増加を続ける在宅介護の希望者。日本が在宅医療・在宅介護を推奨する理由とは。

現在の日本では超高齢化が進行し、人口における高齢者(65歳以上)の割合は2019年の時点で28.4%、3,589万人に達しています。

日本では65歳以上に達すると介護保険制度を活用することができますので、現在の人口比率において、約3.6人に1人は高齢を理由に介護サービスを利用する可能性がある状態といえます。

一方で人口における15歳~64歳の生産年齢に該当する人々の割合は59.5%、7,507万人となっています。

2.1人で1人の高齢者を支える時代に突入しており、特に介護のあり方については大きな変革期にきているといえます。

このような状況下で推進されているのが、在宅医療・在宅介護の考え方です。

日本が推奨する在宅医療・在宅介護は、どのような背景で増加を続けているのでしょうか。

【参照】高齢化の現状と将来像(内閣府)

目次

終末期の療養場所に対する考えとその理由

長寿傾向に伴い、私たちにとって老後の人生や終末期の過ごし方は誰もが向き合う必要のある問題の一つです。

厚生労働省の資料において1998年と2008年の意識調査を比較すると、終末期において療養場所として自宅を希望している方の数は増加傾向にあることが分かります。

終末期の療養場所として増加傾向にある希望は、以下の通りです。

  • 自宅で療養して、必要になれば医療機関に入院したい
  • 自宅で療養して、必要になれば緩和ケア病棟に入院したい
  • 自宅で最期まで療養したい

住み慣れた自宅に対して安心感を抱く方や、自分らしく最期を迎えたいという希望をもつ方はとても多く、なるべく施設や医療機関ではなく自宅で過ごしたいという考えが日本においては主流であることがうかがい知れます。

また高齢者の健康に関する2009年の意識調査では、療養場所として自宅を希望する方は41.7%です。

理由としては多くの方にとって自宅という環境が拠り所であるということ、家族に囲まれて自分らしく最期を迎えたいという考えをもつ方が多いということが挙げられます。

【参照】在宅医療・介護の推進について(厚生労働省)

日本が目指す在宅医療・在宅介護のあり方

多くの方が可能な限り自宅での療養生活を続けたいと希望している理由を受けて、介護保険制度では住み慣れた地域や自宅での生活を継続することができる介護サービスの拡充を急いでいます。

特に現在、在宅医療と在宅介護の拡充という観点から柱になっているのが「地域包括ケアシステム」という、地域のなかで住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体となって介護サービスを提供する仕組みです。

この地域包括ケアシステムの充実によって、要介護度の進行や終末期への移行に関わらず、自宅で自分らしい生活を継続することが可能となります。

地域包括ケアシステムが目指す在宅介護

地域包括ケアシステムでは、「自宅での自立した生活を継続したい」「最期まで家族と一緒に自分らしく暮したい」という理由から在宅介護を希望するクライアントに対して、特に介護と医療が一体となって制度を主導しています。

特に高齢化の進行や課題については地域ごとに違いが大きいので、保険者である市区町村や都道府県が、地域の自主性や主体性を尊重しながら、独自の地域包括ケアシステムを構築していくことを目指しています。

地域包括ケアシステムを支える在宅系サービス

在宅での介護生活をサポートする体制として、従来の介護保険制度以上に重要になってくるのが、在宅系のサービスの拡充です。

クライアントが自宅で介護生活を送るなかで生じる困りごとをサポートし、家族の負担を極力減らすことを考えると、アテンダントがクライアントの自宅を訪問してより的確な介護サービスを提供することは、在宅介護の増加に欠かせません。

そういった理由から、地域包括ケアシステムでは以下の代表例のような在宅系サービスを制度の柱としています。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、24時間365日の介護サービスを、月額固定制で利用することができるサービスです。

深夜や早朝、また休日であってもクライアントに必要な身体介護や生活援助を提供することが可能で、利用回数や頻度による加算がないことを理由に、在宅介護を希望しているクライアントからの需要が非常に高くなっています。

さらに訪問時以外に容態の急変やケガといった異常が生じた場合には、専用機器を介していつでもアテンダントに連絡をとることが可能です。

在宅介護で暮すクライアントにとっては命綱ともいえるサービスとなっており、今後も地域包括ケアシステムの中心的な役割を担っていくことが期待されています。

訪問看護

訪問看護は、医師の指導に基づいた療養上の世話を、看護師などがクライアントの自宅を訪問して提供するサービスです。

介護を必要とするクライアントのなかでも特に入院から自宅に戻ってきたばかりの方や、糖尿病などを理由に注射や点滴を必要としている方、また認知症などを理由に栄養状態に不安の残る方など、介護と同時に医療の助けを必要としているクライアントは非常に多くなっています。

さらに自宅で最期を迎えたいと希望するクライアントにとっても、医師の指示に基づいた看取りの対応をお願いすることができる訪問看護は、心強い存在です。

そのため訪問看護は療養が必要なクライアントを支え、医療と介護の架け橋として地域包括ケアシステムのなかでも非常に重要な役割を持っています。

自分らしく過ごしたいとの理由から、在宅介護の希望は増加中。地域全体でクライアントを支える社会の構築を

在宅介護を希望する方の理由と、今の日本が目指す在宅医療・在宅介護の形についてご紹介いたしました。

日本では在宅介護を希望している方が約半数となっており、要介護と認定されたり終末期を迎えたりしても、自分らしく自宅で暮したいというクライアントの意思を尊重した社会を構築していく必要があります。

そのため今後も地域包括ケアシステムを介護保険制度の柱として、クライアントにとって本当に必要な在宅系サービスをより一層拡充させていくべきだと考えられます。

土屋グループでは「全ての人の意思が尊重される社会の実現を」という考えから、定期巡回・随時対応型訪問介護看護や訪問介護の事業所を日本全国で展開中です。

この記事を読んで在宅介護を支えるアテンダントとしての働き方に興味を抱いた方は、お気軽に株式会社土屋グループまでお問い合わせください。

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この記事を書いた人

介護業界で働かれる方や、介護サービスを利用されている方、これから利用を考えている方などへ向けて、介護保険、障害福祉サービス、社会的背景などの制度情報や役に立つ情報を定期的に発信しています。

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