【認知症の要介護認定】手続きと申請の流れをわかりやすく解説します!

認知症患者さん一人ひとりにあった、適切な介護を行う(介護サービスを受ける)ためにも、「要介護認定」の取得方法について学んでおくことがおすすめです。

本記事では、認知症の要介護認定の基本から、申請のプロセス、必要な書類、作成されるケアプランの内容、そして認定後に利用できる介護サービスに至るまで、認知症の介護のために知っておくべき情報を網羅的に解説します。

認知症介護に関するお悩みがあるという方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

認知症と要介護認定の基礎知識

認知症は、記憶力や判断力、言語能力の低下など、脳の機能が衰えることによって起こる症状の総称です。

認知症の症状によって、日常生活においてさまざまな支援が必要となる場合があり、そのためのサポート体系として「要介護認定」があります。

要介護認定は、介護保険法に基づき、認知症を含む高齢者が介護サービスを利用する際の必要な支援度を公的に認定する制度です。

要介護認定とは?

要介護認定を受けることで、日常生活の支援やリハビリテーションなど、さまざまな介護サービスを受けることが可能になります。

要介護認定は、申請者の日常生活の自立度を評価し、要支援1~2、要介護1~5の7段階に分類されます。

この分類によって、利用できるサービスの種類や範囲が決定されますので、この「要介護度」が非常に重要となります。

要介護認定の申請は、本人または家族が行うことができ、地域の市町村を通じて行われます。

認定のプロセスとしては、書類の提出、要介護状態を判断するための調査、そして医師の意見書の提出などがあります。

参考)要介護認定はどのように行われるか(厚生労働省)

要介護認定のメリットと重要性

認知症患者とその家族にとって、要介護認定を受けることは、適切な介護サービスへのアクセスを得るために極めて重要です。

ここでは、要介護認定を受けるメリットとその重要性について詳しく見ていきましょう。

要介護認定のメリット

介護サービスの利用が可能になる

要介護認定(認定)を受けることで、介護保険がカバーする範囲内での様々な介護サービスを利用することが可能になります。

訪問介護、通所介護(デイサービス)、短期入所介護(ショートステイ)、介護用具の貸出しや住宅改修費用の補助などが含まれます。

介護保険が使用できるようになりますので、介護サービスを受ける際の自費負担を大きく減らすことができます。

ケアプランの作成支援

専門のケアマネージャーが、認定を受けた人の状態に応じた個別のケアプランを作成し、最適な介護サービスの提供をサポートしてくれます。

介護保険を使用して、様々な専門家の支援を受けることができるため、要介護認定を取得するメリットは非常に大きいです。

要介護認定の重要性

認知症患者さんを家族だけで介護するのには限界があります。

認知症患者さん本人のためだけではなく、介護をする家族のためにも、介護や医療の専門家と連携をすることが重要です。

要介護認定を受けることは、患者さんと家族の生活の質を保つための第一歩といえます。

申請には複雑な部分も多いですが、しっかりと申請を行い、必要な認定を正しく取得しておくことが重要です。

要介護認定の申請プロセス

要介護認定の申請プロセスは、適切な介護サービスを受けるためには必要不可欠です。

それぞれのステップに分けて詳しく解説します。

要介護認定の申請ができる人

介護サービスを受けられるのは原則「第1号被保険者である65歳以上の方」です。

しかし、16種類の「特定疾病」と診断された場合、40歳~64歳の第2号被保険者でも申請が可能です。

また、要介護認定の申請ができるのは、基本的には本人とその家族です。

ただし、本人(または家族)による申請が難しい場合は、代理人が申請することもできます。

要介護認定の申請の提出先

要介護認定の申請は、認知症の方が住んでいる各市区町村の窓口で行います。

お住まいの区役所や市役所で、「要介護認定を受けたい」という問い合わせをしてみましょう。

介護認定調査(.訪問調査)

申請後、介護認定調査が実施されます。

介護認定調査とは、市区町村に要介護認定を申請した後に実施される聞き取り調査のことです(申請当日ではなく後日実施されます)。

市区町村や委託先の認定調査員が、要介護認定の対象者本人や家族に聞き取りを行ない、要介護度の判定に用いる情報の収集が行われます。

医師(かかりつけ医)の意見書

認知症の方のかかりつけ医師が、健康状態や認知症の状態に関する意見書を作成します。

かかりつけ医がいない場合は、市区町村または最寄りの地域包括支援センターに相談してみましょう。

一次判定~二次判定

初期調査の結果と医師の意見書を基に、介護保険事業者が総合的な評価を実施し、要支援または要介護の認定が行われます。

コンピューターによる一次判定と専門家による二次判定が行われます。

認定結果の通知

要介護認定の結果は、申請から原則として30日以内に文書で通知されます。

この結果に基づき、必要な介護サービスの利用が可能になります。

認定を受けた後は、ケアマネージャーと協力してケアプランを作成し、必要な介護サービスを選択し、利用開始します。

申請に必要な書類と事前準備

要介護認定の申請プロセスをスムーズに進めるためには、必要な書類の準備と事前の準備が重要です。ここでは、申請に必要な書類と事前に行っておくべき準備について詳しく解説します。

要介護認定の申請に必要なもの

要介護認定の申請の際に必要なものは次の通りです。

  • 申請書
  • 介護保険の被保険証
  • 健康保険の健康保険の保険証(65歳以下の場合)
  • マイナンバー通知書(申請書に記入する際に使用)

上記をしっかりと準備しておきましょう。

要介護認定の申請は無料で行うことができますので、申請料金などは必要ありません。

要介護認定申請書

市町村の役所や介護保険センターで配布されています。申請者の基本情報、健康状態、日常生活の支援が必要な状況について記入します。

医師の意見書

申請者の健康状態や認知症の程度についての詳細が記載された書類です。

かかりつけ医や診療を受けている医師に依頼して作成してもらいます。

認知症でも要介護認定の申請は可能です!

認知症という疾患であっても、要介護認定の申請は可能です。

通常の要介護認定と同じような手続きや申請書類が必要となりますので、まずはお近くの区役所や市役所に相談してみましょう。

ご自身やご家族の申請が難しいという場合には、代理での申請も不可能ではありません。

認知症の要介護申請を受けたいという場合には、一度相談してみることをおすすめいたします。

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この記事を書いた人

介護業界で働かれる方や、介護サービスを利用されている方、これから利用を考えている方などへ向けて、介護保険、障害福祉サービス、社会的背景などの制度情報や役に立つ情報を定期的に発信しています。

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