おすすめの介護資格の10選!難易度や受講条件を解説

介護資格の数は多く、マイナーなものまで合わせると30以上に及びます。資格によって得られるスキルや描けるキャリアが変わってきますので、自分の状況に合った資格を選ぶことが大切です。

今回はたくさんある介護資格の中から、特におすすめな資格を目的ジャンル別に紹介します。どのような資格を取るべきか悩んでいる方はぜひご参考ください。

目次

定番の主要介護資格3つ

まずは、介護資格の中でも定番かつ有名な3つの資格を紹介します。

資格名難易度受講条件
介護職員初任者研修★★★☆☆特になし
介護福祉士実務者研修★★★☆☆特になし
介護福祉士★★★★☆3年以上の実務経験+実務者 もしくは 養成施設、福祉系高校卒業  

この3つの資格は、受講者も多く、職場で取得を勧められることもあるため、介護の道に進む場合には特に意識しておきたい資格です。

以降ではそれぞれの詳細を解説します。

介護職員初任者研修

「介護職員初任者研修」は、介護業界における入門資格です。介護における多方面の基礎知識を学べるとともに、実技演習(スクリーニング授業)を通して、実践的な技術も学べます。また、この研修を修了すると「訪問介護(ホームヘルパー)」の仕事ができるようになるため、活躍の幅が広がります。

研修時間は130時間(講義+実技)となり、厚生労働省の認定を受けた養成スクールにて、1か月~4か月程度のあいだ学ぶことになります。一部の科目は通信学習も可能です。

介護福祉士実務者研修

「介護福祉士実務者研修」は、前述した介護職員初任者研修の上位資格に位置付けられた資格です。初任者研修よりもさらに深く介護の基礎を学ぶことができます。また、この資格は後述する「介護福祉士」を受験するための条件となっているため、介護福祉士を目指している方が受講するケースも多いです。

研修時間は450時間(講義+実技)となり、厚生労働省の認定を受けた養成スクールにて、6か月以上学ぶことになります(無資格者の場合)。なお、初任者研修と共通する科目もあり、初任者研修を修了している方であれば、研修時間は450時間から320時間に短縮され(130時間短縮)、最短2か月程度で取得を目指せます。

介護福祉士

「介護福祉士」は、介護分野で唯一の国家資格です。介護現場のスペシャリストとしての証となり、この資格を保有していると就職先の選択肢が増え、給料アップも期待できます。

後述する「サービス提供責任者」や「ケアマネジャー(介護支援専門員)」へのキャリアアップにも活用できる資格であるため、介護福祉士国家試験の合格を一つの目標としている介護職の方も少なくありません。

介護福祉士国家試験は年1回開催され、試験に合格すると介護福祉士の資格が得られます。ただし試験を受けるには受験条件があり、一般的な受験ルートとなる「実務経験ルート」で受験する場合、「実務経験3年以上+介護福祉士実務者研修の修了」の条件を満たす必要があります。したがって、前述した実務者研修は、事前に忘れず受講しておかなければなりません。

必要に応じて取りたい介護資格4つ

ここでは、働く職場や担当する職務に応じて取っておきたい介護資格を4つ紹介します。

資格名難易度受講条件
レクリエーション介護士★☆☆☆☆(2級の場合)特になし
ケアクラーク技能認定試験(医療事務)★★☆☆☆特になし
喀痰吸引等研修★★★☆☆介護職として働いている人など
認知症介護基礎研修★☆☆☆☆特になし(無資格者や未経験者が主な対象)

この4つの資格は、特定の分野の知識やスキルを深められるため、介護職としてプラスαの強みや個性を作り上げるために利用できます。

以降ではそれぞれの詳細を解説します。

レクリエーション介護士

「レクリエーション介護士」は2014年に誕生したばかりのまだ新しい民間資格です。2級と1級があり、日本アクティブコミュニティ協会が認定する講座を受講することで取得できます(試験あり)。

名前の通り、レクリエーションに関する基礎知識、企画ノウハウ、実践方法などを学べるため、介護施設でレクリエーションを担当している方(もしくは目指している方)と相性の良い資格です。

学習期間は、通学の場合であれば最短2日程度(12時間程度)で合格を目指せます(通信での学習も可能)。

ケアクラーク技能認定試験

「ケアクラーク技能認定試験 ケアクラーク(R)」は、一般財団法人 日本医療教育財団が開催する医療事務向けの民間資格であり、合格するとケアクラークの称号を得ることができます。介護報酬請求事務などについての理解を深められるため、医療事務を目指している方と相性のよい資格です。

試験は学科試験+実技試験からなり、合格率は70%前後です。学科試験では介護事務の基礎知識が問われ、実技試験では介護給付費明細書(レセプト)の作成を行うことになります。

喀痰吸引等研修

「喀痰吸引等研修」は、厚生労働省が認定する公的資格(研修)です。この研修を通して、痰の吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)、経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経菅栄養)のスキルを身に着けることができます。

これまで喀痰吸引を行えるのは、医師法により医師や看護師に限定されていましたが、平成24年4月以降、喀痰吸引等研修を受講した介護職員も一定の条件下で喀痰吸引が行えるようになりました。高齢化が進み、嚥下障害などで痰を上手く排出できない人が増えているため、今必要性が高まっている研修でもあります。

「第1号研修」「第2号研修」「第3号研修」の3つがあり、それぞれで行える喀痰吸引の範囲が異なり、研修内容や研修時間にも差があります。

認知症介護基礎研修

「認知症介護基礎研修」は、認知症ケアの仕事をする上で、最低限必要となる知識や技術を学べる研修です。

2024年度より、全ての無資格(医療・福祉関係の資格)の介護職員に、認知症介護基礎研修の受講が義務化されることになりました。つまり今後、無資格で介護職として働く場合、必ずこの認知症介護基礎研修を受講することになります。

研修はeラーニングもしくは集合型研修で受講することになり、どちらも1日で修了できますので時間は掛かりません。料金は自治体によって異なり、1000円〜5000円程度です。

キャリアアップのため将来的に取りたい資格3つ

ここでは、介護業界でさらに上へキャリアアップしていくために活用できる資格を3つ紹介します。

資格名難易度受講条件
サービス提供責任者★★★★☆介護福祉士実務者研修もしくは介護福祉士を所持している
ケアマネジャー(介護支援専門員)  ★★★★★指定業務に5年以上かつ900日以上勤務
認定介護福祉士★★★★★介護福祉士を所持し、実務経験5年以上

この3つの資格はいずれも難関資格となり、受講条件も厳しく、誰もが気楽に取得できるものではありません。その分、取得していればキャリアアップのための強い武器となるため、将来の目標として考えておくのがおすすめです。

以降ではそれぞれの詳細を解説します。

サービス提供責任者

「サービス提供責任者(サ責)」とは、厳密には資格ではなく、ホームヘルパーが働く訪問介護事業所の責任者を指します。訪問介護の計画を立てたり、ホームヘルパーの管理や指導などを行う、訪問介護分野の上級ポジションとなります。

サービス提供責任者として勤務するためには、介護福祉士実務者研修もしくは介護福祉士の資格が必要となります。また、サービス提供責任者として活躍するには、コミュニケーション能力やマネジメント能力、訪問介護分野の知識や経験も重要になるため、一般的には介護業界である程度キャリアを積んでから目指すポジションとなります。

ケアマネジャー(介護支援専門員)

「ケアマネジャー(介護支援専門員)」の資格を取得すると、要介護者やその家族と対話しケアプラン(介護サービス計画書)を作成する、ケアマネジャー業務に携わることができます。ケアマネジャーは介護業界の中では待遇のよい職種でもあり、給料アップが期待できます。

ケアマネジャーになるためには「ケアマネジャー試験」を受験する必要がありますが、受験条件が厳しく「介護福祉士を始めとした国家資格に基づく業務を5年以上かつ900日以上勤務」もしくは「相談援助に関する業務を5年以上かつ900日以上勤務」の条件を満たさないと受験できません。

また試験合格後は、所定の研修機関にて87時間の研修と居宅介護支援事業所での3日程度の実習を受ける必要があり、長い道のりとなります。

認定介護福祉士

「認定介護福祉士」は、介護福祉士のさらに上位の資格に位置付けられる、介護現場のスペシャリスト資格です。一般社団法人「認定介護福祉士認証・認定機構」が2015年12月から認証・認定を開始した新しい資格であり、こちらは国家資格ではなく民間資格の扱いとなります。

認定介護福祉士を取得するには、以下2つの条件を満たす必要があります。

  • 介護福祉士を所持し、実務経験5年以上
  • 認定介護福祉士養成研修で600時間の講義受講

介護福祉士の取得も含めると実質8年以上の期間が必要となるため、簡単に取れる資格ではありません。その分、差別化できる要素となりやすいため、現場のスペシャリストを目指したい方は意識しておきたい資格です。

駆け出しの方は「介護職員初任者研修」がおすすめ

駆け出しで基礎知識が乏しく、一から介護を学びたい方には、冒頭で記載した介護職員初任者研修が特におすすめです。

初任者研修では「介護における尊厳の保持」「介護におけるコミュニケーション技術」「老化の理解」「障害の理解」など、介護に関する幅広い基礎知識を体系的に学ぶことができます。また「ベットメイキング」「歩行介助」「排泄介助」といった実技スキルも習得できるため、実際に介護現場に立った際に役立ちます。

なお、敢えて初任者研修は飛ばし、上位となる介護福祉士実務者研修から受講することも可能ですので、意欲や時間のある方は挑戦してはいかがでしょう。

資格の勉強は土屋ケアカレッジで

私たち土屋グループの教育研修機関『土屋ケアカレッジ』でも、初任者研修の講座を開催しています。

土屋ケアカレッジの初任者研修講座には、以下のような強みがあります。

  • 業界最安値水準の49,000円で受講可能(※2024年1月時点の価格)
  • 最短1か月で取得
  • 「自宅学習+通学学習」で学習可能
  • 「わからない」「できない」をそのままにせずに何度もしっかりサポート

特に価格の安さは強みであり、初任者研修の受講費用が10万円以上するスクールもある中、土屋ケアカレッジであれば業界最安値水準となる49,000円で受講できます。

また、初任者研修の他にも「介護福祉士実務者研修講座」「喀痰吸引等研修(第3号研修)講座」「重度訪問介護従業者養成研修講座」といった講座コースも用意しておりますので、介護資格の取得を考えている方はぜひご利用ください。

資格をとって有利にステップアップしよう!

以上、おすすめの介護資格について紹介しました。

資格の勉強は大変な部分もありますが、取得することにより、介護に対しての理解が深まり、就職転職を有利に進められたり、資格手当が得られることもあります。

特に未経験の方や無資格の方ほど、資格を取ることの意味が大きくなってくるため、ぜひ自分に合った資格に挑戦してみてください。

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この記事を書いた人

介護業界で働かれる方や、介護サービスを利用されている方、これから利用を考えている方などへ向けて、介護保険、障害福祉サービス、社会的背景などの制度情報や役に立つ情報を定期的に発信しています。

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