-これまでのお話を少し伺えればと思います。子ども時代はどんなお子さんだったんでしょう。
小さい時は、動きは活発ですけど、おとなしい感じの子でした。
近所に男の子しかいなかったので、一緒になって外でいろいろちょっと危険な遊びもしていましたけど、基本的にはあんまり自己主張しないようなタイプだったと思います。
小学校はすごく人数が多い学校だったので、逆にもう近所の子しか遊ぶ子はいないみたいな感じで。
小学校に入ってからも、やっぱり女の子の友達は全然いなかったです。
-活発に外遊びをしてたんですね。
そうですね。
私の子どもの頃は、今みたいにゲーム機とかもなくて、遊ぶものが少なかったので、室内遊びをやってる子は少なかったんですよ。
とりあえずみんな外に出て、集まって遊ぶ、たぶんそんな感じでした。
凧揚げが好きだったのは記憶に残っていますね。
-生まれも育ちも徳島で、現在もお住まいのエリアとのことですが、地元のお気に入りは何かありますか。
うーん。ないんですよ(笑)。
自分では「何もないところだなー」って長年思ってきているので、難しいんですが、唯一、阿波踊りはやっぱり盛り上がりますね。
ちょうど終わったくらいの時期ですけど。徳島で何かって言われたら、阿波踊りですね。
-たしかに阿波踊りは大きいお祭りですよね。ご自身も見に行ったり、踊ったりしますか。
4日間開催されますが、昔は毎年皆勤賞でした。
その頃は踊っていたわけではなく友達とワイワイ楽しんでました。
子どもが小さい時には連(れん)に入って、一緒に踊っていた時期も少しだけありました。
でもちょうど同じ時期にサッカーを始めたので、両立は難しくてサッカーに絞りました。
阿波踊りは、練習も結構あるんですよね、週3回とか。
-年間通してですか。
そうです。年間通して、週3回練習。どこの連も多分そのぐらいだと思います。
-それはすごいですね。地元の本気度が伝わってきます。
なので、地元の風景といえば、夕方とか夜になると、橋の下とかちょっとした広場から、賑やかに太鼓の音が聞こえてきたりする風景。
もはやそれは本当に好きな人たちが個人的に練習してるのかもしれないんですけれど、太鼓の音って徳島ではけっこう日常的に聞くことがありますね。
-なるほど。それはおもしろい風景ですね、初めて知りました。では、これまでを振り返ってみて、ご自身を大きく変えたな、と思う出来事はどんなことでしたか。影響を受けた出会いはあったでしょうか。
私自身のことで、若い時の何か特別な出来事はちょっと思いつかないんですが、子育てのなかで刺激を受けたことはいろいろあったな、と思いますね。
娘が2人いるんですが、上が小6で、下が小3の時にサッカーを始めてから、日常がものすごく忙しくなったんです。
女子も入れる少年団チームで、練習の送迎だったりとか、試合の付き添いだったりとかがあって。
私は子どもと一緒にチームの活動にけっこう関わってきた方だと思います。
チームの指導者が私の地元の同級生だったので、気持ち的にも距離感が近い感じで、しょっちゅうみんなで集まったりもしていました。
子どもたちも、サッカーを始めたあたりからすごく成長し出したし、私もチームの活動があったから、人間関係が広がっていろんな経験をしてこれたかな。
だから、私が影響を受けた人は、サッカーで出会った人たちだと思いますね。
-女子サッカーなんですね。
そうなんです。
小学校は少年団チームで、中学高校はクラブチームで続けていて。
今現在、上の子が23歳、下の子がもうすぐ21歳になりますが、今もフットサルを続けているので、けっこう長いこと関わってきましたね。
私もずっとその世界にいます。
-それはすごいですね。思い出に残ってるエピソードはありますか。
今となっては、子どもたちに対して「あの頃ちょっと追い込みすぎちゃったかな」と思うこともあります。
親も一緒にのめり込むので、「もうちょっとこうしたらいいやん」みたいなことをつい言ってしまう。
本人は本人で考えてやっているので、今思えば言わなきゃよかったと思うんですけど。
そういう経験もすごく勉強になりました。
私自身のターニングポイントではないですが、サッカーを通じて子どもが大きく変わる瞬間に立ち会った記憶があって、それは強く心に残っています。
下の子が中学2年の時に新たに加わった指導者の方との出会いですね。
海外でずっと活躍されていた選手の方が怪我で辞めて国内に戻ってきていて、たまたま子どもたちのチームに指導者として関わってくれるようになったんです。
その当時の下の子は、サッカーは続けてはいたものの「遊びのほうが楽しい」という時期で、いつも練習時間ギリギリまで遊んでいて帰ってこないから、送迎するこっちがハラハラするくらいでした。
でも、その指導者との出会いで180度変わったんですよ。
すごく人格的にも素晴らしい方だったんですね。
もう、うちの子どもはその方の全てをリスペクトする、という感じで。
そこからは、1人で砂浜に行って、黙々と走り込みとかをして、帰ってきてご飯を食べて、また練習に…という「自主練の鬼」になりました。
あまりの変わりようだったので、逆に「遊ぶ時間も作らんと友達おらんくなるよ」って、そんな心配が出てくるぐらいでした。
-そんな真剣な気持ちにさせてくれる出会いだったんですね。
そうなんです。この指導者の方はすごい方でした。
私自身もその方から大いに影響を受けたと思います。
うちにご飯を食べに来てもらったり、親しくさせてもらいました。
そのすごさというのは、まず、自分の成功も失敗も、経験として包み隠さず話してくれること、いつでも同じ目線に立って対話をしてくれることでした。
私にも子どもにもです。そして、誰よりも努力すること。
本当にめちゃくちゃストイックで、山に走りに行ったり、自分を追い込むようなトレーニングを日々されているんです。
だからこそ、子どもも私もその方の言葉を素直に受け取ることができたんだな、と感じます。影響を受けた出会いというと、その方が思い浮かびますね。