介護の基本が知りたい!何から学ぶべき?勉強方法を解説

親の介護に備え、介護の基本について一から学びたい方も多いのではないでしょうか。もしくは介護分野への転職を考えており、基本を学びたいという方もいるかもしれません。

それでは、介護の基本は最初に何から学んでいけばよいのでしょう。また、どこでどのようにして学べるものなのでしょうか。今回は、介護について最初に学ぶべきことと、その勉強方法について解説します。

目次

何から学ぶ?最初に学ぶべきこと

介護について学ぶことはたくさんありますが、最初に優先して学びたいのは、以下の5つの分野です。

項番学ぶべきこと学習するポイント
1介護の基礎「尊厳の保持」「QOL」など、介護の在り方や根底部分
2介護技術食事介助、排泄介助、入浴介助等の基本動作や基本知識
3身体や病気障害、老化などの知識
4制度関連介護保険制度、介護休業制度、相談先(地域包括支援センターなど)等についての知識
5介護用品介護ベッド、車椅子、リハビリパンツ等、介護用品についての知識

まず1行目の「介護の基礎」は、根底となる重要な部分です。介護を行う場合、尊厳の保持を重視し、介護する相手が自分らしく生きられるようにサポートする必要がありますが、そうした介護とはどのようなもので、どうあるべきかについて最初に理解しておくことが大切です。

2行目の「介護技術」は、実際に相手の身体に触れ介護を行う上で必要不可欠な知識となります。特に3大介護(3大介助)ともいわれている食事介助、排泄介助、入浴介助の3つは使う機会も多いため、基礎的な部分は理解しておきたいところです。

3行目の「身体や病気」は介護する相手の身体の状態を把握する上で役立ち、4行目の「制度関連」は介護保険の申請や手続きをする際に用いることになります。5行目の「介護用品」は介護用品を購入したり使用する際に役立ちます。

いずれも介護において重要となる知識です。こうした知識を学ばずに家族の介護を行う方もいますが、自己流のやり方では誤った理解となりやすく事故などにつながる危険性もあります。そのため、本や研修などを通じて、正しい知識を学ぶことが大切です。

必要性の高いものから優先して学ぶ

上記の5つの分野はあくまで基本的な部分であり、これ以外にも介護について学ぶべきことはたくさんあります。

たとえば認知症の方の介護をするのであれば、認知症という病気のメカニズム、症状、応対方法などの理解が求められます。加齢により痰を出す力が弱くなった人や嚥下障害がある人を介護する場合には「喀痰吸引」の知識が必要になることもあります。

このように、介護について学ぶべきことは多く、置かれている状況によっても求められる知識やスキルが異なるため、必要性の高いものから優先して学んでいくのが望ましいです。

6つの勉強方法について

介護の基本を学びたい場合、どこでどのようにして学べばよいのでしょうか。

介護の基本を学ぶための勉強方法として、主に以下6つが挙げられます。

  • 本で学ぶ
  • インターネットで学ぶ
  • 入門的研修
  • 民間の基礎講座
  • 初任者研修
  • 周囲の有識者から学ぶ

以降では、それぞれの勉強方法について詳しく解説します。

1.本で学ぶ

書店やインターネット通販では、介護の基礎を学べるさまざまな入門本が販売されており、市販の書籍を読むだけでもある程度知識やスキルを覚えることができます。通勤時間などの隙間時間を使って学びたい方は、本での学習が向いています。

ただし書籍の場合、書かれている内容の品質がまちまちであるため、信頼できる書き手の本を選びたいところです。また、排泄介助、入浴介助のような実技的な知識を学ぶ場合には、できるだけイラストつきの本を選んだ方がイメージしやすいでしょう。

2.インターネットで学ぶ

インターネット上には、介護にまつわる知識やノウハウが無料で公開されております。たとえば「排泄介助 やり方」「介護保険 利用方法」などのキーワードで検索をかけると、大まかな知識を学ぶことができます。近年はYouTubeのような動画サイトでも、そうしたノウハウ情報が映像として公開されています。

ただし、インターネット上の情報は書籍以上に品質がまちまちであり、誤った情報として公開されていることもあります。信頼できるサイトや動画制作者であるかをよくチェックした上で利用したいところです。

3.入門的研修

「入門的研修」とは、厚生労働省が提示する方針のもと、各自治体で開催されている介護の初歩的な研修です。受講は原則無料であり、介護の基本的な部分を研修会場で学ぶことができます。研修期間は概ね1日~6日程度です。

主な対象者は介護業界への就職を考えている方、介護に関心を持つ介護未経験者であり、介護の業務に携わる上での不安を払拭するための研修として開催されています。

ただし自治体によっては、就職希望者だけでなく、家族の介護のために知識を付けたい方などでも受講できることがあります。たとえば神奈川県の入門的研修では、家庭介護を行う方、定年後のセカンドキャリアを考えている方などに向け、一般向けコース(基礎講座3時間)を用意しています。

4.民間の基礎講座

資格の学校など民間の教育サービスでも、介護の基礎が学べる講座が開催されています。

民間企業などが開催している基礎講座は有料となりますが、その分、誰でも制限なく受講できる窓口の広さが利点です。親の介護が迫っている方はもちろん、単に介護について知りたいというだけの方でも受講できます。

5.初任者研修

「初任者研修(介護職員初任者研修)」は、介護業界における入門資格です。厚生労働省が示す指針のもとに組まれた合計130時間(座学+実技)の研修となり、介護の基礎を幅広く体系的に学ぶことができます。修了までは1~4か月程度かかり、厚生労働省が認定するスクールにて学ぶことになります。

「訪問介護」の仕事をする上での必須資格ともなっているため、受講者は介護業界への就職転職を希望している方が多いものの、親の介護や自己啓発の目的で受講する方もいます。他の勉強方法に比べ時間やお金は掛かるものの、実技演習(スクーリング授業)も含め介護について深く学ぶことができるため、知識や技術をしっかりと身に着けたい方にはおすすめです。

土屋ケアカレッジでも研修を用意

私たち土屋グループの教育研修機関土屋ケアカレッジでも初任者研修を開催しており、受講料は業界最安値水準の49,000円(2024年1月時点)で設定しております。「自宅学習+通学学習」を組み合わせることができ、最短1か月で修了を目指せますので、初任者研修に興味のある方はぜひご検討ください。

6.周囲の有識者から学ぶ

家族、知人、友人などに、介護職として働いている方もしくは介護の経験がある方がいる場合には、そうした有識者を通じて介護のイロハを学ぶことも一つの方法です。

介護を経験したからこそわかる苦労談や失敗談が聞けることもあり、書籍などでは知ることのできない介護の実態が垣間見れることもあるでしょう。

自分に合った勉強方法を選ぶ

人それぞれ置かれている状況や目的によって、ベストな勉強方法というのは異なってきます。

たとえば「あまりお金をかけられない」「空いた時間だけ勉強したい」という方であれば、市販の書籍やインターネット上のコンテンツを利用して独学で勉強してみるのも一つの方法です。一方で「自分ひとりで勉強できそうにない」「体系的にしっかりと学びたい」という方であれば、入門的研修や民間の基礎講座を利用してみるのもおすすめです。より本格的に学びたい方であれば、初任者研修を受講してみるのもよいでしょう。

そのように勉強方法には相性も関係してきますので、まずは「何のために自分は介護を学ぶのか」「どの程度の水準の知識やスキルを必要としているか」「お金や時間に余裕があるか」等を整理し、それにマッチした勉強方法を選ぶことが大切です。

焦らず基本から一歩ずつ学ぼう!

介護について学ぶことはたくさんありますので、最初は何から手を付けていいかわからず、怖気づいてしまうかもしれません。ですが勉強していくうちに知識同士がつながっていき、理解はどんどんと深まっていきます。

まずは一歩踏み出すことが大切です。介護に対して関心を持ち、自分にあった勉強方法で焦らず一歩ずつ学習していきましょう。

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この記事を書いた人

介護業界で働かれる方や、介護サービスを利用されている方、これから利用を考えている方などへ向けて、介護保険、障害福祉サービス、社会的背景などの制度情報や役に立つ情報を定期的に発信しています。

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