地域で生きる/21年目の地域生活奮闘記⑬~こんな世の中だからこそ感じる余暇活動備忘録とは~ / 渡邉由美子

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家でできる社会参加活動はzoom等を使って着々とやっているので、なにもしていないわけではないのだけれど、ここ一年必要最低限の外出をすること以外はずっと家にいることが多くなり、私本来の個性のある外出大好きな生活が出来ていません。それもあってか、介護者との関係性が煮詰まることもしばしばです。

障害があってもなくても人は誰かから必要とされたり、社会に参加するためにどこどこへ行き、人の役に立つ活動をしていることが精神の安定や充実に繋がっているのだとつくづく思うのです。そんな意味で誰かから必要とされることはやり続けてきました。

これから書くことは今までどんな工夫をしたり、準備をしてきたかということを、余暇ということにフォーカスを当てて記してみたいと思います。

一人暮らしをする前は、日本各地をボランティアさんの学生さんに一年以上前からお願いして、旅を楽しんでいました。遠くは北は北海道、南は沖縄まで行ったことがあります。一人暮らしをしてからは、なかなか余暇に回せる資金がそこまで潤沢にはないので、動きはとても小さくなってしまいました。

若い時は座位も安定しないこの身体で、チェアスキーを楽しんで雪と戯れ雪に埋まり、一瞬肢体不自由があることを忘れるほど全身全霊で遊んだものでした。バリアフリーが整っているとはいえない状況であっても、旅先で出会う人々はみな人情にあふれ、スーパー人海戦術で困難をクリアしながら遊んだものです。

夏は海岸専用の車椅子「ランディーズ」を駆使して、波打ち際以上のほとんど全身を海につかっている状態の海水浴を楽しんだものでした。

今は、プライベートで乗ることがここ数年なくなってしまった新幹線も、よく手動車椅子で利用していました。飛行機は、大手のANAやJALではキャビンアテンダントさんに座席に移るところまであっという間に手伝ってもらえるので、他の移動よりもかえって安楽にできることにもなります。

ただ、座席と座席の間の通路が狭く、箱にタイヤがついたような機内用の車椅子で座席まで移動するので、それに座っていることは、私の障がいからすると転倒しないかいつもドキドキしていました。

前に活動していた自立生活支援団体に所属していたときには、航空会社の車椅子対応マニュアルの策定に少し関わったりして、車椅子での快適な空の旅の実現に努力したこともありました。

格安航空会社はまだ利用したことはありませんが、経費を極限まで下げたいということと、手厚い人的サービスや設備的バリアフリーを求める事とは、相反するので、双方やりたい気持ちはあってもできない壁がそこにできてしまうのは、やむを得ない現実だと思います。

そんな様々な困難を乗り越えて数年に一度実現できるか、できないか、だからこそできた時の感動や喜びはより一層大きなものに感じられるのだと思います。

世の中の情勢が旅行を許すほど一日も早く回復して、障がいの克服という事だけ考えていけばチャレンジしても差し支えの無い時になったら是非行きたいと思います。

旅をする事でもう一つ大きな障壁となるのは宿泊場所のバリアフリーです。

最近はバリアフリールームがあるホテルや旅館も増えてきましたが、そのバリアフリーの意味はトイレに手摺がついているとか、段差がないことを指していることが大半で介護用リフトは無いのが当たり前です。

入浴設備もよくて介護用のシャワーベンチが据え置き式で用意されているのがバリアフリーの限界です。

私の様に介護用リフトやシャワーキャリーを用いなければ宿泊すること自体が困難だと、どうしてもベッド移乗の問題が大きく、一泊旅行を躊躇せざるを得ない状況に陥りがちです。

私はかつてそこを複数介護で突破していました。複数介護者と旅行となると、次は旅行費用を誰が出すか?という結構大きな問題にぶち当たります。

重度訪問介護は在宅生活を支える制度なので外泊は原則認められていないのです。研修会など限定的な宿泊を認める場合も出てきましたが、まだまだ余暇を楽しむ為の外泊は認められていません。

その為、介護費用2人分、旅費は本人もいれて3人分を障害当事者が負担する事になるのが当然という事になってしまいます。そこが一番の余暇を妨げる要因となり、行きたいところがあっても行けないのです。

そんな状況の中で今までは、行ったつもりで郷土料理を飲食して旅気分を楽しんでいた仲間も沢山いました。しかし、もともとお店が狭くて車椅子複数台では楽しめない事も多々ありました。今は複数での飲食そのものが規制されています。

障害の重い我々は食事介護の為に介護者を同伴するので人数はどうしても多くなってしまいます。これも当分難しい問題であり続ける気がしてなりません。

とにかくなんらかでストレスを溜めない方法を見出して巣ごもりおうち生活を少しでも楽しく過ごしましょう。

私は月並みですが読書をしたり、A〇a〇onプライムで映画を観たり、おうちカラオケをしたりして楽しんでいます。年齢も重ね、しんどくなっていく身体には上記のような手軽な余暇も良いなぁと思います。

読者の皆さんも自分らしい余暇の在り方を考えてみませんか?

 

◆プロフィール
渡邉 由美子(わたなべ ゆみこ)
1968年出生

養護学校を卒業後、地域の作業所で働く。その後、2000年より東京に移住し一人暮らしを開始。重度の障害を持つ仲間の一人暮らし支援を勢力的に行う。

◎主な社会参加活動
・公的介護保障要求運動
・重度訪問介護を担う介護者の養成活動
・次世代を担う若者たちにボランティアを通じて障がい者の存在を知らしめる活動

 

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