地域で生きる 21年目の地域生活奮闘記⑪-1〜寒さが厳しくなる日々に感じる体調管理 入院時ヘルパーの獲得(前編) / 渡邉由美子

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今年の冬は暖冬なのかと思えるほど暖かかったのが、急に寒さが押し寄せてきている日々に体調管理が大変難しくなってきました。

それに加えて今はコロナ禍なので、普通の風邪との区別が難しくなる為に体調を崩すとPCR検査を受けなければならなくなる危険性を常に孕んでいます。

さらに、自主隔離状態となり、ヘルパーの介護も受けにくくなってしまいます。その為、不要不急の外出は避けながら体調管理に神経を使っています。

近年は入院することなく過ごせていますが、自立生活を始めて10年ぐらいまでは今よりもっとハードな活動をしていたので、年に2、3度入退院を繰り返す生活を余儀なくされていました。

自費をなるべく出さない形の入院をと願い、行政交渉及び病院との交渉を重ね、入院時ヘルパーが制度化される以前から入院の問題について闘いを繰り広げてきました。

入院するほど体調の悪い時に、交渉するのは本当に辛いことです。自立とは甘くない世界であることをこの経験から悟ったものでした。

今回は私の入院時の体験を紐解きながら、入院しても平常時と同じ重度訪問介護サービスが当たり前の様に使える事を目指して、日頃から何を準備しておけるのか?について考えてみたいと思います。

自立生活を始めた2000年から2010年前後は環境の変化と生活のハードさに身体がついて行かず、逆流性食道炎の悪化することが多く、入退院を繰り返しました。

何度も入院があり期間もその時々で違ったのですが、ある時2泊3日の入院を例に、入院で看護師には出来ないことで、どんなことをどんな頻度で日常関わっているヘルパーが行ったのか、事細かに退院してから文章にまとめ、某区と話し合いをもちました。また、介護方法を看護師・医師・検査技師など関係者に伝えました。

ヘルパーが入院時に主に行った内容は以下の通りです。

一日も早い体調回復のため口から少しでも食事がとれるよう食事の介護を手伝う、安楽な体位を常に探し保つ、汗を拭く、鼻をかむなど寝た姿勢では全く動けない状況を軽減する、おむつではなく症状排泄による排泄介護をする、などが中心の支援でした。

入院先を何軒か変わらざるを得なかった経過の中で病院側が全くヘルパーの必要性を理解しようともせず、医療の看護には日常生活の支援も入っているので、完全看護であるとの法律の条文をそのまま言っているような対応の中で、役所のパート職員が来て、点滴を打ちながら病院の会議室で会議を持ったことがありました。

その挙句に病院がとった対応は、完全に完治していないがうるさいので退院させるという驚きのものでした。

その時は、主とする症状が過労によるものであり、体力の回復とともにストレスが軽減されれば自然と健康を取り戻せるものだったので、事なきを表面上は得ましたが、病院でなければ治療のできない病に今後かかる可能性が十分に考えられる状況の中で闘い続けていかなくてはならないと日々つくづく感じています。

入院時に私自身が入院時ヘルパーの必要性を分かってもらうために行動したこととしては、病院側に看護師や医師では対応できない日常の介護があることを知ってもらうためナースコールの連打から始まり、対応の遅さを指摘する行為を意図的に繰り返しアピールしました。

なぜヘルパーが居なくては駄目なのかというと、医療界の常識として行われているような体位交換や症状排泄が中心である、加齢を原因とする寝たきり状態に対するマニュアル的な介護では対応が困難だからです。

そのような介護を受けていると障がい特有の症状が強くなり、入院した病気とは別の問題が出てきて、二次障がいを悪化させ、ひいては元々の障がいの重度化を促進させる結果となってしまい、地域生活に支障が出てきてしまいます。

そのため、今まで時間をかけて築き上げてきたすべての事が入院生活の影響で破綻してしまうことを詳細に訴えてきました。

そして、当時の入院生活においても検査の際、障がいゆえにとれる姿勢、とれない姿勢があり、とれる姿勢といっても厳密な角度や硬直具合を見定めた対応をしないと骨折や病状の悪化につながるリスクを常にはらんでいると伝えました。

口頭や伝達でその方法を伝える事はとても難しく、日々の積み重ねの介護の中で身体の状況が日々変動することを熟知した介護者にしか出来ない介護である事を伝える努力を重ねました。

また入院生活でのどういった部分で何をする為に看護師さんや病院関係者ではできないことがあるのかを文章化し、費用の目途が立たなくても普段から関わっている介護者に来てもらった部分を24時間のグラフにして明確に書き示し、ヘルパーが居なければ成り立たなかった現実を明らかにしてきました。

このような資料を基に、一人暮らしの重度障がい者が入院した時に病院がいかに対応できていないかという事実を伝えて、医療におけるマニュアル的介護では何故入院生活が困難なのかについて説明していきました。障害福祉課と協議した結果、一定の成果を得ました。

その成果については次回書いていこうと思います。

 

◆プロフィール
渡邉 由美子(わたなべ ゆみこ)
1968年出生

養護学校を卒業後、地域の作業所で働く。その後、2000年より東京に移住し一人暮らしを開始。重度の障害を持つ仲間の一人暮らし支援を勢力的に行う。

◎主な社会参加活動
・公的介護保障要求運動
・重度訪問介護を担う介護者の養成活動
・次世代を担う若者たちにボランティアを通じて障がい者の存在を知らしめる活動

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