―利用者として働かれていた時と、今、フルタイムのスタッフになって、変わってきた部分はありますか?
森本 確かに責任が増えましたけど、気持ちは昔より楽にはなりましたかね。いや、「やっと職につけたな」って。
―それまでは不安もあったんでしょうか。
森本 やっぱりずっとB型(就労)が続いていた状態やったんで、いつ就職できるかなって不安がずっと続いてたんです。それがまあ、こうしてなくなったわけなんで。結構気が楽になりましたね。
―仕事の中では、どんな時に「嬉しいな」と感じられていますか?
森本 自分が利用者さんに仕事を教えて一人で出来るようになってもらえた時はうれしいですね。
―フルタイムのスタッフになられて、周りの友人や、利用者さん、スタッフからはどんな言葉をもらいました?
森本 皆さん「よかったね、おめでとう」ってすごい祝ってくれましたね。
―「これまでこういうところを大事に仕事をしてきた」、「こんなところを大事にしながら、野菜や人と関わっていきたい」というところがあったら教えてください。
森本 今まではあまりなかったんですけど。フルタイムになったわけですから、いろいろみんなに教えていく立場になったので、いろんな人らに合わせながら教えれたらなぁ、と。
―今、「こういうことができたらいいな」と考えられていることはありますか。
森本 まあ、今はまだパートなんですけど、ちゃんと段階踏んで、正社員になれたらな、と。それにはまずは免許を取って。
―配達ができますもんね。
森本 そうですね。
―仕事でのこれからの目標や、「こんな存在でありたいな」というものがあったら教えてください。
森本 山田さんみたいな農場長になれたらなって思います。
―ずっと一緒に仕事をされてきたんですもんね。
森本 はい。
―そんな山田さんに、お聞きします。森本さんが利用者から支援者になって、周りの方たちにはどんな影響がありましたか。
山田 もう目に見えてわかるのは、より一層、利用者の皆さんが頼るようになりましたね、「潤さん、潤さん」って。もちろん、今まででも利用者の中でのリーダー的な存在だったんですが。
ただ、支援員になったことで「もっと潤さんに甘えていいんだ」というような頼り方と言いますか(笑)、さらに人気者と言いますかーーお昼休みも「バドミントンしてくれ」とか、散歩に行く時は「一緒にいってくれ」と、潤さんばっかりモテてますね。そこが潤さんと利用者の方たちの関係で目に見えて変わったところです。
先ほども長所として言いましたけども、どんな状況でも、潤さんは誠実な支援をしますので。
一方で、僕の存在というのは農場長でもあり、管理者でもあるので、利用者さんから遠慮されることもあるんです。でも潤さんの存在は利用者さんにとっても、もう少し近くて、話しかけやすい存在だと思うんですよね。そうなると利用者の方は「山田さんは忙しそうだけど、潤さんがいるやん」なんて、みんな潤さんにいきますので、もう僕の出る幕はなくなった、と。はい、完全に奪われてしまいました(笑)。
―(笑)。森本さん、これから忙しくなっちゃいますね。ますます。
森本 はい。
山田 いつも潤さんの周りには人が3人ぐらいいますからね。
森本 そうっすね。
―森本さんにとっては、あぐり工房土屋スタッフはどんな存在だったんでしょうか?
森本 とにかく優しかったなと思いますね。もうずっとずっと接してくれたんで。それで、心開けてここまでこられたんで。
―今、毎日関わられている利用者の方へ、森本さんから何かお伝えしたいことやメッセージがあったら教えてください。
森本 続けてくことが大事かなって。自分もこうやってずっとずっと、続けていた結果、こうなれましたので。だからもう、みんなも諦めず、ずっとやり続けてくれたらな、って思います。