地域で生きる/20年目の地域生活奮闘記⑥ ~新型コロナウイルス感染症に翻弄される1年について~ / 渡邉由美子

今年はクリスマスも忘年会も出来ない異例の年末年始です。何もかもが普通通りに、思うようにならない1年でした。それでも幸い私自身は新型コロナウイルスにかかることも、介護者が罹患することもなく、年を越せそうな目途が立ってきたような気がします(まだ、油断はできませんが)。日々、基本の感染対策を緩めることなくやっていくしか方法が無いので、続けていきたいと思います。

私の知り合いは、本人が感染したわけではないのですが、介護者が感染しその濃厚接触者となってしまったために、隔離のための入院を余儀なくされて、数週間コロナ病床に入院をせざるを得なかった体験を、退院してから赤裸々に報告してくれました。

ただでさえ、重度障がい者の入院というと様々な問題があり、入院時にも日常入っているヘルパーに病院にいてもらえるように運動を展開しているというのに、今回は本人が感染していない状況にも関わらず、感染症ということで退院まで誰とも接触できず、入院初日は時間が少し遅く、人員が確保できないということを理由に、夕食を摂ることも出来なかったとのことでした。

コロナ病床は本当にテレビで報道されている通りの逼迫した状況が今年3月から続いているとのことで、医療者が退職や離職を繰り返す中、崩壊の危機が迫っていると感じたそうです。生命のトリアージも当然のことのように行われていて、厳しい生命の現実を目の当たりにする中で、とても自分の通常の介護を頼むことはできず、ひたすら耐えてその期間を過ごしたと過酷な状態を語られていました。

上記の当事者に比べれば、私の今年の生活は結果的に見ればまだまだ恵まれているとは思います。しかし、今年の3月、4月頃は自立生活の危機をとても強く感じました。使命感をもって通常と変わらず来てくださった介護者も多数いました。

その一方で、ソーシャルディスタンスをとることは介護においては難しいものなので、リスクはどうしても通勤を含めて大きくなります。もし、私に関わったために介護者が新型コロナウイルスにかかったらと考えると、どうしたらよいのか、とても悩みました。

一時は学生ヘルパーを一旦なしにして、事業所の社会人介護者のみで生活を2、3か月送るという、緊急事態宣言の頃と同じようにしました。学生介護者だけを守ろうとしたわけではありませんが、学校が課外活動を禁止している状況下でそのルールを犯してまで来ていただいて、なにか本当にあったら責任が取れないし、申し訳ないと思い悩んだ結果、そのような対応を取りました。

しかし、そんな生活は人材不足に拍車をかけ、すぐに困難を極めました。コロナの対策も少しは分かってきた(?)ような気がする中で、今は再び出来得る限りの万全な感染対策を講じながら外出を極力避け、室内では会話も少なく過ごすことを心がけ、通常に近い介護態勢にしています。

とにかく新型コロナウイルスに翻弄された1年でした。まだまだ収まるところを知らないコロナの脅威を前に私たちは何が出来るのか、本当に悩む日々です。

少しでも明るい出来事を探して今年を振り返ると、ZOOMを多用して人と繋がり続けることが出来たとか、このような長文の文章を落ち着いて書くことによって自分の暮らしや考えを見つめ直したり、このような形で上手くはなくても発信し続ける活動を継続出来ていることに深く感謝したい気持ちでいっぱいです。

家でこんなに時間がある事は、自立生活史上初めてかもしれないぐらい家にこもっています。前々から時間が出来たら買い替えようと思っていた家電を数点吟味して買い替えることもでき、掃除や片付けもだいぶ進みました。

外出が大好きで、用事を作ってでも外に出たい欲求の強い私が自宅で有効に時間を使い、自分が出来る社会参加活動を見つけられたのは大きな収穫の一つでした。それでもやはり孤独な社会参加活動に早く終止符を打てる世の中になってほしいとみんなが望んでいると思います。

来年は何の心配もなく、好きな外食や遠出、仲間同士集まっての障がい者団体の会議を開けるようになりたいものです。

治療薬の開発やワクチン接種はどの様に日本に入ってくるのか、注目はしていますが、過去にあった数々の薬害の後遺症による重度障がいを負わざるを得なかった方々のことを思うと少し怖い気持ちにもなるのは正直なところです。

今が我慢のしどころと思い、サイレントクリスマス&ハッピーニューイヤーを過ごし、これ以上の感染者が増えて医療従事者に多大な負担をかけないよう、努力したいと思っています。

この試練は長く続く様相を呈してきました。息長く対策を続けていくために時間の気分転換をより考えていこうと思います。
何かの将来投資になるような勉強をしてみるにはよい機会かもしれません。健常者でもこれだけの自殺者や失業者が後を絶たない世の中になると、社会保障費の抑制が本格化しないとも限らないので障がい者運動の強化をしていきたいと思います。

このブログを読んで頂いている皆様、くれぐれも気をつけて良いお年をお迎えください。

◆プロフィール
渡邉 由美子(わたなべ ゆみこ)
1968年出生

養護学校を卒業後、地域の作業所で働く。その後、2000年より東京に移住し一人暮らしを開始。重度の障害を持つ仲間の一人暮らし支援を勢力的に行う。

◎主な社会参加活動
・公的介護保障要求運動
・重度訪問介護を担う介護者の養成活動
・次世代を担う若者たちにボランティアを通じて障がい者の存在を知らしめる活動