有限会社ノーマルライフ

有限会社ノーマルライフ

川村日美子

グループホームおてんとさん 管理者

二人のおばあちゃんからもらったやさしさを継いで

 《interview 2026.02.09》

有限会社ノーマルライフ グループホームおてんとさんで管理者として働く川村日美子(かわむらひみこ)。
「いつも笑っているか、楽しんで過ごしていた」というこどもの頃。
その後、最初に就職した会社で十数年働く中で、「一度、違う仕事もしてみたい」という思いから、 “介護の仕事”に転職します。
そして、ノーマルライフの立ち上げから関わって、13年。
「ここで生きていることで『ひとりじゃない』と感じる」――いつも、おてんとさんに見守られて、クライアントひとりひとりとの思い出を心のまんなかに、新しいことに“ちょっとずつ”挑戦する。
そんな川村の日々を訪ねます。

CHAPTER1

こどもの頃はいつも笑ってるか、楽しんでるか。みんなと楽しみたかった

10代の頃は、演劇で人前に立ったり、音楽を演奏して歌ったりするのが好きでした。

―川村さんが生まれ育ったのはどちらですか?

東大阪で生まれ育ちました。
その地域の中であちこち移ってはいますが、大阪からは出てないですね。

育ったあたり昔は商店街が栄えていたのですが、近くに大きいスーパーができたら廃れてしまいました。

近くには生駒山が見えます。ノーマルライフからも見えます。

―こどもの頃はどんなお子さんだったんですか。

ひとことで言ったら、活発でした。
当時は同じ年齢のこどもたちがいっぱいいたので、日中は外で遊び回っていました。

鬼ごっことか、ドッジボール、かくれんぼ、ゴムとび――こどもの遊び全般ですね。

家に帰ったらおとなしくひとり遊びをしていました。
漫画本を見たり、よく歌も歌っていました。

「みんなと楽しみたい」っていう気持ちがあって、いつも笑って、楽しく過ごしていました。

性格は――どうでしょう。

「きつい」とかいうよりは、穏やかな感じですかね(笑)。
みんなと調和を図ろうとするところは今も変わらないです。

―こどもの頃になりたかったものとかってありましたか?

なりたかったもの……もう、遠い昔のことですね(笑)。

テレビを見て――歌手とかそんな感じに憧れていたかもしれないです。

―その後、中学や高校の頃はどんなことに夢中になっていましたか。

中学の時は演劇部に入っていました。
演劇に出てみたり、みんなと一緒に制作したり。

それから、ギターを弾いたりもしていました。
その後、軽音楽部に入って、友達と音楽を演奏したりしていました。

その頃は、人前に立ったり、歌ったりとかが好きでした。
今は全然出たくないですが。

そういうところは変わりましたね(笑)。

CHAPTER2

このまま仕事を続けるか、新しいことに挑戦するか――介護の仕事へ

初めて就職した会社で十数年。「一度、違う仕事もしてみたい」「ここで一旦、区切りをつけてもいいのかな」って思って――

学校卒業後は電気会社に就職しました。

ものづくりの職場で、最初は製造の側として入りましたが、途中で職種転換の試験を受けて、そこからは指導の側になって働くようになりました。

電気会社での検査工程を担当していましたが、製造からひきついで、製品の調整、最終検査をするところの作業指導をしていました。

それから上司の補佐的な仕事です。
初めて就職したその会社で数十年働かせていただきました。

ある時、職場がなくなることになりました。
同じ系列の会社で働き続けることもできたんですが「一度、違う仕事もしてみたいな」って思って――。

数十年働いたので「ここで一旦、区切りをつけてもいいのかな」って考えました。

体調不良もありました。だんだん年齢を重ねていくうちに。

仕事も毎回、新しいものが試作品としてできあがってくるんですが、その都度、仕事を覚えていかないといけない。

仕事についていけなくなったところもありました。

会社からは「続けてください」と言われていたんですが、考えたんです、「このまま続けるか、それとも新しいことに挑戦するか」って――。

そこで退職を決めました。

当時、私は母親とふたり暮らしだったし、母親も年齢が年齢だったので、次の仕事を探そうと思った時、「家の近くでできる仕事があったらいいな」と思っていました。

それでハローワークに行った時に、介護の資格が取れることを教えてもらって。

資格を取ってからは、そのまま、ハローワークで近くの求人を探した時にノーマルライフの名前が出てきて――ちょうどグループホーム開設時のスタッフ募集があったので、応募をして、立ち上げから関わってきました。

CHAPTER3

祖母の記憶――グループホームでお年寄りと関わるようになって

お年寄りと接することはすごく楽しかったし、一緒に楽しみたいという思いもあって――優しく接したかったですね

―数十年されてきた仕事を変える時はどんなお気持ちでしたか。

前職はお給料もよかったし、ボーナスもあったし、休みもいっぱいありました。

年齢も40代後半でした。
それでも、「違う仕事がしてみたい」っていう思いの方が大きかったです。

―初めての介護、グループホームでの仕事はいかがでしたか?

そうですね。
私は小さい頃からずっと、祖母によくしてもらってきたんです。

両親ともに祖父母がいたので、こどもの時からお年寄りとの関わりは多かった。

だからすごく接しやすかったというか。

祖母はなかなか昔の人で――すごく苦労をしてきた方でした。だからかもしれないですが、孫にはいつも「ご飯いっぱい食べー」って言ってくれて。

小さい頃は母親が働いていたので、私は祖母の家で過ごすことが多かったんです。

ご飯をつくってもらったり、優しくしてもらった思い出しかないので。

「私はいろいろやってもらったのに何もしてあげられなかったな」っていう切ない思いを、祖母が亡くなった時に感じたんですよね。

そんなこともあって、お年寄りと接することはすごく楽しかったし、一緒に楽しみたいという思いもあって――優しく接したかったですね。

父方母方、どちらの祖母も優しかったんですよね、本当に。

CHAPTER4

「どうしたらクライアントに笑ってもらえるかな」――ノーマルライフの日々

スタッフは「どうしたら笑ってもらえるかな」っていうことに一生懸命。「クライアントを笑わせたら勝ち」みたいなところがありますね(笑)

―ノーマルライフに入られてからはいかがでしたか。

立ち上げからだったので、最初はまだ入居者さんがいらっしゃらなくて。

みんなで開設の準備をしながら――あちこちにシールを貼ったり、「ここには何を入れる?」って話しながら――楽しかったですね、それも。その後いらした入居者さんはみなさん元気で、笑うことが大好きな方もいらっしゃって。

ここまで楽しく過ごしてきました。

ノーマルライフは、最初、「デイサービス生き活き」を開設して、その後、生き活きからグループホームおてんとさんに移られた方がおふたりいらっしゃいました。

そのお二方とグループホームでずっと一緒に過ごしてきたんですが、今年に入ってお二方ともご逝去されたんです。

―そうだったんですね。そのおふたりとの印象に残ってるやり取りがあったら教えていただいていいですか。

私が最初に面接に行った時に、そのおひとりがいらして、すごく元気な声で「こんにちはー」って挨拶してくださったんですよ。

それで面接もちょっとリラックスしてできて。
そしたら、後になってその方がグループホームに入所されてこられたんですよね。

その方は――夜勤をしていると、夜中、お部屋から出てこられるんです。

夜中の3時ぐらいに「おはようございます」なんて言いながら(笑)。

「いや〜、まだ朝じゃないですよ〜」なんて私も言って(笑)。

なんだか明るい方でね。
「本当にいい入居者さんに恵まれたな」って思っています。

もうひとりの方は寂しがりやのところがありましたね。
おひとりでは寝れなくて、夜中になると居室からフロアに出てこられるんですよ。

夜中中、ずっとフロアに座っておられるので、「じゃあ、フロアに布団を敷いて寝ましょうか?」ってお話をして、マットレスと布団を毎日フロアに運んで――ものすごく重いですよ、ベッドのマットレスなので(笑)――フロアで寝ていただいてました。

その後に入居された方も「ひとりだと寝れない」って方がいて、一緒に仲良くフロアで寝ていただいていた時期もありましたね(笑)。

ある時からは、また居室に戻って寝ていただくことができました。

その方はね――朝方、フロアで朝ごはんの用意をするんですが、調理をはじめると、その音で起きられるんです。

台所の横で寝てらっしゃるので。すると、正座をして「おはようございます」って言われるんですよ(笑)。

本当にその姿が可愛らしくて――可愛らしい、なんて言ったら失礼なんですが。ちょこん、と正座されてね。

今、一緒に働いているスタッフは「どうしたらクライアントに喜んでもらえるか」、それから「どうしたら笑ってもらえるかな」っていうことに一生懸命です。

「クライアントを笑わせたら勝ち」みたいなところがありますね(笑)。

クライアント誕生日会 準備中

CHAPTER5

ノーマルライフでの日々を楽しんで過ごしてもらいたいな

レストラン風に模様替えをして、ご家族とクライアントさんと一緒に食事していただく食事会を、初めて実施しました

―ノーマルライフは、さまざまな活動をされているのも目にします。最近はどんな活動をされているんでしょうか。

昨日、ちょうど運営推進会議を近くのカフェで開催したんですが。

グループホームのクライアントの方たちには3時におやつが出るんですが、いつもフロアで過ごしているおやつの時間に、このカフェを利用させてもらえるような企画を考えたいな、って。

やっぱり「ノーマルライフでの日々を楽しんで過ごしてもらいたいな」っていう思いがあるんです。

ちょっとずつ、ちょっとずつ、進めていきたいなと思ってます。

―新しい動きがあるんですね。

そうですね。

ノーマルライフは地域密着型というところを謳ってることもあって、今までやってこなかったことも、ちょっとずつ考えてやっていけたらなと思っています。

今月は初めての食事会をしました。

ノーマルライフの会議室をレストラン風に模様替えして、ご家族とクライアントさんと一緒に食事していただく企画をしたんです。

ちょうど、数日前に最初のお客様にいらしていただいて。
ものすごく喜んでいただきました。

―お料理はスタッフがつくるんですか?

スタッフがものすごく腕を振るってくれました。

今月は食事会が3回あって、あと二組のご家族がいらしてくださるんです。

3回ともスタッフが調理します。

―初めての食事会では、どんな料理をつくられたんですか?

チーズを豚肉で巻いて揚げたものとか、ものすごく手の込んだ料理をつくってました。

香のものから始まって、主菜があって、副菜もお味噌汁もあって――全部で7品ほど。

お茶碗やトレーもみんなで考えて、新しく買ったり、あるものを使ったりしながらね。

なんとか1回目にこぎつけました(笑)。

2025年11月、クライアントとご家族を交えた初めての食事会の様子。

CHAPTER6

この場所で、日々、関わってるからこそ

クライアントが顔を覚えてくださったり、親しみを込めて話しかけてくださったら、すごく嬉しいな

―ノーマルライフでは13年ほど働かれてきたとお聞きしています。介護の仕事、人との関わりの中で、川村さんが大事にされてることがあったら伺いたいです。

思うのは「その人のお話をよく聞くこと」でしょうか。

私自身、以前に、その場の状況だけを見て判断をされて、嫌な思いをしたことがあったんです。

本当はその場に至る前後の流れや背景、そうなった理由がちゃんとあって――。

逆にスタッフに対して、「なんかちがうな」「おかしいな」って私が思った時があったんですよ。

それで1回、その人に「なんでですか?」って聞いてみたんです。

そしたら、その背景をちゃんと教えてくれた。
そこからは、その場だけを見て、いきなり決めつけるんじゃなくて、「一旦、本人に聞いてみよう」って――。

そこは「気を付けないといけないな」って思いますね。
自分がそそっかしかったり、その人のことをすべて見れていないところもあるので。

―川村さんは、違う分野から介護のお仕事に就かれてますよね。この仕事に就いて、初めて知ったことや、続けていく中でご自身が変わってきた部分ってありますか。

介護の資格を取るのに3ヶ月ほど勉強をしただけで入社して、入社してからも研修はあったものの――実際に認知症の方と関わる中で感じたのは、「認知症とひとことで言っても、いろんな方がいらっしゃるな」ということですね。

机上ではいろいろ教えてもらうけど、実際には先ほどお話ししたみたいに、楽しく過ごしてくださる方もいらっしゃれば、そうでない方もいらっしゃる。

他のクライアントさんに対して「隣の席が空いてるからどうぞ」「今、テレビ楽しいのやってるよ」なんて声かけをされる方もいらっしゃれば、他の方の部屋に間違えて入ってしまう方もいらっしゃるし、夜中に歩き回る方もいらっしゃる。

「誰かが自分の大切なものをとった」と思い詰めてしまう方もいらっしゃいました。

ここに来てから、本当にいろんな方と出会わせていただいたのかな、って。

そうやって、やっと知りますよね、教科書に載ってないことを。

でも一方で、対応の難しさも感じてます。
最初は、そんなに認知症の重い方はいらっしゃらなかったのですが、だんだんにいろんな症状の方が入ってこられて。

その中で要介護度の高い方が寝たきりになられたり、病気になられたり。

転倒されて怪我をされたこともありました。

そういう時の自分自身の無力さ――「もうちょっと、なんとかできなかったのか」って日々、考えさせられることも多いです。

その方がいつまでも健康で長生きしてくださったら、それがいちばんいいんですけどね。

入居されてから、ここでずっと過ごすことになるのであれば――もちろん、医療の処置が必要になった場合は病院へ移ることになるのですが――「ノーマルライフでの日々をずっと楽しんでいただきたい」っていう気持ちは、ずっとありますね。

―川村さんにとって、「こういう時、ちょっと嬉しいな」みたいな瞬間ってどんなところですか。

顔を覚えてくださっているクライアントさんがいてくださることは嬉しいですね。

毎日のように関わっているんですが、「私、この人知ってるわ」なんて言ってくださってね(笑)。

もちろん、「知らん」って言われる方もいらっしゃいますよ(笑)。

その中でもね、親しみを込めて話しかけてくださったら、すごく嬉しいなって。

それって「日々、関わってるからこそなのかな」って思うんです。

認知症の方の場合は、信頼関係があればあるほど、逆に近しい方に当たってしまうこともある、とも聞いています。

以前、そんな場面を目にしたことがあるんですが、「そういうこともあるのかな」って思いながら、それはそれでね、「ご本人も辛いのかな」って――。

優しくお声かけしても、こちらが思いを寄せたとしても、なかなか伝わってる気がしない時もありました。

入社した頃に「それでも、本当は伝わってるんですよ」って教えられたことがあったんですよね。

だからこそ、「覚えてるよ」って言ってもらえたら、笑ってもらえたら、嬉しいなって思いますね。

―スタッフ間ではいかがですか?クライアントとの関わり方についてお話しするような機会はあるんでしょうか。

そうですね。
ケアミーティングをオフラインで開催させてもらっています。

スタッフ同士で、介護の仕方について思うところや、「自分はこう思うけど、どうなのかな」っていう疑問をその中で共有してますね。

正直なところ、私自身もどういうふうに言ってあげたらいいのか、わからない時もあるんです。

たとえば、スタッフ間で行き違いがあった時、両方の、それぞれの言ってることがわかる。

わかるからこそ、どっちの介護の仕方が「いい」とか「悪い」とかっていう判断ってできないですよね。

どちらも、自分なりに「この方法がいい」と思ってやってはるから。

私も人間が未熟なので。的確なアドバイスができればいいのですが、だからこそ、ちょっと聞きたいこと、相談したいことがあったら、その都度ケアミーティングを開催して、「みんなで話し合いましょう」っていうふうにしてます。

CHAPTER7

休みの日は掃除、洗濯、家事全般。金魚の水槽も

私はもともと料理をやってなかったんですよ。ノーマルライフに来てからできるようになったんです

―ここまでお仕事のお話ばかり聞いてきてしまったんですが、お休みの日は、どんなことして過ごされてますか? 趣味とか、習慣とか、そんなものがありましたら。

そうですね。
私はひとりなので、休みの日は掃除、洗濯、家事全般をして過ごしてますね。

たまに友達とショッピングに出かけたりはするんですが、「今日は家事をしよう」と決めた日は一日家事をして、終わって落ち着いたら、ちょっと残ってる時間に録画していたドラマを見たり、アクセサリーを作ったりしています。

でも結構、家事も時間かかるんですよ。

―そうですよね。ちゃんとやろうとすると、1日かかって、お休み終わっちゃいますよね。

めちゃくちゃかかるんですよ。

もうね、掃除、洗濯から全部やって、買い物行って、ご飯つくって、「金魚おるから、金魚の水槽も掃除せなあかんな」てやってたら、1日があっという間に終わる。

夕方になってやっと、「録画してたドラマでも見ようかな」って。

私は土日休みではないのと、連続して休めることってなかなかないので、1日出かけてしまうと家事が溜まってしまうんです。

雨の日が続いたりしたら、さらに洗濯物も溜まってしまいますし。

―私自身は習慣になってるものをやるのって、結構好きだったりするんですが、川村さんは好きな家事とか習慣ってありますか?

そうですね……料理ですかね。
食器洗いは好きじゃないんですが(笑)。

料理はね、ノーマルライフに来てからできるようになったんです。

私はもともと料理をやってなかったんですよ。

面接の時に「私、料理できないんです」って言ったら、「カレーかオムライスができたらいいですよ」って言われて。

でもねぇ、料理って毎日のことなので(笑)。

当時は昼も夜も、スタッフがしっかりグループホームのご飯をつくってたので、毎日、カレー、オムライス、カレー、オムライスってわけにいかなくて(笑)。

それで、少しずつ料理を覚えてきたんですよね。

最初は、家で練習した料理はまずくて食べられないぐらいのレベルだったのが、まあまあ食べられるようになって――ノーマルライフでは料理を覚えさせてもらいましたね(笑)。

だから役に立ってます、今は自炊してるので。

川村さんがつくられたビーズのアクセサリーの一部。休みの日は他にも、「喫茶店巡りをしモーニングを食べるのが楽しみだったり、腕時計が好きで時計屋さんを見て回ったりもしていました」

CHAPTER8

ここで生きていること、一緒に笑えること。

ノーマルライフのみなさんと一緒にいられる幸せというか、ここで生きていることで「ひとりじゃない」って感じるというか――。

―これからのことを伺いたいと思います。「ノーマルライフでこんなことをやっていきたいな」という思いがあったら聞かせてください。

まだまだ、地域全体で高齢者を見ていく視点は足りていないところも多いと思うので、これからは、少しずつ地域との関わり合いを増やしていきたいですね。

今は近くのショッピングセンターや食品センターにクライアントさんと一緒に行かせてもらうことはあるんです。

でも、さっきも言ったように、カフェを利用させてもらったり、「いろんな場所にクライアントさんと行かせていただきたいな」っていう思いがありますね。

先日、グループホームで災害時の避難訓練がありました。

クライアント3名につき、スタッフ1名が付き添うことが緊急避難時の条件としてあるんですが、その時、要介護度が高く、歩けない方をお連れするとなったらスタッフの人数が足りないんです。

そういった時、やっぱりご近所さんの助けが必要になりますよね。

「日頃からご近所の方との関わり合いを持っておくといいね」っていう話も昨日もしていたところです。

それから、「地域のお祭りに参加させてもらおう」という話も出ています。

今年の夏に「近所で、だんじり(山車)を出して、子供会も参加する夏祭りをする」と聞いたので、初めてだったんですが、夜にクライアントさんをその祭りにお連れしたんですよ。

参加という形ではないんですが、見せてもらいに行きました。

そしたら「じゃあ次回は、ブースをひとつ借りて、そこに椅子を置いて、みんなが見学できるようにしたらどうですか?」なんて地域の方からおっしゃっていただいて。

「また来年も参加させてもらえたらいいな」なんて思います。

―いいですね。そんな機会があったら。

でもね、言うのは簡単なんですが、実行するのって難しくって(笑)。

今までも「こうしたい」「ああしたい」といった思いはあったので、また頑張って実施できるようにしていきたいです。

―最後に――川村さんは長く介護のお仕事を続けられてきていて、なぜこの仕事をずっと続けられてきたのかなっていうところを聞かせていただきたいなと思います。

そうですね……。

私はひとりで、天涯孤独に近いような感じなんですが、ノーマルライフのみなさんと一緒にいられる幸せというか、ここで生きていることで「ひとりじゃない」って感じるというか――。

自分も一緒になって、家族というか、みなさんとつながることができてるところですかね。

一緒に笑えること。
ひとりで家に帰って、ひとりで笑ってるわけにもいかないのでね。

―そうですよね。笑うって、対象がいないと出てこない行為ですよね。

ここに来たら、みなさんいらっしゃるので。

そういう感じで、ずっと大勢の人と関わり合いながら、お仕事ができるっていうところかな。ご飯も食べられますしね。

居心地のいい「第2のお家」みたいな感じで過ごさせてもらってます。

みなさんそれぞれに家庭のことや、背景もあると思いますし。

スタッフも大勢いて、クライアントさんもいて、関わり合いを続けてこれていることで、私自身も長く続いていけてるのかな。

きっと、人と関わってるのが好きなんですかね――。
今、話していて、急にそんなふうに思いました。

おてんとさんが、誰にとっても居心地のいい場所であればいいなと思います。

TOP
TOP