本社管理部

株式会社土屋 本社

山下彩良

総務課

母さん、幼い頃よく顔面から血を流していた私はいま、こんなふうに仕事を楽しんでいます!

 《interview 2025.03.28》

株式会社 土屋の総務課で働く山下彩良(やましたさら)は、岡山県井原市にある本社で日々、さまざまな管理業務に勤しんでいます。
全国の事業所やオフィスへの書類の発送作業、そして、各都道府県から絶え間なくやってくるネット機器のトラブル対応などなど。
体を動かしながら学ぶ日々、忙しい毎日だからこそ「笑いのたえない職場になるように」――ともに働く相手への想像力、ちょっとした雑談やコミュニケーションから生まれる「笑い合う」ことの中にある、楽しく働く秘訣を教えてもらいました。

CHAPTER1

“明るくて、怖いもの知らず“だったわたし

高校生の頃に働いていた居酒屋の店長が大好きで。アルバイトを続けていました

―山下さんはどんなところで育ったんですか?

出身は広島です。
私が育った福山市は鞆の浦という港町が有名なんですが、山もあって。

小さい頃は、山ではカブトムシやセミを捕まえたり、蛇が出てきた時には、蛇を振り回したりしてーー母には「怖いもの知らず」と言われてましたね。

―「小さい頃はこんな性格だったな」っていうところはありますか?

「明るいところは今も変わらない」と言われるんですが、本当に怖いもの知らずでした。
女の子なのに、よく怪我して帰ってきたり。

怪我も、擦り傷ではなくて、顔面に怪我したり。
記憶がある中では、家に帰った瞬間に私を見て、玄関で母が大声で叫んだこともありました(笑)。

その時は中学生で、私はブランコが大好きだったんですが、ブランコから滑って顔面から怪我しちゃったんですよ(笑)。

中四国で有名な芦田川の花火大会というのがあるんですが、その花火大会の直前で。

行きたかったのに、顔を怪我して、ひとりで季節外れのハッピーハロウィンみたいな感じになっちゃって行けなかった、っていう思い出があります(笑)。

―(笑)。中学生から高校生、10代の頃に熱中していたものはありましたか。

運動がちょっと苦手で、部活には入っていませんでした。
高校生の頃は居酒屋で働いていたんです。

そこの店長が大好きで、店長に会いたくて居酒屋のバイトをしてました。

―どんな店長さんだったんでしょう?

その頃は、「何か理由があるから店長が好き」というわけではなかったんですよね。
ただ単に面白くて、一緒に働いていて楽しくて、フレンドリーな方でした。

友達から「一緒に働こうよ」って言われて、「いいよ」っていうくらいのノリで働きはじめたんですが、私は母子家庭だったので店長は父親代わりの存在というか。そんな感じでしたね。

高校生の時に、学校に行きたくない時期があって、でも学校も行かないのにバイトに行っていた時があったんです。

そのことを私の友達が店長に話して、店長から「学校に行かないなら、バイト先で働こうとするな」って怒られたことがあったんですよ。

「なんで?」って言ったら、「母子家庭で、頑張って高校に通わせてくれているあなたのお母さんの身にもなって」と店長から言われて「確かに」ってーー。

そこからは学校に行くようにしました。
今思うと、店長のおかげで高校を卒業できたんじゃないかな、と思います。

CHAPTER2

びっくり!総務の最初の仕事は「実は体を使う仕事」でした

先輩から教えてもらったり、別のやり方を試してみたり。今は“いいところだけ“とってやっています

―土屋に入られたきっかけは?

職種や業界は特に考えてはいなかったんですが、前職が電話対応の仕事だったので、「事務の仕事をしてみたいな」っていう興味があったんです。

総務課で働き始めてーー私が想像していた事務作業って、データ入力とか電話を受けるとかだったんです。
でもたとえば、本社に冊子や広報の「土づくり」等がいっぱい届くんです。

それを仕分けして全国の事業所やグループ会社、各オフィスに送るんですが、それぞれ発送すると手数料がその度にかかってしまうので、

同一の送り先の郵送物がある場合は一緒に同じ箱に入れて送付することを教えていただいて。

体を動かさないといけない仕事が多くて、びっくりしました。

―山下さんは力仕事は得意だったんですか?

いえ、入社したばかりの時は力もなかったんです(笑)。
最初は、荷物関係の仕事があった時は「これだけで?!」って自分でも思うぐらい、筋肉痛になってましたね。

「1年前の山下さんは1個の段ボール箱を運ぶのもハァハァ言ってたね。今は力持ちになったね」と言われます(笑)。

―他の業務はどうだったでしょう。

すんなりはできなかったですね。
「どうしたら、この依頼を忘れないか」っていう管理の方法や、やり取りの仕方を先輩方から教えてもらって。

頭がパンクするぐらいの情報量なんですが、「自己流でこんなふうにやってるよ」っていう方法を先輩から聞いた瞬間に、すぐやってみて、合わなかったら別の方法を試してみたり。

今は私なりに、いいところだけを取ってやっています。

―総務部の仕事内容は多岐にわたると思います。山下さんが担当している仕事を聞かせてください。

私が担当してる主な仕事は、スマホ、wi-fi、パソコンといった物品の管理です。
それから故障した際の問い合わせも私が対応します。

あとは社員の方に保険証の発送をしたり、本社に大荷物が届いた時の発送をメインでやってますね。

CHAPTER3

総務課のお笑い担当?!――笑いのたえない職場になるように

天気のこと、今日食べたご飯のことーー大事な“雑談“をする

―同じ職場の方たちとやり取りする中で、山下さんが大事にされてることを教えてください。

顔を合わせて一緒に仕事している方に気を遣っているのは、“楽しく仕事ができるように”っていうところですね。
総務課では、どうも私はお笑い担当になってるみたいです(笑)。

自分としてはあえて笑いを取ろうとは思ってないんですが、ただみなさん、笑ってくれるんですよね。
それもあって、「笑いのたえない職場にしたいな」って思ってます。

それから、本社にはいろんな部署から人がいらっしゃって、自分と年齢が離れている方も多くいらっしゃるので、入社して1年経たないぐらいの時は積極的に話しかけていました。

関わっている仕事はそれぞれ全く違うんですが、仕事の合間に顔を合わせた時は話しかけたりしてましたね。

―どんなお話をされるんですか?

もう仕事の話は一切せずにーー外食をされる方が多いので、「昨日、夜ご飯何食べたんですか」とか「今日はお昼何を食べるんですか?」とか。

「それはめっちゃ美味しそうですね」っていうコミュニケーションを取っていましたね。

―本社の周りには、お店や食事する場所はあるんですか。

いえ、何もないんです(笑)。
何もなさすぎて、みなさん、いらっしゃるとびっくりされるんですよ。

CHAPTER4

ちょっとした時に話しかけてくれる、話しかけるコミュニケーションーー職場の雰囲気

やっぱり、上司に褒められた時は嬉しいです

介護や福祉の業界に関わったのは土屋が初めてでした。

現場に入ったことがないので、事業部がどんなことをされているのか、正直なところ、すべてを把握できていないところもあるんです。

でも「この時期は忙しい」とか経験がある方から伺ったり、事業部の方が福山事業所に来られる時は聞ける時に聞ける範囲でお話を伺ったり。

そうやって情報を集めてます。

―現場で働く方を想像することってありますか?

たとえば……出勤簿を確認している時に、出勤日数に目を通していると「この方、たくさん夜勤してるな」といった方がいるんです。

その時は「きっと大変なんだろうな」とか、「私は夜勤はできないから、すごいな」って思います。

―土屋に入社されてから、どんなことを感じながら働かれていますか。

私は20代なので、バックオフィスでは若い方なんです。
でも、「若いからっていう理由だけで話しかけてもらえないことはないんだな」と思いました。

前の職場では「話が合わない」「何の話をしたらいいかがわからない」ということがあって、コミュニケーションがとりづらかったんです。

でも今の職場はそんなこと全然気にしてなくて。

率先して話しかけてくれる方は話しかけてくれるし、ちょっと人見知りの方は、すこししてから話しかけてくださいます。

本社に出社される方は少人数なんですが、私の方から声をかけにくいことがあっても、ちょっとした時間に話しかけてくれたり、コミュニケーションをとってくださいますね。

―今の仕事の中で「嬉しいな」と感じる時はどんな時ですか。

「嬉しいな」は……やっぱり、上司に褒められた時は嬉しいですね。
最近まで、私は土屋の社名が印字されている封筒の管理を担当していたんです。

封筒の在庫状況や全国の事業所からの「封筒を送ってほしい」という依頼データを本社で取りまとめて、業者に発注依頼をしていました。

でもこれからその管理も含めて業者さんが担当することになったので、

業者の方が封筒を取りにこられた際に「本社に置いておく分の封筒はもう取ってある?業者の方が持って帰らないようにしないといけないよ」と上司が声をかけてくれて、

その時に「もうすでに取ってます!」と返したら、「やるじゃん」って(笑)。

思わずグッジョブしてしまいました。

CHAPTER5

「幸せだな」を思うとき

外食をしたら私はとてつもない量を食べてしまうので、食べたいものは自分でつくります

―お休みの日はどんなことをして過ごしてますか?

私はアニメが大好きなので、アニメをずっと見てますね。
でも、最近のアニメは絵が綺麗すぎてあまり好きじゃないんです。

それで昔のアニメを見ることが多いですね。
『幽遊白書』とか、『範馬刃牙(はんまばき)』とか。

筋肉マッチョが戦うアニメなんです。
あとは今、『ONE PIECE』を最初から見てます。戦う系が好きなんです。

私には兄がいるんですが、アニメを見始めたのは兄の影響でーーそれからずっと見てますね。

―幸せを感じる時について教えてください。

「幸せだな」と思うのは、美味しいものを食べてる時ですね。

―お休みの日はおいしいお店を巡ったりするんですか?

あんまり……というのは、外食をしたら私はとてつもない量を食べてしまうので(笑)。
食べたいものはつくります。

でも、いっぱい食べたい時は外食します。仕事の時はお弁当をつくって持っていってます。

―好きな食べ物や得意料理は?

発表できるような得意料理はないんですが、好きな料理はオムライスです。

CHAPTER6

助けられる側じゃなくて、助ける側に回りたい

「自分には何が足りてないかな」を考えて、1年の目標を決めました

―入社されてから1年とすこし経ちますが、「これからこういうことをやっていけたらいいな」といった思いがあったら聞かせてください。

私は1年の目標を決めてるんです。
決めて、上司に報告するんですが、今年は3つあるんです。

1つ目は、「視野を広くして、周りを見ることを今後気をつけたい」。
2つ目は、「助けられる側ではなくて、助ける側に回りたい」。

同じ総務課で後輩ができたので、助けられる側じゃなくて、助ける側にも成長をしたと思うのでーー。
3つ目は……なんだったかな(笑)。冷静に人の話を聞くことです(笑)。

―その目標はご自身で決めたんでしょうか。それとも、誰かと考えたり?

「自分には何が足りてないかな」っていうことを考えて、「自分はこうありたい」というかーー。

「これからこうする」「こうやって慣れていく」とか、仕事がいい方向にいけるように。

「まっすぐじゃなくて視野を広くしたい」「助けられる側じゃなくて助ける側になりたい」という思いがあったので、

「もうすぐ1年が終わるな」っていうぐらいの時に考えて、年が明けて出社した時に上司に報告して、「一緒に頑張ろうね」って言ってくれました。

―先ほど、「後輩ができた」と仰っていました。立場も見える部分も、今までと変わってきたんじゃないかな、なんて思います。

そうですね。
後輩と言っても、年齢的には私より年上の先輩で、私が先に入社をしていたので、仕事上では後輩なんです。

「教えられる側じゃなくて教えないといけない」――っていう立場になって、私がやっていた仕事を引き継ぐ時に「自分がわかってないと教えられないんだな」と思ったんですよ。

そこからは仕事に対する意識がまるまる変わったな、と思います。
もちろん、周りからどう思われてるかはわからないんですが、あくまでも自分の中ではそう感じてます。

―今までのお仕事で、教える側になったことはあったんでしょうか。

今までは教えられる立場だったので、初めての後輩なんです。

たとえば、後輩から「これ、どうしたらいいですか」っていう質問があった時に、わざわざ「ごめん、私はわからないから上司に聞いて」って返事をするのではなくて。

“教える”って手も時間も取られてしまうじゃないですか。
上司は忙しくされてる。

「だったら私が答えられるようになって、上司の手も時間も取られないようにしなきゃな」って今は思います。

CHAPTER7

あぁ、今日もたのしかった!

総務課には大笑いさせてくれる方が常にいらっしゃるので、大変なことがあっても忘れちゃうんです

―山下さんの「これからこんなふうに生きていきたい」を聞かせてください。

私はまだ結婚もしてないので、独身で楽しめること、この年齢だからこそできることを模索しながら、思いついたらいろんなことをやってみてます。

ここ(総務部)では、ずっと笑いがたえないようにしていきたいですね。
母にも苦労をかけたので、親孝行しながらやっていきたいなって思ってます。

―“思いついてやること”ってたとえばどんなことをされるんですか?

ひとり旅行ーー横浜にひとりで行ったり、九州にひとりで行ったりしてます。
思いついたら、ヒュッて行っちゃうんです。

―今まで行かれた中で印象に残ってる場所ってありますか?

渋谷ですかね。私は高校生からひとりで旅行をしていて、高校生の時に渋谷に行ったんです。

その時に、歩いていただけなのに、背の高い外国人に「H E Y!H E Y!」って声をかけられて。
あの時は怖かったですね……。

―すこしずつ視野が広がって、仕事の幅も広がっていってる時期なのかな、と感じました。このお仕事を続けてる理由――って言っちゃうとちょっと大げさなんですが、「続けたいな」と思えてるのはどんなところにありますか。

……考えたことなかったですね。

「続けたいな」というか、「辞めたいな」とも思わないので、「あー、今日も楽しかった!仕事」って思って毎日、出社してます。

仕事が終わってからは「今日、こういうことで大笑いしたな」って思い出したり。
日々――そうですね。毎日、絶対、誰かが崩れるぐらい大笑いをするんですよ、総務課では(笑)。

土屋の中のいろんな方やさまざまな事業所・部署と関わることが多い課だとは思うんですが、大きな仕事が突然きたり、何か困ったことがあっても、絶対に大笑いさせてくれる方がいらっしゃるので。

それで大変なことがあっても忘れちゃうんですよね、きっと。それで帰る時に「あー、今日も楽しかった!」ってなるんです。

年齢も近い後輩も入ってきてくれたので、「今日は、○○だったね」って話ができる同僚もできました。
先輩も、何かある時は時間をつくってくれて、相談もできる環境ではある。

この環境が良すぎて、「なんか続けたいな」って普通に思います。

CHAPTER8

相談をしながら、“その人らしさ”を知っていくこと。それは自分にもプラスになる

自分にしかできないこと、その人にしかできないことーーそれが自分らしさになるのかな

―山下さんにとって、「こういうものがあると自分らしくいれるな、自分らしく働けるな」っていうものってありますか?

えーっとですね。私は猫をかぶるっていうことができないんです。

―(笑)。

ので、もう常に“自分らしい”って言っていいと思います。
このままいっていいのかはわからないんですが(笑)。

でもやっぱり、変にできないことをやったり、猫をかぶることをやると、私は空回りしちゃうんですよね。

なので、猫をかぶらずに普通に話しているし、やっぱり人それぞれの良さがあるのでーー。
仕事の量も、覚え方も、「こういう覚え方をしたら覚えやすい」とか、理解の能力って人それぞれ違うので。

仕事だったら、その人に合わせたやり方を尋ねてます。

後輩に教える時にも「どういう教え方がいい?」とか、「私はこういう教え方をしたいんだけど、それはちょっと苦手?」とかって相談をしながら、“その人らしさ”を知っていくというか。

“その人らしさ”を知ることって、自分にもプラスになるじゃないですか。

そういう自分にしかできないこと、その人にしかできないことーーって言ったらアレですけど、そういうところが“自分らしさ”になるのかな。


<山下が一緒に暮らす、トカゲの“ニカ”。「この名前も、ONEPIECE」のアニメのキャラクターです(笑)>


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