取り組み計画の策定 ~9.CSR/SDGsの計画は、事業計画であり検証計画~ / 影山摩子弥

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CSRは経営戦略である。その社会的意味(ステークホルダーにとっての意味)と経営的意味とを考え、意識的、計画的に取り組まねばならない。CSRの一環であるSDGsも、もちろんそうである。

しかも、経営戦略であるから、一定期間取り組んだら戦力評価も必要になる。戦略評価のためには、社会にとってのメリットと自社にとってのメリットが実現されているかどうかを確認するデータが必要になる。

それは、そのような検証のためには、取り組む前からどのようなデータが必要か、それをどのように集めたら良いか、検証のための意はどのように分析すべきかを考える必要がある。実施前のステークホルダーの考え方と実施後のそれとの比較をする場合、実施後に意見が変わったかどうかを訊く方法もあるが、場合によっては実施前のデータが必要となる。

そこで、取り組むべきCSRが確定できたらその事業計画を作る必要がある。

この表は、CSRの計画表の例である。盛らねばならない項目を説明するためのものであり、実際の運用は企業によって異なる。

左の列は、CSRのカテゴリーである。SDGsの場合、ここに該当するゴールとターゲットを記載すればよい。「ニーズに応える事業」には、事業内容化、事業名を書く。表題が緑の部分には、析出表からステークホルダーとそのニーズを転記する。目的・目標とあるが、中長期で目指すものと短期(半年や1年)で目指すものとの違いである。それぞれ、ステークホルダーが得るものと自社が得るものを推測して書くことになる。

さらに、目的目標の右には、それをどのように検証するかを書く欄がある。検証方法とデータを書くのである。売上げの増加が自社のメリットであれば、売上データの取組み前後で比較するなどとする。取組みの中でここに記載したデータを手に入れることができるようにすることになる。つまり、CSR/SDGsの計画は、事業計画であり検証計画でもあるのだ。

 

◆プロフィール
影山 摩子弥(かげやま まこや)

研究・教育の傍ら、海外や日本国内の行政機関、企業、NPOなどからの相談に対応している。また、CSRの認定制度である「横浜型地域貢献企業認定制度(横浜市)」や「宇都宮まちづくり貢献企業認証制度(宇都宮市)」、「全日本印刷工業組合連合会CSR認定制度」の設計を担い、地域および中小企業の活性化のための支援を行っている。

◎履歴
1959年に静岡県浜北市(現 浜松市)に生まれる。

1983年 早稲田大学商学部卒。

1989年横浜市立大学商学部専任講師、2001年同教授、2019年同大学国際教養学部教授。

2006年 横浜市立大学CSRセンターLLP(現 CSR&サステナビリティセンター合同会社)センター長(現在に至る)

2012年 全日本印刷工業組合特別顧問 兼 CSR推進専門委員会特別委員(現在に至る)

2014年 一般社団法人日本ES開発協会顧問(現在に至る)

2019年 一般財団法人CSOネットワーク(現在に至る)

◎専門:経済原論、経済システム論

◎現在の研究テーマ:地域CSR論、障がい者雇用

◎著書:
・『なぜ障がい者を雇う中小企業は業績を上げ続けるのか?』(中央法規出版)
・世界経済と人間生活の経済学』(敬文堂)

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