株式会社プランナーズ

株式会社プランナーズ

仁木七美

アルムの丘ケアステーション 管理者

「訪問介護って、いいよね」。一対一のやり取りから、ともに安心していられる場所をつくる

 《interview 2025.10.24》

株式会社プランナーズ・アルムの丘ケアステーションで管理者として働く仁木七美(にきななみ)。
「こどもの頃はすっごく人見知りだった」――そう笑って話す仁木は、高校時代の先生や闘病中のいとこの言葉にふと導かれ、福祉の道へ進むことに。
その後、デイサービスの仕事を経て、いま訪問介護の現場で多くのクライアントの暮らしに寄り添っています。
ひとりひとりの暮らしを見つめてきた彼女が語る、訪問介護の魅力と難しさ、そして“家”という場所からはじまる介護のかたちとはーーたおやかに歩む仁木の日々を訪ねます。

CHAPTER1

こどもの頃は、すっごく人見知りでした

小学校から始めたバレーボール。練習はきつかったけど、アタックが決まるのが楽しくて続けていました

―仁木さんはどちらで生まれ育ったんでしょうか。

北海道の室蘭市で生まれ育ちました。
室蘭は鉄の町で、工場町なんです。

大きな工場がいっぱいあって、そこで働く人たちで賑わっている町でした。

―こどもの頃、どんな遊びをしていましたか。

こどもの時は公園で遊んだり。
あと、歌が好きだったのでよくマイクを持って歌ってましたね。

でも、すっごく人見知りでした。

知らない人を見たら、親の後ろに隠れるようなーーすごく引っ込み思案な性格です。

そこは今も変わらないですけど(笑)。

―中学や高校の頃は、どんなことに熱中していたんでしょうか。

小学校の高学年からバレーボールを始めて、高校を卒業してからも社会人バレーを続けていたぐらい、熱中してやってました。

姉がバレーボールをしていて、それを見て「私もやりたい」ってなって。

やってみたら、やっぱり面白くて。

練習はきつかったですけど、アタッカーだったので、アタックが決まると爽快感がある。

「気持ちいいな」って(笑)。
それが楽しくて、続けていましたね。

―仁木さんはバレーのチームの中では、どんな立場にいたり、どんなご経験をされてきたんでしょう。

私は小さい頃から人見知りだったところもあって、目立つ方ではなく、影で支えるタイプというかーー。

チームの中ではキャプテンや副キャプテンを影ながら見て、「じゃあ、こういうサポートをしてあげよう」というような立場で動いていたと思います。本当に些細なことなんですけどね。

「大変な人を支えてあげたい」っていう思いは、常に持ちながらやっていましたね。

CHAPTER2

「福祉の仕事が向いている」という言葉に導かれーー介護の仕事へ

就活をはじめて、うまくいかなくて、「何をしよう」って思った時にふと、いとこの言葉が浮かんできた

―その後は、どんなふうに進まれてきたんでしょうか。

高校を卒業する時に就職をしようと思っていて、学校見学の案内がいっぱいある中で医療事務の仕事に惹かれたんです。

パソコンを使いながら、事務の仕事をすることに憧れを持っていて、医療事務の専門学校に1年だけ通いました。

その学校は珍しく1年制だったんですよ。
1年で資格を取って卒業したんです。

―そこから実際に医療事務のお仕事に就かれたんですか?

それが1回も就かなくて(笑)。

就活をしていたんですが、私の世代では、医療事務職への就職ってものすごく人気で、なかなか採用してくれる会社がなかった。

半年ぐらい頑張ったんですが、決まらなくて結局就きませんでした。

学校を卒業したのが20歳。

その頃、自分では福祉の仕事は全然頭になくてーーただ高校の先生から「福祉の仕事が合ってると思う」って言われたんです。

でも当時の私は「介護は嫌だな、医療事務をやりたい」みたいに返して(笑)。

思い出すのは、私が高校の頃、いとこが白血病で入院をして闘病生活をしていました。

お見舞いに行って、私は彼女の身のまわりのお世話をしていたんですね。

その時にも「福祉とか医療の仕事に就いた方がいいよ」と、いとこから言われたことがずっと頭に残っていてーー。

就活をはじめて、うまくいかなくて、「何をしよう」って思った時に、ふとそのいとこの言葉が頭の中に浮かんできたんですよね。

それで「福祉の資格を取ってみよう」って。

まず学校に行って、ヘルパーの資格(現在の介護職員初任者研修)を取得して、そこからデイサービスで働き始めたのが、福祉の初めての仕事でした。

―実際に働き始めてからはいかがでしたか?

私の父も母も、8人とか、9人兄弟だったんです。

ふたりとも、兄弟の中でも下の方だったので、親戚がご年配の方ばかりで。

小さい頃から年配の方とはよく関わっていたので、すんなり馴染めました(笑)。

ヘルパーの資格を取る時の実習では特別養護老人ホームといった施設系やデイサービス、それから障害福祉、訪問介護も含め、さまざまな事業所を回って研修をしました。

その中でもデイサービスに行った時にーー「楽しいかも」って思ったんです。

利用者の方と喋りながら、コミュニケーションを取りながら仕事をして、一緒に笑ったりするやり取りが「私に合ってるかも」って。

違和感を全然感じなかったんですよね。

―最初に働かれたデイサービスは、長く勤められていたとお聞きしています。その中で印象に残っている入居者の方とのやり取りがあったら教えてください。

認知症の方で、私の名前だけ覚えてくださった方がいました。

新しい記憶を残すのがなかなか難しい中で、毎回、お迎えに行くと私の顔を見て、私の名前をしっかり呼んでくれた方がいたんです。

その方は家に帰ってからも私の話をしてくださったり。
それが嬉しかったですね。

会う度に「誰?」となる利用者の方が多い中で、その方は私を下の名前で呼んで可愛がってくれて。

その方はすーごく印象に残ってます、今でも。

それから、デイサービスは日中はレクリエーション(レク)がメインになってくるんです。

そのレクを私が担当した時に、「あなたがやってくれると楽しいわ」「盛り上げてくれるから、通うのが楽しい」って言ってくださる方がいたり。

そういう言葉を聞くと、「考えてやってよかったなー」って思ってやっていましたね。

利用者の中には、外に出ることに億劫になっている方も多かったので、デイサービスに来て楽しんでくれる時間をつくれたら、それがいちばんいいな、と思っていたので。

実際にみなさんから「楽しい」っていう言葉を言っていただけたのは嬉しかったですね。

CHAPTER3

はじめての訪問介護――「自分の家の掃除の仕方でいいのかな」「お料理はどれぐらいの味の濃さがいいのかな」

はじめての訪問介護でいちばん心配だったのが、クライアントのご自宅でお料理をつくることでした

クライアントとコミュニケーションを取りながら、関係を築いて、お話をいっぱいして、

「この方はこういうことが好みなんだな」って学びながら、教えてもらいながら、必死に今まで走ってきた感じです。

そのデイサービスには、16年ほど勤めたんですが、2020年に東京に引っ越してきました。

そこで、東京のデイサービスで働き始めて。

以前働いていたところはお風呂やレクがメインだったんですが、そこは半日型のリハビリに特化したデイサービスだったんです。

送迎をして、運動して、送迎をしてー―1日2回、午前と午後で利用者が入れ替わっていました。

マシンを使っての運動が多かったので、新しいものを学べましたね。体調を崩して、仕事をお休みする事になり、退社。

その後、体調が安定し、就活を始めましたが、就職先がなかなか見つからなくて、「どうしよう、どうしよう」となっていた時に、株式会社プランナーズが募集をしていたんです。

ただ、「訪問介護はやったことがない」っていう不安も自分の中にありつつーーその中でもいちばん心配だったのが、クライアントのご自宅でお料理をつくること。

心配を抱きつつも、「行ってみようかな」と思って応募しました。

―2022年にアルムの丘ケアステーションに入社されます。初めての訪問介護の仕事はいかがでしたか。

うーーん、それまでの仕事と全く違ったので、最初は仕事を覚えるのにすごく必死でした(笑)。

「自分の家の掃除の仕方でいいのかな」とか、「お料理はどれぐらいの味の濃さがいいのかな」とかーークライアントとコミュニケーションを取りながら、関係を築いて、お話をいっぱいして、

「この方はこういうことが好みなんだな」って学びながら、教えてもらいながら、必死に今まで走ってきた感じですね(笑)。

―訪問先では、仁木さんがつくられたお料理をクライアントはその場で召し上がるんでしょうか?それとも、あとで?

あとで食べる方も、その場で食べてくださる方もいらっしゃいますし、つくった料理を介助しながら食べていただくこともあります。「味、どう?」って尋ねながら(笑)。

クライアントさんは「美味しいよ」って言ってくださるんですが、私は「大丈夫?無理してない?」って(笑)。
例えば、卵焼きだったら「お砂糖入れる甘い卵焼きがいい?それとも出汁の卵焼きがいい?」とか、何度もその方に尋ねながら。

それぞれに好みがありますし、「せっかく食べるんだったら、美味しく食べてほしい」っていう気持ちもあるのでね。

自分でつくれなくて、私たちにお願いしているので、食べていただけなかったら意味がないなと思っていてーーそれもあって、味付けに関しては異常に尋ねます(笑)。

―今は、どんなお仕事をされているんですか。

今もクライアントのご自宅に訪問していて、お掃除したり、お料理をしたり、お風呂に入るサポートをしてます。
それ以外には新規のクライアントの書類の整理だったり、アテンダントのシフトの調整ですね。

報告書などを作成するサービス提供責任者としての仕事と、それから居宅介護や同行援護事業の管理者もしています。

CHAPTER4

クライアント宅を訪れてみて初めて、「こういうことだったんだな」ってやっとつながった

何かあった時に「任せられる」っていう人がそばにいるだけでも、安心感は生まれるのかな

―施設から訪問介護に移られて、違いをどんなところに感じられていますか。

訪問介護は他の方が全くいない状態での一対一のやり取りなので、何かあった時も「自分が何かしちゃったら……」っていう責任感はあります。

今までは、まわりに必ず誰かがいて、何かあったらサポートしてくれました。

でも訪問はそういう環境ではないので、「しっかりしなきゃな」ってずっと気を張っている感じで働いていて。常に「これでいいのかな」と思いながら働いていましたね。

今は、仕事の仕方に関してはだいぶーー“慣れた”と言っていいのかわからないんですが。でも「訪問介護ってこうなんだな」っていうところは理解できたかなと思ってます。

―転職当初は大変さの方が大きいのかな、と思います。ただ、環境に慣れてきた時に、訪問介護の良さも見えてくるのかな、とーー。仁木さんが続けられてきて「こういうところが楽しいな」「いい時間だな」と思うところはありますか。

やっぱり個人のお家に伺うのでーー私が訪問した時に「いらっしゃい」って迎えてくださるクライアントがいらっしゃるんです。
私たちが来たことで喜んでくれて、「ちょっとお話してくれるだけでも気分転換になるわ」なんて言ってくれたりするのが嬉しいですね。

“実家”じゃないですけどーーお家に帰って、お母さんと喋ってるみたいな雰囲気もあって。
和やかでアットホームなところは、訪問介護の楽しさだと思います。

―訪問介護はクライアントの“ホーム”ですよね。クライアントの表情や心持ちといったものってやはり全然違うんでしょうか?

そうですね。
施設で働いていた時は、施設に来ている時のその人の顔しか見えてなかったんです。

でも訪問介護としてクライアントのご自宅に伺ってみて初めて、家でのご本人の生活のスタイルや、ご本人がお話しされていた寂しさというものが、「こういうことだったんだな」とやっと繋がった気がしました。

これまでは、「家に帰ってもひとりでさ、ご飯食べる気しないんだよね」なんて、お話でしか聞いたことがなかった。

でも実際にクライアントが生活している場に行ってみた時の印象は、聞いていただけのイメージとは全然違って、「言ってた意味がやっとわかったな」、と感じました。

―訪問介護に携わるようになってからはどんなクライアントさんと関わってこられたんでしょうか。

そうですね。クライアントのみなさんはすごく個性があるので(笑)。
一概にこの方が印象に残ってる、ということはないんですが、ただ共通点としてはーーちょっとの寂しさがあるのかなって思います。

もちろん、「ひとりで楽だな」って仰る方もいらっしゃいますけど、でも、どこかちょっと心細さがあってー―。

誰かに来てもらって何かをしてもらうだけでも、自分が何かあった時に「任せられる」っていう人がそばにいるだけでも、ひとり暮らしに安心感は生まれるのかなーーそんな感じがしますね。

私たちが行くだけで、みなさんの表情がちょっと明るくなってくれたりもするので。

もちろん、認知症が進んでいると、ちょっと不審がってしまう人もいらっしゃるんですが、話してるうちにどんどん和やかになってくれます。

CHAPTER5

訪問介護はひとりの方と深く関わるからこそ、葛藤があります

遠回りだったとしても、一度その人に寄り添って、一緒にそこに向かえる感じの方がお互いwin-winなのかな

―お仕事や日々の中で人と関わる時に、「こういうところを大事にして関わってます」っていうところがあったら教えてください。

いちばんは「クライアントさんに寄り添ったケアをしてあげたい」ということですね。

ただ、やりすぎてしまうと、私がここからいなくなった時に、「あの人はしてくれたのに、なんであなたはしてくれないの」っていうことも出てきちゃう。

その辺の気持ちを抑えながら、というところが難しいなとは思っていて。
どうしても人と人のやり取りなので、「私情を出しちゃいけない」と思いつつ、私情が出てきちゃってーーいけないんですけどね(笑)。

訪問介護はひとりの方と深く関わるからこそ、そういう葛藤はあります。

「介護保険の決まりがあって、○○はしてあげられないけど、でもなんとかしてあげたい」って思って我慢しながらやり取りしてることがありますね(笑)。

訪問介護は、「自宅でずっと暮らしたい」っていう方が多いんです。

だから、「どうしたらご本人に負担なく、安心して自宅で過ごしていけるのか」を第一に考えながらーー考えつつも、場合によっては、「そろそろ施設の方がいいかもしれないな」っていう方ももちろんいらっしゃいますし。

―仁木さんはこれまで介護の仕事を20年近く続けられてきています。仕事を通して、ご自身が変わってきた部分はありますか。

元々、みんなから「優しい性格だよね」って言われることは多かったんですが、自分では全然「自分勝手だな」と思ってて。
でも、この仕事に就くようになってから、人のことを考えて動くように自分が変わった気がしますね。

私はどうしても効率を考えちゃうところがあったんです。
でもたくさんの人と関わってきて、人それぞれ価値観が違うので、自分の意見を通したところで、それが正解とは言えないんだな、ってーー。

ちょっと遠回りだったとしても、その人に一度寄り添って、一緒にそこに向かえる感じの方がお互いwin-winなのかな、って。
そこは人と関わるようになって思うようになりました。

CHAPTER6

まずはその人に合わせたやり方を自分に取り込んで、考えてみる。そうすると、見え方も違ってくる

直行直帰の訪問介護には難しいところもありますが、意見交換の場があることはすごく大事

―スタッフ同士ではいかがですか。連携や関係性も介護の仕事では密になってくる分、いいところもあれば、難しいところもあるかと思います。

やっぱり、それぞれに得意不得意があるので。
今はーー「私はこうしてるけど、あなたはどうしてるんですか?」って思うようにしているんです。

自分が「なんでこのやり方でできないんだろう」って思うことが、相手からしたら「なんでこんなに難しいんだろう」って思うことだったりしますよね。

小さな行き違いからギクシャクしちゃうこともあるので。
まず相手のやり方を見て、そこから「何をどうしたら自分が伝えたいことがその人に伝わるだろう」ーーって。

その中でも、もしできなかったら一緒にするとか、ある程度のところまでやってからお願いするとか、そうした方が理解してくださる方が多かったので。

まずはその人に合わせたやり方を、1回、自分に取り込んでから考えてみると、自分の見え方も違ってくるーーリーダーをやり始めた時からそのようにしてきました。

最初の時はそれがストレスだったんですが、そう考えられるようになってからは新しい学びになりました。
「そういう考えがあるんだな」って。

―訪問だと、「一緒にやってみよう」といった機会もなかなかないですよね。

そうですね。
「これが正解」っていうことが自分の中でもわからないまま、介護をしているところもあります。

だからこそ、その日あったことは、自分の中で言葉を整理して持ち帰って、事務所でみんなに相談して、「こういうやり方で今日やってみたんだけど、どう思います?」って聞いてます。

で、「それはちょっとダメじゃない?」「こういうやり方はどうかな」っていうやり取りが出てくる。

ずっと誰かそばにいて指導してもらったわけでもないし、その場で電話して誰かに聞くこともできない。
そこは訪問介護の難しいところでもありますが、そういう意見交換の場があることはすごく大事だな、と思います。

―訪問先に直行直帰のアテンダントさんもいらっしゃいますよね。その方たちとのコミュニケーションは、どんな工夫をされていますか。

そうですね。
報告書に書いてあったことを読んで、「この日あった○○、大丈夫だった?」って後から聞いて、みなさんの不安をなるべく取り除いたり。

ただ、まずは社員である自分たちでちゃんと芯を固めてから伝達しないと、アテンダントさんもどう対応していいのかわからなかったりすると思うんです。

直行直帰なので、私たち以上に不安だと思うので。

「こんなことしていいのかしら」といった相談に関しては、研修を開いて、その場でもみなさんにお話を伺うようにして、「なにか不安はありませんか」「困った時は必ず電話してくださいね」とお伝えしていますね。

クライアントさんがなるべく安心して支援を受けていただけるよう、そういうことを積み重ねてますね。

CHAPTER7

休みの日は、動物たちと

休みの日は、ペットと何かをしてるか、旦那とショッピングに行ったり、ふたりでカラオケ行ったり

―お休みの日はどんなふうに過ごしていますか。

うちには今、ペットがいっぱいいるんです。
なので、ペットと何かをしてるか、旦那とショッピングに行ったり、ふたりとも歌が好きなので、カラオケ行ったり。

ちょっとオタク気質なところもあるので(笑)、いろんなライブを見たり。休日はそんな感じです。

―ちなみに……ペットというのはどんな動物がいるんですか?

今ここにはウサギがいます。ウサギとハムスターとアフリカヤマネ、あとチンチラが5匹かな。

―動物は、仁木さんがお好きなんですか?それともおふたりとも?

ふたりとも動物が好きなんです。

実家でふたりとも犬を飼っていて、「何か動物を飼いたいね」ってなったんですが、日中は仕事でほぼいないので、犬や猫だとかわいそうかなって。

「夜行性がいいんじゃない?」って思って、チンチラとかハムスターを飼うようになりました。

―動物たちはどんなふうに過ごしてるんですか?

結構広めのゲージがあって、チンチラがストレスかからないように、ひとりひとつのケージの中に入ってます。
仕事が終わって帰ってきてから、毎日掃除するんですが、その掃除中に囲いをつくって、家の中を走らせてあげてますね。

CHAPTER8

訪問介護って、いいよね。

時間の選択の自由度の高さ、自分が得意なジャンルの場所で働けるところが訪問介護の魅力のひとつかな

今はアテンダント不足の課題があります。
そこには、私もそうだったように「クライアントのお家に訪問して仕事をすること」に対して抵抗が強い方がいらっしゃると思うんです。

訪問介護という仕事を、もうちょっと気楽に、仕事の選択肢として選べるようなーーそういう活動ができればいいな、とは思ってるんです。

「訪問介護ってこういう仕事なんだよ」「そんなにきついものではないよ」ということが伝われば、人が入ってきてくれるのかな、って。
この仕事の魅力を伝える機会があればいいなと思ってます。

―では早速聞いてしまおうかな。ここまでも伺ってきたんですが、仁木さんにとっての訪問介護の魅力はどんなところですか。

「クライアント宅に○時に行く」っていう時間帯は決められているので、自分でスケジュールを組み立てながら仕事ができるのは、働く側にとっては働きやすさにつながると思います。

施設だと1日その場所にいないといけないんですが、訪問介護は直行直帰が多いんです。

例えば、登録されているアテンダントさんであれば、「じゃあ、こどものお迎えがあるから、この時間は仕事を入れないで、送り出してからの時間から働こう」とか。

特に子育てや介護をしている方、複数仕事をしている方にとっては、選択の自由度が高い仕事だと思いますね。

それから、「身体介護が苦手だ」という方には、お掃除メインの訪問先に行ってもらったり、お料理が得意な方には、お料理メインの訪問先に行ってもらったり。

自分が得意なジャンルの場所で働けるところも訪問介護の魅力のひとつかなと思います。

クライアントさんも、「あなたお子さんいるんでしょ。じゃあ、この日祝日だから次の日にふりかえてもいいのよ」なんて言ってくれたりするんですよね。

―いいですね。仁木さん自身は「これからこんなところに関わっていきたい」という思いはありますか?

環境的なところで言うとーー「働きやすい職場をつくれたらいいな」と思っています。

もちろん、新しく人が入ってきてくださることも嬉しいんですが、今いるスタッフの中でも、働いてるみなさんになるべく負担がかからないよう、どんどんみんなで声をかけ合って、助け合えるような職場づくりができたらいいなと思ってます。

CHAPTER9

みんなでつくる、福祉業界の新しいところ

「福祉の仕事が自分に合ってる」って感じていて。そのきっかけをくれた、いとこの言葉がずっと頭にあるんです

―最後に“らしさ”について伺えれば、と思います。仁木さんがご自身で思う“自分らしさ”ってどんなところですか?

そうですね。
元々は明るい性格なので、その明るさを包み隠さず、クライアントさんに出せた時でしょうか。

一緒に笑ったりできている時は、自分らしく対応できてるのかなって思ってます。

私は知らない人を前にすると、自分がなかなか出せなくてーー喋らなかったり、頷くだけも多いんですが、どんどん喋れる時って、相手にもリラックスできてるし、相手もリラックスしてくれてる。

普段、旦那といる時は、私はもっと明るいんですよ(笑)。
それが本来の自分かな。

そういう部分を出せると、お互いがリラックスできてる状況かなって思いますね。

―仁木さんが思う、“土屋らしさ”についても伺ってもいいですか。

2023年にプランナーズが土屋グループに子会社として参入させていただいてから、そんなにまだ時間が経ってないんですが、大きなグループの中で、いろんな方が研修を開いてくださったり、サポートしてくださる環境があるなとは感じています。

大きなグループだからこそ、小さな事業所では手が回らない研修制度などの面で全体的にサポートしてくださる。

子会社とか、本社とか関係なく、「土屋グループ全体で、この福祉業界をもっともっと盛り上げていきましょう」っていうところに土屋らしさを感じています。

私はオンラインの会議でしか、土屋という会社にはどんな人がいて、どこの事業所がどんなことをしてるところなのかを知る機会ってないんですよね。

さまざまなオンラインミーティングで、そういう機会をつくってくださるので、「土屋には、こんなに障害を持ってる方も働いてるんだ」とか「こんな取り組みをしてるんだな」っていう発見があります。

なんだろうな……新しいもの。「福祉業界をいかによくしていくか」っていう新しいところをつくっていってるなっていうことを感じてますね。

―最後に、これまで20年ほどこの仕事を続けてきた仁木さんにとっての、“介護の仕事を続けている理由”を聞かせてください。

単純に、「この福祉の仕事が自分に合ってる」って感じていて、そのきっかけをくれた、いとこの言葉がずっと頭にあるんです。

「これは自分に合った、天職なんだろうな」とは思ってるところもあるのでーーそれがこの仕事を続けている理由かな。

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