《interview 2021.12.22》
人事総務部の若手として、日々、人と、仕事と向き合う鈴木 聖。転職や生活面での変化など、この数年で、さまざまな経験や出会いを経た鈴木には、小さくとも確かな変容がありました。彼が受け取り、人と行動してきた結果、置かれている今の場所とは。仕事と生活が連動する、そんな「仕事の面白さ」を鈴木が語ります。
本社管理部
チーフ
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人事総務部の若手として、日々、人と、仕事と向き合う鈴木 聖。転職や生活面での変化など、この数年で、さまざまな経験や出会いを経た鈴木には、小さくとも確かな変容がありました。彼が受け取り、人と行動してきた結果、置かれている今の場所とは。仕事と生活が連動する、そんな「仕事の面白さ」を鈴木が語ります。
CHAPTER1
本社・人事総務課で、日々、活躍する鈴木 聖は入社してちょうど1年。当初からリモートで勤務をしています。
鈴木 「部署の中では、基本的に若手の部類に入ります。今、28歳なんですが、未経験の仕事でも期待されることはすごく多いです。土屋は、ボトムアップというか、方針を決めたり、情報共有をするときに『鈴木くんはどうしたいの?』と聞かれることが多い。それがきっかけで、普段から情報をリサーチするときにも『それを知って、どう活用できるか、自分はどうしていきたいか』という考えにまで行きつくことが多くなりました」
リモートでの勤務ですが、バックオフィスの中でも、人事総務課は人と関わる機会が多い部署。
鈴木 「常に<人と喋る>ということもあるんですけれど、根底には<人と関わり合い続ける>というところがあります。社内の方とも、社外の方ともやり取りをするので、そのエネルギーがバランス良くあるという環境が、肌に合っていると感じていますね」
業務内容はもちろん、共に働く人や、やりがいなど、自身が今、置かれている役割を活き活きと語る鈴木。その背景には、若手が活躍できる職場環境があるようです。
鈴木 「立場は関係なく、『上司だから、この人の意見が絶対』ということもなく、一人ひとりの話を聞いた上で判断すべき人が判断する。例えば、『こう思わない?』という同調圧力につながる発言が自分はちょっと苦手なのですが、会話をする中で、そういうものがないと感じます。意見を言える心理的安全性をすごく大事にしている会社だと思います」
そんな鈴木が、現在担当している業務のひとつが、RECOGというチームワークアプリの導入・推進です。
土屋のメイン事業となる重度訪問介護は、直行直帰という勤務形態。スタッフ同士のコミュニケーションロスを解消するために、今年、全社員が参加できるサンクスツールを導入しました。実際に、助け合いへの感謝が多く見受けられ、モチベーションアップへつながっていると言います。
そしてもうひとつが、新卒採用の窓口。
年明けに迫る2023年卒業生のエントリー開始に向け、こちらも着々と動き出しているのだとか。
鈴木 「新卒の採用としては、大きな目標があります。まず、介護に携わってこなかった未経験の学生の接点になる採用にしたいというのがひとつ。もうひとつは、前向きな採用にしたいということです。もちろん介護系の方にも来てもらいたいのですが、一方で、少なくとも今、自分が感じている土屋の良さや面白さに学生の方が共感をして、『自分もこの方向に向かっていきたい』というところとリンクしていれば<介護の会社>という看板は関係ないのではないか、と思っています。
『土屋で、いろんなことが経験できるんじゃないか』。学生の方に、そこに気づいてもらえるようなお手伝いをしていきたいですね」
CHAPTER2
「今、楽しく仕事と向き合えている」と言う鈴木。その経歴は、とてもユニークなものです。
埼玉生まれ、北海道育ち。地元の大学を卒業し、バンド仲間とともに上京をします。
2年ほど、東京でSEとして働きますが、25歳の時、「バンドを本気でやりたい」という思いからSEを退職。フリーターに転身します。
バンドではドラムを担当。もともとインディーズで活動していたという鈴木のバンドは、「本気で向き合った」2年間のあいだに、個人事務所に所属し、CDをリリース、フェスに出場するまでに。
鈴木 「フリーターの2年間は、とにかく、漠然と描いた夢に向けてエネルギーを費やした時間でした。やりたいことに突き抜けた分、その時間は、自分を試せた時間になったんじゃないかなと思います」
とはいえ、カフェでのアルバイトを並行させながらの活動は、「心を削って好きなことをやっていたので、なかなか余裕がなかった」のだとか。
鈴木 「本当は、『周りの人をもっと大切にしたい』という気持ちがありました。それを形や行動で返していけなかった、という悔しさはあったんですけれど、まずバンドで成功しないと、まわりに返していけるだけの余剰ができないというか。貯蓄や心の余裕もそうですけれど、結局、自分のことで精一杯になると、時間もお金も優先順位を間違えやすくて」
もともと、「フリーターをするのは2年間」と、期限を決めていたという鈴木。
ちょうど2年が過ぎた頃に、コロナ禍が重なります。バンドのライブがなくなり、働いていたカフェも休業。仕事がまったくなくなってしまった鈴木は、それを機に「スパッと」バンドを辞めます。
そして、2020年4月、現在の仕事にアルバイトとして関わるように。もともとエンジニアだった鈴木は、未経験から、介護業界の求人や人事という業務に関わることになりました。
CHAPTER3
その後、2020年11月に、土屋に正社員として入社。
夢に向かって邁進した時間を経た鈴木は、入社後、「落ち着いた時間を持てるようになった」と言います。
転職を機に、鈴木のまわりでは、いくつかの環境の変化がありました。その中でも、引っ越しをしたこと、そして友人の住む近所に住まいを見つけたことが大きかったのだとか。
鈴木 「バンドマンの周りで喋っていると、バンドマンの価値観は入ってくるんですが、それ以外の情報は意図しなくてもシャットアウトされてしまうんです。引っ越しをする時に、そうでない環境に身を置くことが、今の自分にとって必要な変化かな、というのは意識をしていました。友人と一緒に行動することで、今までしてこなかった選択をしてみたり、あえて流される方向に持っていったんです」
鈴木がバンド活動をしているあいだ、「社会人として波に揉まれて、嫌なこともいいことも経験していた」という友人。別の生き方をしてきた彼と過ごすことで、今までと違う景色が見えてきた、と言います。
鈴木 「その友人は、まわりへの気遣いに長けていて、その場の空気をすごく大事にします。例えば、誰かとご飯を食べに行く時に、前までなら『自分が話している時、相手はどんな表情をしているか』と自分の主観で考えていたんです。でも、その友人と話す中で『(それが)相手にとってどんな時間になっているだろう』と、客観的に相手の感情を考えるようになりました」
友人の話をしていた時、鈴木からふと「ちゃんと生きていく、そのやり方が今までわからなかった」という言葉が漏れます。その意を尋ねると。
鈴木 「『ちゃんと生きていくということが自立だ』と定義したら、(ここ数年で)自立に対してのイメージがすごく変わりました。それまでは、自分の将来像が<誰にも頼らずに、自分ひとりで立っているイメージ>だったのが、<誰かと手を繋いでいるイメージ>になったと思います」
そのイメージは、鈴木の視線を<今>から<すこし先>へと推しやったようです。
鈴木 「自分の1分、1秒が相手のこの先を変えていく。自分の時間が相手の時間に影響していて、自分のためじゃなく、そのために自分を高めて、相手の喜びに代わる体験があるんじゃないか、というふうに思考が変わりました。要するに自分の人生だけど、自分だけの人生じゃないって気づけたな、と」
リモートワーク、転職、引っ越し、コロナ禍、そして友人との時間。仕事と生活という垣根を超えたいくつもの変化が、鈴木自身にも緩やかな変容をもたらしたようです。
CHAPTER4
短期間にさまざまな変化を経験してきた鈴木。バンドマンならではの「ハードコアマインド」という視点から、<これから>を尋ねました。
鈴木 「土屋には、反骨精神があると思うんです。重度訪問介護という事業は、まだまだ認知度が低い。ということは、人の興味がまだ当たっていないところを広げていく、社会の価値基準をそれだけ変えることになります。そういう大きなテーマに対してのハードコアマインドがある会社なので、自分もそこに乗り込んでパフォーマンスしていける姿というのは、モチベーションが上がります。それが『ハードコアやってるな』という感じですね(笑)」
音楽のジャンルとしてのハードコアは「芯がとても強く、それでいてスキルや能力にこだわらない大らかさ、大胆さ、それは自分にないところがあり、憧れが強かった」と言う鈴木。
重度訪問介護制度は、行政主導ではなく、障害当事者が自身の自立のために自分たちの手でつくり出してきた、という歴史を持ちます。鈴木は、そんな「ハードコアマインド」と土屋で出会ったのかもしれません。
鈴木 「働いていると、ブレないものがどこかにあると思うんです。これからは、(そういうものを)ひとつガンと持っていて、そのために動いているという動機付けができるように、振る舞っていきたいと思います」
挑戦的なその姿勢を、鈴木はこれから土屋と出会う人たちへつなげます。
鈴木 「土屋は、会社ができて一年。本来、会社にあるべきものがまだない、という完全に出来上がってないところを、むしろ逆転して考えられるかどうか。『ないならつくればいい』、『自分でやってみたい』という人にとっては、今のタイミングで入社すると、めちゃめちゃ面白い会社です。これからインターンシップもどんどん活発化すると思いますし、社会貢献やソーシャルビジネスを知っておくことは、今後、ためになると思うので、気軽に話を聞きにきてくれたらいいですね」
インタビューの最後、鈴木からはこんなひと言が。
鈴木「土屋に入って、働くことに向き合えている今、改めて、当時、自分は本当にバンドをやりたくてやっていたんだな、と。その時の自分を誇らしく思えているし、だからこそ土屋では、こういう体験をしている自分を面白がって、土屋に興味を持つ学生が増えたらなりよりですね」
最近、再びドラムの練習を始めたという鈴木。
自分だけではなく他者を、目の前の今だけではなくすこし先を見つめるようになった鈴木は、今、新しいステージで、新しい仲間とともに、価値の創造へ向けてその音を鳴らし始めています。