―土屋の創業期から広報やPRに携わられています。どんなところに関わってこられたんでしょうか。
広報部門では、最初は「とにかく土屋を”ちゃんと”知ってもらおう」と、各ステークホルダーに対して、代表の高浜さんを知ってもらうための取り組みを行いました。
まず土屋を知ってもらった上で、少しずつ社会課題の方にフォーカスを移していきました。
例えば、当時プレジデントオンラインさんで公開いただいた記事がこちらですが、こういった企画を進行する上で、
「わざわざこういった話題を出す必要はないのでは」といった意見を社内の方からいただくこともあったのですが、
結果的にこれまで目立ったネガティブな出来事はなく、むしろ多くの立場の方からポジティブな反応をたくさんいただき、成果が圧倒的に上回る機会となりました。
【レジデントオンライン様にて掲載された記事】
https://president.jp/articles/-/54903?page=1
次に「重度訪問介護という制度が世に知られていないのはおかしい」という視点でPRを進めていったら、想像以上にいろんな様々な立場の方から「それは深刻ですね」と言っていただけた。
重度訪問介護の必要性と、今起きてる社会課題の「何が問題なのか」を僕なりにキャッチアップして、どんどんアウトプットを行いました。
メディア露出が一時期、一気に広がったのは、この辺りがうまく噛み合ったからかもしれません。
―楠橋さん自身は、医療や介護系のPRは今までされたことあったんですか。
そんなに多くはありません。
PRに関しては、医療や介護っていう業界ごとの経験を持っていることよりも、”課題解決に向けたアプローチ”として捉えれば、本質は共通してるところがあります。
今ある課題を分解していく時に必要なのは、一定の業界の知識があった上で、世の中で何が起きているのか、どういったインサイトがあるのか、どういう前提で何が起きているのかを探り、
どこでどういった行き違いが起き、格差が起きているのかなどを分析する力、あとは分析で辿り着いた仮説に対して思い切ったアクションを行うことが大切だと考えています。
介護の知識については走りながら身につけた、今も日々勉強中というイメージが近いと思います。
―私自身も、重度訪問介護を初めて知った時には「こんな制度があるのか」と驚きました。と同時に、「なんでこんなに知られていないんだろう」と。
そうですよね。
ただ、俯瞰してみるとどの業界にも「何でこんなあたりまえのことが認められてないの?」みたいなことって結構あって、格差が存在する、という事実だけでは人は簡単に動かないし、動けなかったりします。
重度訪問介護の場合、課題が”命”に直結しています。
だからこそ様々ある課題のなかで、世の中に振り向いてもらう必要があります。
こういった前提に対して、自分自身が問題だと感じていることでもつエネルギーや各種ノウハウを掛け合わせた動きを日々行っています。
マクロとミクロを行き来し続けて物事を見るのはめっちゃ大事だな、という実感があります――そこはPRをしながら強く意識するところではあります。
―その後、2024年からは土屋の最高マーケティング責任者として関わられています。マーケティング部はどんな部署なんでしょうか?
マーケティング部は今、10名弱のチームです。
ホームページをつくったり、集客だったり、各種売り上げだったり、人材採用も含めて、介護や土屋のサービスを必要とする方々の採用に向けたマーケティング活動や、
サービスを必要としている方々に情報を届けるためのマーケティング活動を行なってます。
マーケティングの第一歩は、人々が本当に何を求めているかを考えることだと思うので、こういったことはよく考えるようにしています。