ーご自身の日々の習慣や楽しみにされていることはどんなことですか。
バイクに乗るのがすごく好きです。41歳の時に免許を取って、それからずっとバイクに乗っています。
ただ、北海道だから冬は乗れないんですよ。
だから春から秋までは休日の度にバイクです。
バイクの旅がすごく好きですね。
そろそろ寒くなってきて、朝はもう10度以下になることもあるんですが、地面が凍ってるわけじゃないからまだ大丈夫。
あちこち乗り回していますね。
日々の自分の生活では、早起きをして、30分でも1時間でも歩こうと思っています。
子どもの頃からスポーツをやっていたので、結構汗をかくのが好きなんです。
小学校高学年の時からバレーボールをやっていて、社会人になってからはソフトバレーを続けていました。
でも今はちょっと時間を確保するのも難しい。
簡単なスポーツってなると、ジョギングだったり、散歩だったりなので、そちらの方にちょっとシフトチェンジしています。
ーアクティブに活動されているんですね。とくにバイクを好きな理由、その魅力はどんなものなんでしょう。
私がバイクを好きなのは、風を切って走る時、匂い、気温が、肌でわかるからですね。
自分の手で操縦することで、スピード感を直に感じることができる。
未知の道を走って、そこでしか出会えない景色に対面した時の感動は、一生忘れられないくらい目に焼き付きます。
ーバイクに乗りたいと思った最初のきっかけはなんだったんですか。
私が10代の頃、「ミツバチ族」と呼ばれる北海道に走りに来ていたライダーたちがいたんですね。
最北端の宗谷岬を目指して何台も来ていたんですが、記念碑の前でバイクと一緒に記念撮影をしてとても喜んでる姿を見て、「バイクってとっても楽しそう」と思ったんです。
その後、深夜番組でF1レースを見て、命がけでスピードを追及する生き方を「カッコイイ」と思いました。
そこから、「いつかバイクに乗りたい」と思うようになりましたね。
ー北海道をバイクで駆け抜けるのは気持ちがいいでしょうね。
そうですね。
北海道をバイクで走ることの魅力は、やはり、体全体で感じる風が冷たく澄んでいることです。
時には険しい道を走りますが、そこを乗り越えて目標地点にたどり着いた時には強い感動があります。
北海道は、本当に想像していた以上の景色に出会える場所なんです。
―それはきっと素晴らしい景色なんでしょうね。小池さんはずっと北海道にお住まいなんですか。
私は稚内出身なんです、北海道の北端ですね。
観光大使になりたいと思っていた時期もあって、いろんな名所も見に行っていて、北海道のことは結構勉強してるつもりです。
思い入れがあります。なので、北海道のことなら私にぜひ聞いてください。
ーそうなんですね。では、北海道の魅力とはなんなんでしょう。
北海道の魅力といえば、景色が他の地域とはひと味違うところだと思います。
とても印象的に残る。
バイク以外に以前は登山もしていたんですけど、頂上に着いて達成した時の気持ち、北海道の大きな景色は爽快感が倍増するなと思っています。
それから、利用者さんや職員も北海道出身の方が多いんですが、人が優しいところも魅力ですね。
親身になってくれる人が多いと思う。
本州の方が来たとき、もし困ってたら、手助けしてあげるのが北海道の人だと思います。
ヒッチハイクやってる人がいると乗せてあげたり。
私も何度か女性を乗せたことがありますし、そういう話も周りで聞いたりしますね。
ーお話をうかがっていて、北海道の大きな景色の中で人の心も広く優しくなるというイメージが浮かびました。ご自身の性格で、昔からここは変わらないなというところがあったら教えてください。
昔から変わってないのは、無計画なところ。
まず先に飛び出していこうって、考えるより先に行動しちゃうんですよね。
それで周りの人に怒られることもあるんですけれど、あらかじめ考えておくことが得意ではなくて。
「何かあった時どうするの」、「クマが出たらどうするの」って未だに言われるんですよね。
ちょっとまずいなと思って最近はちゃんと熊スプレーを用意しています。
―それは小さい時からですか。
そうなんです。
小学生の時は探検みたいなことがすごく好きでした。
学校の遠足で歩いて行ったところに、また行きたいなと思って1人で自転車に乗って行ったりとか。
田舎は自然の脅威も怖いので、クマが出るんじゃないかってドキドキしながら。
それでも、遠くや知らないところに探検に行くのが大好きで、それで今に至るんですね、繋がっています。
高校生になったら、父がちょっと本格的な遠くまで行ける自転車を持っていたので、それに乗って、宗谷岬の方まで行ってみようとか、隣の街に行ってみようとか、親戚の家に行ってみようとか、稚内から結構距離があるところにも40kmくらいかけて行ったりしていました。
後から思うと、「タイヤがパンクしたらどうしよう」とか全く考えてなかったので、無謀だったなと思いますが、そんなことをよくやっていましたね。
無我夢中になったら、もう途中で止めるのはダメなんですよね。
成し遂げるまで、ちゃんとやりたい。
一生懸命になると、徹夜してでもやってしまうところがあります。
楽しいイメージとか、「やるぞ」っていうやる気が燃えると、もうじっとしていられないんです。
ー目のキラキラした探検家少女が思い浮かびました。ご自身の情熱にまっすぐな一面をお持ちなんですね。小池さんは、今までに人生のターニングポイントといったものはおありですか。
40代のはじめに子宮がんになったことです。
手術してすぐ取れたんですけど、その時に、自分でやり残したことがあったんじゃないのかって、ちょっと振り返って、18歳の時から「バイクの免許を取りたい」とずっと思っていたことに行き当たりました。
それをきっかけに、41歳の時にバイクの免許を取ったんですよ。
だから、ターニングポイントは子宮がんのところかなって思っています。
そこからずっと今もバイクに乗ってます。
北海道の広い景色のなかをずっと走っていきたいというようなイメージがありました。
―バイクって、なかなか高いですよね。しかもバイカーの乗るものはこだわりがあるって聞いたことがあるんですけど。どんなバイクに乗っていらっしゃるんですか。
身長が低いので、教習所で使用していた脚付きの良いバイクに乗っています。
ホンダのCB400SF(スーフォア)とCB400BD(ボルドール)の2台持ちです。
VTEC(ブイテック)というエンジン技術を使っていて、大型バイクにも負けないくらいのパワーを持っています。
エンストしないこと、加速が良いことが自慢です。
そのバイクを買ったのも、私、へそくりを貯めるのが好きでコツコツ貯めていたんですね。
バイクの免許は、夫には最初一度は反対されたけど、そんなにやりたいならやりなさいっていうことで了解を得て。
無事に免許を取って買ったんです。
ー時を経て、10代の頃の夢を叶えられたんですね。ご自身のこれまでを振り返って、印象に残っている方、影響を受けたと感じる方はありますか。
印象に残っているのは、やっぱり父かな。
父は去年亡くなったんですけど、小さい時からあちこちいろんなところに連れていってくれたんです。
お金をかけずに、山に行ったりとか、山菜採りに行ったりとか。
山菜の処理とかもさせられたんだけども、そんな体験がすごく印象的な思い出として残っています。
それで、私も山や自然のなかがすごく好きなのかなって思いますね。
実は父とは、私が保育園に通ってる時に一緒にバイクに乗ってるんですよ。
今私がバイクに乗ってるのも繋がりがあるのかなと思っています。