認知症の介護は、クライアント本人だけでなく家族も地域社会から孤立しがちになる傾向にあります。
認知機能の低下が進行するにつれてますます目が離せなくなってくるクライアントを在宅で介護していると、気晴らしのお出かけや、働きにでることも難しくなってくるからです。
介護保険サービスを利用していても辛いと感じてしまう認知症の介護や、認知症の介護についての知識を得たいと思った時には、介護について書かれた本を読んでリフレッシュする方法がおすすめです。
今回は認知症の介護に悩んだ方におすすめしたい、認知症について書かれた本を読むメリットについてご紹介していきます。
進行する認知症の症状
認知症は脳の神経細胞に異変が起こることで、認知機能が低下して日常生活に影響がでる症状です。
特に65歳以上の高齢者に出現しやすい症状で、日本ではアルツハイマー型の認知症を発症するクライアントが多い傾向にあります。
認知症を発症しているクライアントは、自身の認知機能が低下していることでもの忘れをしていることや、判断力が鈍っているという状況を理解することができません。
そのため家族との会話がかみ合わなくなったり、せん妄や徘徊などの症状も加わったりすると、常時目を離すことが出来なくなってしまい、介護を担当するご家族が心身ともに疲弊してしまう傾向にあります。
また外出もままならないことから「認知症に対する知識を学びに行くことが難しい」「なかなか気分転換ができない」という声も多く聞かれます。
認知症の介護に悩んだら、本を読んでみるのがおすすめ!
認知症の家族を介護している中で悩んでしまった時や、リフレッシュをしたいと思った時に、ぜひ手に取ってほしいのが「認知症の介護について書かれた本」です。
認知症のクライアント数が増えつつあり、また認知症が広く社会に認識されつつある現在では、たくさんの認知症介護にまつわる本が出版されています。
具体的に認知症の介護に関係する本を読むと、どのようなメリットがあるのでしょうか?
認知症介護に関係する本がおすすめな理由①正しい知識を学ぶことができる
特に認知症の介護について書かれた本の中でも、医師が監修した本や、研究者によって執筆された本は、最新の研究に基づく認知症の正しい知識を多く学ぶことができます。
認知症に関しては症状を根本的に改善する治療薬などは見つかっておらず、服用薬で症状の進行を送らせながら、うまく付き合って介護をしていかなくてはなりません。
そのため認知症について書かれた本をしっかりと読むことによって、改めて最新の正しい知識を学ぶことができたり、毎日の介護に自信をもって取り組むことができるようになります。
認知症介護に関係する本がおすすめな理由②自分の介護を振り返ることができる
認知症の介護では「相手の言うことを否定しない」「優しく穏やかに接する」「クライアント本人のペースに合わせる」といった対応が推奨されています。
しかしながら来る日も来る日も認知症の家族と向き合っていると、なかなか余裕を持って接することが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
あらためて認知症介護に関する本を読むと、穏やかな介護がもたらすポジティブな効果や、良好な家族関係が認知症にもたらす影響などを、客観的に理解することができるようになります。
「認知症の介護がもう限界」「認知症の介護とこれ以上向き合えない」と悩んでしまう前に、一度認知症介護について本を読み、俯瞰的に状況を整理してみることをおすすめいたします。
認知症介護に関係する本がおすすめな理由③孤独感を解消できる
認知症の介護に関係する本の中でも特に人気が高まっているのが、実際に認知症の介護を経験した方によるエッセイ本やエッセイ漫画です。
今まさにあなたが悩んでいる認知症との向き合い方や、どのように利用する介護サービスを決めたのか、介護施設に入所してもらうことに罪悪感はなかったかなど、実際に認知症の介護を経験した方の実話を学ぶことができ、参考になると評判です。
もちろん認知症の介護における状況は十人十色ですが、「悩んでいるのは私だけじゃなかったんだ」「みんな頑張って認知症と向き合っているんだ」と、これまでの孤独感が解消され、自信につなげることができます。
認知症介護に関係する本がおすすめな理由④気分転換になる
先にご紹介した通り、認知症の介護は24時間365日体制で向き合っていると、なかなか外出やリフレッシュができないというご家族は非常に多いです。
介護サービスを利用して積極的にプロに介護をお任せする時間ももちろん大切ですが、ちょっとしたスキマ時間のリフレッシュとしても読書はおすすめです。
特に家族で力を合わせて認知症の介護に向き合っている場合は、家族で同じ書籍を読んで感想や気づきを共有するだけでも、とてもいい気分転換になること間違いなしです。
認知症の介護に向き合うなら、正しい知識や先輩の経験を本から学ぶことがおすすめ!
高齢者の6人に1人以上が認知症であると推計されている現在の日本において、認知症は誰もが避けて通ることのできない社会課題の一つです。
大切な家族や知り合いが認知症であると診断されたとき、重要になってくるのは認知症に対する正しい知識と、心身の余裕です。
認知症が広く知られるようになったことで、今では沢山の認知症に関する本が図書館や本屋に並んでいます。
認知症の正しい知識や介護保険制度について介護のスキマ時間に本で学ぶことができるのはもちろんのこと、実際に認知症の介護を経験した方によるエッセイ本などを読んで「わかる、わかる!」と感じることも介護の気分転換に最適です。
認知症の介護は先が見通せず、進行する症状に向き合うことが辛いと感じるご家族もとても多いです。
家族だけで認知症介護の問題を抱え込むのではなく、周囲の介護保険サービスを積極的に利用したり、認知症や介護について書かれた本を読むなどして、ポジティブな気持ちで向き合っていきましょう。