介護の求人は、折込広告や街の求人情報誌でも掲載されていますが、探す方法はそれ以外にもたくさんあります。探し方を変えることで、条件の良い求人が見つかったり、スムーズに就職が決まることもありますので、さまざまな手段を駆使して進めたいところです。
今回は、介護求人の探し方を計6つ紹介し、仕事選びのコツや注意点も併せて解説しますので、仕事探しにお役立てください。
介護求人の探し方6つ
ここでは、介護求人の代表的な探し方を計6つ紹介します。
探し方 | メリット | デメリット |
---|---|---|
折込広告や求人情報誌 | 手軽に探せる | 競合率が高い |
ハローワーク | 地域の求人、中小の求人を探しやすい | 文字ベースのため職場をイメージしにくい |
求人サイト | 画像や動画などもあり、職場に関する情報が豊富、求人のバリエーションも豊富 | 人気求人は応募が殺到しやすい |
転職エージェント | 自分にあった就職先を見つけやすい | 手間が掛かる |
養成スクール経由 | 提携する施設などへの就業サポートが受けられる | 研修や資格の講座を受講する必要がある |
知人や人脈を使って探す | すぐに就職が決まりやすい | 仕事を辞めにくい |
ご覧のように介護求人の探し方は複数ありますが、どの探し方が最適であるかは、その人の置かれている状況や探したい求人のタイプによって異なります。メリットとデメリットを踏まえながら自分にマッチした探し方を選びましょう。
以降では、それぞれの探し方の詳細を解説します。
折込広告や求人情報誌
古くからある定番の求人探し方法です。新聞の「折込広告」、駅やスーパーなどで無料配布されている「求人情報誌」を見て、掲載されている介護の求人に応募します。
住んでいる地域の介護求人を見つけやすいという利点がありますが、手軽で定番な方法である分、応募者も多く競合率が高くなりやすい欠点があります。とくに介護の仕事の場合、40代50代以上の転職者も多いことから、こうした昔ながらの方法で仕事探しをする方もおり、競合しやすいのです。
ハローワーク
地域のハローワーク(公共職業安定所)では、求人情報の検索閲覧、職業相談などを行うことができます。
ハローワークの強みは、地域に密着した求人を探しやすいことであり、特に中小の介護施設、小規模な介護事業所などの仕事を探す場合には適しています。ハローワークのみにしか
求人を掲載していない施設もあります。欠点として、ハローワークの求人情報は文字ベースで簡潔に書かれており、画像などもなく、職場のイメージなどがつきにくいことが挙げられます。
また、ハローワークでは「職業訓練(ハロートレーニング)」のサービスも提供しており、条件を満たせば「介護職員初任者研修」などの介護資格系の講座を、無料で受講することができます。
求人サイト
「求人サイト」とは、さまざまな企業の求人情報が掲載されており、観覧や応募ができるサイトのことです。全業界職種を扱っている総合求人サイトとしては『リクナビNEXT』『マイナビ転職』などが代表的であり、近年は介護専門の求人サイトも増えてきています。
求人サイトの利点は情報が多いことであり、就職先の現場の様子、先輩の声などを画像や動画などで観覧できます(サイトによっては動画などはないケースもあり)。欠点としてはインターネットを介して広範囲から観覧されるため、人気の介護施設などは応募が殺到しやすいことです。
転職エージェント
「転職エージェント」とは、求職者一人ひとりに担当がつき、キャリアカウンセリング、面接の指導、求人探し(紹介)、求人の応募や面談調整などを、トータルでサポートしてくれるサービスです。転職エージェントは企業側から仲介料を貰っているため、利用は原則無料でできます。
転職エージェントの利点は、その道のプロであるエージェントと二人三脚で就職・転職活動を進めていけるため、自分にあった就職先を見つけやすいことです。就職先の内部事情などをエージェントを通して聞けることもあります。
欠点は、エージェントと繰り返し面談などをする必要があり、やや手間がかかることです。また、エージェントは企業に求職者を紹介することが仕事であるため、経験やスキルが不足しており紹介がしにくい方ですと、時に厳しい意見をいわれることもあります。
養成スクール経由
「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」といった介護関連の研修講座を開催している養成スクールでは、研修を修了することで、提携する介護施設などへの就業サポートが受けられることがあります。よって、上手くいけば資格と就職先の両方を手に入れることができます。
私たち土屋グループの教育研修機関『土屋ケアカレッジ』でも、研修を修了した方に、弊社グループ運営の介護事業への就業サポートを行っております(希望者の方のみ)。
知人や人脈を使って探す
家族や友人知人などに介護施設で働いている方(もしくは運営している方)がいれば、紹介してもらうことで就職先が見つかることがあります。特に小規模な介護事業所や人手が足りていない事業所などであれば、人脈を利用することで、すぐに就職が決まることもあります。
欠点として人脈を利用して入社すると、紹介してくれた知人の手前、嫌な職場であっても辞めにくくなります。また、仕事が上手く行えないと、紹介してくれた知人の顔に泥を塗る結果となりかねないため、プレッシャーもかかりやすいです。
介護求人を探す際の注意点について
より自分にあった求人を見つけるためには、どのように求人をチェックすればよいのでしょう。ここでは介護求人を探す際に、注意する点や注目すべきポイントについて解説します。
やりたい仕事ができるかに注目する
たとえば「訪問介護事業所」に就職すると、要介護者の自宅で介護を行う訪問介護の仕事が中心となります。「特別養護老人ホーム」に就職すると、入居者は要介護3以上となるため、行う介護行為も手厚い内容となり、重病者向けの介護スキルも身に付きやすいです。
「グループホーム」に就職すれば、認知症をもつ方の介護を行うことになるため、認知症分野の知識や経験が養えます。
そのように、就職先によって仕事内容や得られる経験スキルが異なりますので「自分はどういった仕事がしたいのか」「どのようなスキルを身に着けたいか」をクリアにした上で就職先を探すことがミスマッチを避けるためにも大切です。
夜勤やシフト勤務があるかをチェック
介護の仕事では、夜勤やシフト勤務が発生する職場も少なくありません。
職場によっては毎日のように夜勤シフトとなることもありますので、家庭の事情等で夜勤やシフト勤務がむずかしい場合には、勤務形態や夜勤の有無をよくチェックしておくことが大切です。
なお目安として「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」などの入居施設は、基本的に24時間体制で見守りを行っていますので夜勤が発生する可能性があります。
一方、デイサービスや通所リハビリテーション施設(デイケア)などは日勤が主体となり、一般的に夜勤が発生することはほとんどありません。ただし、最近少しずつ増えてきている「お泊りデイサービス」では、デイサービスであっても夜勤が発生することがあります。
ブラックな求人に注意
サービス残業が当たり前であったり、パワハラが横行しているような、いわゆる「ブラック」な介護施設も中には存在します。
ブラックな求人を見分けるための方法として、以下が挙げられます。
- 常に求人が出ている施設でないかをチェック(出入りが多い可能性あり)
- 口コミサイトやSNSの声をチェック
- 職場見学、傾聴ボランティアなどに参加し、内部の雰囲気をチェック
- 説明会や面接での応対が過度に高圧的でないかをチェック など
求人探しは退職前のタイミングで
介護の仕事に限った話ではありませんが、転職をする際の仕事探しは、できるかぎり退職前(在職中)にするのが懸命です。仕事を辞めてから求人探しをすると、早く就職先を見つけようと焦りが出てしまい、冷静な判断ができなくなったり、妥協した選択となることがあります。
就職の面接や面談は、定時後や土日などに調整してもらえることもあるため、特段の理由がなければ、仕事探しは在職中に進めたいところです。
一つではなくいくつかの手段を試してみよう!
以上、介護求人の探し方について解説しました。
介護求人はさまざまな場所に散らばっており、特定の求人媒体にしか公開されていない求人情報もあります。そのため広い視野を持つことが大切であり、たとえばハローワークだけで探すのではなく、求人サイトも並行してチェックするなど、一つではなくいくつかの手段を活用したほうがより確実です。
就職後は毎日その介護施設で過ごしていくことになるため、多くの求人情報を比較しながら、よく吟味して選びたいところです。