土屋のミッションについて / 伊藤一孝(ホームケア土屋 三重)

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「恋愛四季報」という本がある。先日、書店をぶらついていた際に偶然見つけた本だ。ページを繰ってみると、「会社四季報」「就職四季報」のように企業ごとの「恋愛偏差値」が、全国から寄せられた口コミをもとに算出され、それぞれに特徴的な「合コン」「恋愛特性」などが記されている。真剣に向き合うものではないが、これはこれで、なかなか興味深い視点だ。

たしかに「恋愛」という視点から企業を眺めてみると、いささかステレオタイプではあるが一定のイメージが浮かぶ。「肉食系」「草食系」という傾向値とは別に、「商社らしさ」「マスコミらしさ」「金融らしさ」…というように、業種ごとに異性に対するアプローチの違いに特徴があることに気づく。また、同一業種であっても、たとえば総合商社であれば、商事、物産、住商、伊藤忠、丸紅、双日…みな、それぞれに「らしさ」は違う。総合商社と専門商社とでは、また「らしさ」に違いがある…。

では「らしさ」って何?

教科書的な物言いにはなるが、「らしさ」とは、「企業文化」そのものであるということだ。「企業文化」とは、企業ごとの価値観や行動規範を指す。そして「企業文化」を言語化したものが「企業理念」である。「ミッション」「経営理念」「社是」「社訓」…みな同義だ。「企業理念」こそが「らしさ」の源となる。

「企業文化」を言語化した「企業理念」とは、すなわち、企業に属するあらゆる人にとっての「判断軸」になる。社会人にとって「判断軸」とは文字どおり、あらゆる判断の拠りどころとなるものだ。だからこそ「判断軸」という共通の「モノサシ」を持つ人間集団ならではの「企業文化」が形成され、「らしさ」が醸成されるというわけだ。

企業規模や業種にかかわらず、属する企業や組織で、人は大きく変わっていく。このことは厳然とした事実であることは間違いない。どの学校に属したか、ということもその人を規定する重要なファクターになり得るが、どの企業や組織で働くかが、その先の長い人生において、より重要だと個人的には感じている。明確な「判断軸」が備わるからである。とはいえこれは、企業や個人の考え方の違いで大きく左右されることでもあるが…。

私はかつて「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」を社是・社訓としていた会社にいた。上司、先輩、同僚、後輩、かつての仲間たちは、ほとんどが退職しているが、OBOGの多くは現在でも、ある種の「人生訓」としてこの言葉を大切にしている。私もまた、今でもその意図することを自らに問い続けている。

かように「らしさ」の源となる「企業理念」とは、経営そのものにも、そこに属する仲間にも大きな意味を持つことになる。

ただし企業理念は、「あれば良い」ではない。経営者をはじめとする経営陣が、どこまでそこに「こだわる」かが問われることになる。組織に根付いてこそ、関わる全ての人にとっての「判断軸」となり「らしさ」を醸し出す源泉となるからである。2020年11月に実質的にスタートした株式会社土屋で企業理念が根付くには、もう少し時間が必要になるだろう。

冒頭に記した「恋愛四季報」には、残念ながら株式会社土屋の記載はなかったが、何年か先には、晴れて掲載される日が来るのかもしれない。そのときに、株式会社土屋はどのような「らしさ」を表現しているのだろうか。まぁ、年寄には関係ないですけど。

 

伊藤 一孝(いとう かずたか)
ホームケア土屋 三重

 

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