも繋がります。

そして、これらのタイミングが進学と重なる事もあり、子ども達の将来を大きく左右することも考えられます。

今はまだ認知度が低い“ヤングケアラー”という言葉ですが、少子高齢化が進む現在の日本では容易に当たり前の様に馴染みのある言葉になってしまう事が考えられます。実質、2025年までに毎年20万人ほどの新たな介護者が必要と想定されています。そうなると、ヤングケアラーの数も比例して増えていく事が想定されます。

この状況下で、1人でも多くの“ヤングケアラー”を救い、彼らが本来受けるべき教育や自由、平等の権利を取り戻す為に、まず周りの大人達が彼らはヤングケアラーだと気づいてあげることが重要になります。

しかし、実際には多感な時期のヤングケアラーは気づいてあげることも容易ではなく、本人からの話がきっかけとなる事が多い様です。

しかし、事実を知る事で、教員や友人などはヤングケアラーをサポートすることができます。家庭内の介護はプライバシーにかかわる問題ゆえ、なかなか人に話すことは簡単ではないと思いますが、彼らの将来を左右する問題だけに、本人の勇気も必要ですが、少しでも気軽に相談できる環境づくりが教育現場には求められています。

そして、必要な方には私たちの様な訪問介護の仕事があり、外からの力も頼ってもいいということを、もっと沢山の方に知っていただきたいと考えています。

 

大庭 竜也(おおば たつや)
本社・総務

 

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