『Happypedia〜極私的幸せ辞典〜』② / わたしの

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あお【青】

モーリス・メーテルリンクの『青い鳥』にもあるように、幸せを象徴する色は「青」だ。
どうして「幸せ」は「青」なのだろうか。

「青春」も青い春と書く。二度とはかえってこない胸を焦がす思い出は、古いフィルムのように「青い」。あの青さをもう一度、と人は願うがそれが不可逆であり、叶わないことを知るだろう。

しかし、チルチルとミチルが自分の家で「青い鳥」を見つけたように、身近な場所を見回してみるとよいのかもしれない。そうすれば「今」「ここ」がまさに「青春」の真っ只中であることに気づくはずだ。
年齢は関係ない。

思い出はいつでも美化されるものだ。

たび【旅】

旅とは何かと問われれば「時間を買うこと」と答える。
物を購入すると物が残るが、時間を購入しても物は残らない。
物が残らないということはいい。気分がさっぱりする。

宿に宿泊するということは、宿で過ごす時間を買うということである。
非日常的な空間は人生を彩る。
時には少し高額でも、ラグジュアリーなホテルを選ぶことが大事だ。
それだけの価値はある。

とは言え、私は安宿をいつも利用している。
安くてもいい宿はある。
掃除がいき届いていて清潔であること。
匂いがいいこと。
落ち着いた雰囲気があること。
人が丁寧で優しく、あたたかみがあること。
食事は豪華でなくてもよいが、シンプルで美味しいこと。

宿を使わないことも多い。
私は車にシングルベッドサイズのマットレスを積んで、好きな所へ行き、地のものを車の外で煮炊きして食べ、疲れたらそこで一泊する。
窓を開け放ち、波の音を聞きながら眠ったこともあった。それが気楽でよい。

全て一期一会であり、二度と再現できないだろう。

多くの新しい景色を見てみたいと思う。

私は臆病者なので、海外旅行などにいける人を尊敬する。もう少しこの臆病を改善できれば世界が広がるのに………。

ぷらとにっくなれんあい【プラトニックな恋愛】

プラトニック(英:platonic)とは、純粋に精神的な様子、または、純粋に相手を思うさまのこと。
プラトニックな恋愛があることは幸せである。
「秘すれば花」と世阿弥も言う。

目標【もくひょう】

目標を持つとその分人生は楽しくなる。それは間違いない。

しかし、目標を持つことは意外と簡単なことではない。

何を目標にしていけばよいのか悩むし、設定できたとしても本当にこの目標は自分の目標なのだろうかと常に悩みは尽きないだろう。

どうしたいいのか、胸を張って答えられるような度量が私にはないのだが、一つ言えるとするなら(繰り返しになってしまうが)

「目標があると、人生は楽しくなる」

そうとも言えるし、

「楽しむために目標がある」

とも言える。

これまで目標とか計画性とか、そういうものと程遠い生き方をしてきた。たまたま、とか、流れ、とか、成り行きまかせ、とか。いい加減に生きてきた。
成り行きの権化とも呼ばれていいくらいに。

そうしてくると何かひとつくらいは人生で目標をたてて、それに向かって生きてみることをしてみてもいいかなと思えるものである。

自分にも目標を追いかける生き方ができるのだということを、この歳で証明したいのかもしれない。

「できるぞ」と自信がついたのもあるのかもしれない。

これまでは「どうせ目標なんて達成できないよ」と諦めていた。だからそういうものから逃げるようにも生きてきた。

「目標を持つ」ということと「自信を持つ」ということは密接に関係している。

ふりーすたいるえむしーばとる【フリースタイルMCバトル】

選択したビートにのせて即興でラップをし競い合うバトルのこと。ラップのかっこよさやスキル、即興性、内容、ライム、フローによっていかに観客をぶち上げられるかが審査の基準となる。

基本的に一対一で闘う。
フリースタイルバトルというと相手を攻撃するディスり合戦を思い浮かべるかもしれないが、それだけでは決してない。相手をリスペクトする内容もあるし、二人でその時間を楽しみ一つの音楽へと昇華させようとする「セッション」を望むラッパーもいる。
攻撃だけでもよくない。しかし、表面上のリスペクトだけで歯の浮くようなセリフを並べ立てるのも気持ち悪い。本当のことを気持ちをこめて最高のスキルでラップするのがかっこいい。

また、用意してきたようなラップをするのも即興性を重視したバトルにおいては興ざめとなる。その場、そのとき、その相手にしか言えない一期一会のラップを即興で叩き込む姿を見ると魂がふるえる。時々、その姿に泣きそうになる。命を燃やしている姿に感動を覚えるのである。

バトルには8小節を4回ずつとか、16小節を2回ずつとかそれぞれのターンを交互に繰り返していく。
じゃんけんで先攻後攻を決めるのだが、

さて、ここで問題。

あなたがラッパーでじゃんけんで勝ったら先攻後攻どちらを選ぶ?

〜(꒪꒳꒪)〜

一般的には、後攻が有利とされている。
自分のターンでバトルを終えられるからだ。最後に一撃必殺のパンチラインを打ち込めば会場が沸いて、そのまま勝ちのムードに持っていける。

相手が言ったことに対してアンサーを返すことができるのも有利だ。相手のラップを完全にひっくり返すような、納得のいくアンサーをすることによってぐうの音も出ないように叩き斬ることができる。

しかし、先攻のメリットもある。
対話をスタートさせる役割なので、話を自分の持っていきたい方向へ向かわせることができる。
これについて対話しようぜ、と相手に提示できるのだ。

じゃんけんに勝ったにもかかわらず、不利な先攻をあえて選び、その気合と熱量を見せつけて会場を一気に味方につけるという戦略もある。

そんな駆け引きがありながら、人と人とがラップでぶつかり合うのが楽しい。

スキルはもちろんあるが、ラッパー一人ひとりの人柄、人間性が最後は勝負の決め手であったりする。

バトルではないが、映画『SRサイタマノラッパー』の渾身のフリースタイルラップは最高にダサく、最高にかっこいい。必見である。

次巻につづく

 

◆プロフィール
わたしの╱watashino
1979年、山梨県生まれ

▼ 音楽
https://note.com/wata_shino/n/nf4989b561ab7

▼ 文
https://note.com/wata_shino/n/nd7b0f566bb9f

 

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