佐々木 「土屋の考え方に惹かれたのが大きいです。持続的に支援を続けていくためにも、本当の姿でのソーシャルビジネスを体現しようとする方針ですね。なので、ぜひ入社したいと」

土屋に入社した佐々木は、人事部を任され、手始めに、まずは800名程の雇用契約を引き受けます。

佐々木 「怒涛の毎日で。雇用契約含め、労務管理系の業務を社労士の先生と一緒に対応しました」

佐々木は他にも、創業開始間もない12月から年末調整の対応に奔走、1月には給与計算の引き受け、同時に雇用体系、評価制度設計などを行い、それによって得られる国からの助成金の申請も手掛けます。幸いにも、かつての職場で経験してきた人事労務関係の知識、経験が役に立っていたとのこと。

それから1年が経ち、2021年11月、佐々木は社長直属の経営戦略室に異動します。

佐々木 「人事部の上司と一緒にスタートさせ、今は新メンバーを加え3人で奮闘中です」

経営戦略室について聞いてみると……。

佐々木 「いまは中・長期期的な事業計画の策定や、社内向け財務諸表の作成を手掛けていますが、基本的には、経営に関する個別テーマ、例えばコスト削減やM&A、組織再編、マーケティングなどの戦略立案・予算策定にも取り組みます。もちろんコンプライアンス関連や労務状況の確認・改善などに関わる場合もあります。そうして必要な経営改善を行っていくことで、売上や利益に貢献していこうというセクションです。

また、次世代に事業を継承していくために、お金を残すという仕事もあります。そのためにも、事業計画を立てたら、その通りに進んでいるかをチェックする役目も果たします。営業利益率の改善ですね。例えば昨年は、これは人事を担当していた時ですが、全社的に超過労働が大きな問題となっていましたので、これを減らすことで労務環境を改善し、同時にコスト削減のお手伝いをさせて頂きました。

お陰様で、人事部を担当していた昨年度中に、超過労働対象者を50%以上削減できました。このように、攻めるだけの営業戦略だけでなく、足元の利益を確保するための改善策も計画を立てますし、利益を守るために様々なコスト削減の検証もするといった、攻守二本柱で仕事を進めています」

収益化を図るため、今後も各セクションとコミュニケーションを密に取りながら一緒に進めていきたいと言う佐々木。経営戦略という新たなやりがいの中で、佐々木は土屋のこれからについて、政治力も必要だと語ります。

佐々木 「介護の世界では2025年問題、8050問題と、危機が差し迫っています。しかし、政治的な力がないと、現状を打破するのは相当困難です。こんな時に処遇改善、賃金改定のお話以外に、国会で、より具体的な、障害福祉に関する踏み込んだ議論が全くと言っていいほど表に出て来ない。聞こえてこないのが実情です。

理由の一つには、これは推察ですが、介護業界全体にまとまりがなく、政治的な票田に結び付いていないからではないかと思うのです。

今はまだ、ばらばらの福祉業界ですが、もしここで、土屋が業界団体を1つにまとめていくことができ、政治的影響力も生まれたらと考えます。障害福祉をより社会に広めていくには、どのような手立てが必要なのか。それを探っていくのも我々の使命だと思っています」

最後に、佐々木に介護業界へ飛び込もうという人へのメッセージを聞いてみました。

佐々木 「少しでも興味をお持ちならば、まずは飛び込んでいただきたいです。若い会社の創業期、成長期をともに立ち上げていくやりがいがあります。

常に『小さな声』を探すのが使命ですので、命に対峙した使命感と、経営のバランス感覚が求められますし、企業としての社会的責任もあります。

はじめは知識がなくても、こうした目的意識さえあれば、ありとあらゆることが学べる会社です。様々な機会において、自分を見つめ直せることも多いと思うので、そう考えて飛び込んで来てくれるとありがたいですね」

景気という正体不明の数字の増減の世界から、誰かの命に伴走する介護の世界にたどり着いた佐々木の、一見穏やかな語り口の奥には、冷静に燃えるやさしさのようなものを感じます。

世の中や、自分の周りの人々の心の動きを見つめて、何を動かしていけばよい方向に導けるのか。数字のようには答えが出にくいものですが、取り組み始めたこと、それを以てすでに、0ではありません。あなたもこの日本社会が抱える難問に、一緒に取り組んでみませんか?