地域で生きる/21年目の地域生活奮闘記⑭~事業所探しに奔走される日々~ / 渡邉由美子

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長年望んできた公的介護保障制度、1日24時間365日が実現して数年が経過しました。二次障がいの悪化とともに外出時や入浴に2人介護を必要とする場面が増えて交渉を引き続きしています。行政交渉は、私の人生を賭けたライフワークとして行っていかなければ生命維持がすぐに脅かされてしまいます。そんな行政交渉の血と汗の結晶の結果である「時間数」を活かしてフル活用しながら、より自分らしくある生活を再構築したいと願って止みません。

しかし、時間数がある程度自分の望むものになったということは、決してゴールではないという厳しい現実を24時間介護が実現した瞬間から感じています。

私は、入浴やトイレ介護に主な介護の必要性があるので、同性介護を得る事にとことん妥協せず、24時間365日他人と一緒にいる生活を選んで生きてきました。そのため、人材確保が年々大変さを増してきています。

前提条件として、女性は当然のことながら、ライフステージの変化が仕事に諸に影響します。結婚、出産、育児、親の介護、ご主人の転勤など、様々な理由での介護離職があります。さらには、介護はまだまだ肉体労働であるため、介護職に付きものである、介護者自身の腰痛も離職の大きな原因となっています。

重度訪問介護は、長時間の見守りも含めた面での関わりをどうしても求めざるを得ません。そのことと女性が働きたい時間がどうしても合わないことが重なり、人材不足に拍車をかけてしまう結果となるのです。

今は贅沢な悩みと言えば悩みで、介護支給量はあっても人材不足に変わらずいつも悩んでいます。大体の事業所は介護保険の介護が中心で、「重度訪問介護は事業所指定を取っているだけで今は手が回らないので行っていない」と答える事業所がほとんどです。

春は退職が相次ぐ季節で、毎年のように今まで契約していた事業所が人を継続して派遣出来なくなり、リストを片手に事業所探しを100件近く行うのが年中行事と化しています。先日も、4月からの穴を埋めるために同様のことを必死に行ったばかりです。契約をして下さる新規の事業所が見つかり、また首の皮1枚、介護保障のツールが繋がったのでした。

自立生活保障の介護者は利用者とその時間飲食をともにして暮らすという感じになるので、やることだけやって会話も関係性づくりもなく風のように去っていく形態の介護保険の介護者とは仕事内容は似通った部分があるにせよ、似て非なるものです。表面的にやり過ごせる状態ではなくなってしまう時もあります。これがもう1つの離職原因です。

女同士の感情と感情がぶつかり合い部屋の空気が重たくなって、とどのつまりは「辞める」、「辞めない」、「合う」、「合わない」みたいな話にエスカレートして、最終的には人間関係が行き詰ってしまい、介護離職を招いてしまう結果が生み出されるのです。

「あっ、まずい」と思った時にはまさに覆水盆に返らず状態で、介護コーディネーターを挟んで面談したり、私の至らなさを謝罪したりというように様々なことを試みますが、時すでに遅しとなってしまうことがあります。

そんな時、「何でこんなことになってしまったの?」、「私のことをより深く理解して支えて頂きたいと思っただけなのに…」と号泣することもあります。

1度嫌だと思ってしまった人間関係は本当に修復が難しいと思います。新しく入ってきた介護者とは今までの反省を活かして、2度と同じことを起こさないように努めたいと願わずにはいられません。

他人と生活をするのはすごく難しいと思います。「私と出会った介護者は何かの縁があって家に来て下さったのだから、皆さんと穏便に過ごしたい」これは真の本音です。

多少介護がおぼつかなくても、それは自然と時が解決してくれることです。さまざまな原因で介護そのものが継続不可能となってしまうことは、自立生活の年月が積み重なっても解決できていない大きな課題として、私につきつけられたことだと感じています。

「生きるって本当に大変だな」こんなに大変ならもう辞めると何度も思いながら、それでもやっぱり施設や病院ではなく地域で普通に自立生活を奮起しながら生きてきました。

相田みつをさんではないですが、人間だもの、さまざまな日があって感情のコントロールが上手くいかない時もあるのさ、感情むき出しはよくない。そんなこと頭では分かっていても、ついつい身近にいた介護者にあたってしまうこともあるのです。人間らしさの一つとご理解をと思いながら、心からごめんなさいと叫ぶ思いはなかなか届かないのです。

介護を使って生きている当事者のみなさん、そして介護者のみなさん、この辺の本質的な課題をどう乗り越えていますか?楽しく生きられる秘策を身に着けたいと思う今日この頃です。

4月から新しい事業者が私の生活に加わる仲間となりそうです。春風に誘われて明るく心機一転の生活を気を引き締めて丁寧に築いていこうと思います。緊急事態宣言も解除されて、気軽に外出できる楽しい春となると良いなぁ。

 

◆プロフィール
渡邉 由美子(わたなべ ゆみこ)
1968年出生

養護学校を卒業後、地域の作業所で働く。その後、2000年より東京に移住し一人暮らしを開始。重度の障害を持つ仲間の一人暮らし支援を勢力的に行う。

◎主な社会参加活動
・公的介護保障要求運動
・重度訪問介護を担う介護者の養成活動
・次世代を担う若者たちにボランティアを通じて障がい者の存在を知らしめる活動

 

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