認知症で介護認定を受けるメリットとは?

ご家族が認知症と診断されたとき、介護認定を受けるよう勧められます。

しかし「介護認定を受けるメリットはなに?」と疑問に思うのではないでしょうか。

この記事では、介護認定を受けるメリットと利用できるサービスについて紹介します。

これから介護認定を受ける方の参考になる内容となっていますので、ぜひ読み進めてください。

目次

介護認定は認知症の方と家族にメリットがある

介護認定は認知症のご本人とご家族、双方にメリットがあります。

介護認定を受けることでご本人は介護保険サービスの利用ができます。サービス内容は着替えや入浴などの生活支援や体調確認、必要時は医療処置も可能です。

加えて杖や歩行器などの福祉用具が利用できたり、手すりやスロープ設置など住宅改修にかかる費用の支援が受けられたりします。

専門のスタッフから適切なサービスを受け、必要な環境を整えることで、認知症の方がより良い生活を送れます。

またご家族は、ご本人が介護保険サービスを受けている間に、心身の休息や自分の時間を確保することが可能です。

また専門のスタッフに介護に関する悩みごとなど、相談にのってもらえます。

介護保険サービスは所得によって1〜3割の自己負担で利用できます。

次の項目では、介護認定を受けた後に利用できる介護保険サービスを紹介します。

介護認定のメリット①居宅サービスを利用できる

居宅サービスは認知症の方が自宅で過ごしながら介護を受けたり、日中事業所に通ったりできるサービスです。

居宅サービスは主に以下の3つがあります。

  • 自宅へ職員が訪問する訪問サービス
  • 事業所へ通う通所サービス
  • 短期間入所できる施設サービス

各サービスを詳しく紹介します。

訪問サービス

訪問サービスは主に訪問介護、訪問看護、訪問入浴の3つがあります。

訪問介護

訪問介護は介護スタッフが訪問し、入浴介助や身体拭きの清潔ケア、食事介助などを行います。

認知症の方が1人暮らし、あるいは同居家族が家事ができない場合は、調理や掃除、洗濯などの家事も可能です。

訪問看護

訪問看護は看護師が訪問し、体調管理や医療処置、清潔ケアなどを行います。

リハビリが必要な場合は、リハビリ専門の理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が訪問するケースがあります。

訪問入浴

訪問入浴は浴槽とポンプを室内に運び、入浴介助をするサービスです。

ご本人が自宅のお風呂に入れない場合に利用できます。

通所サービス

通所サービスは認知症の方が日中事業所に通って支援を受けられるサービスです。

認知症対応型通所介護、デイサービス、デイケアの3つがあります。

認知症対応型通所介護

認知症対応型通所介護は認知症の方に限定した通所サービスで、体調確認や昼食、入浴介助などを行います。

利用定員が少なく設定されているため、職員が早く対応できることが特徴です。

デイサービス(通所介護)

デイサービスは体調確認や昼食、入浴介助などを行います。

生活機能が向上するための訓練やレクリエーションも取り入れています。

デイケア(通所リハビリ)

デイケアはリハビリを目的とした事業所で、昼食や入浴の支援も行っています。

医師の指示に基づき、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士によるリハビリが受けられます。

施設サービス

施設サービスには、短期間入所できるショートステイがあります。

ショートステイ(短期入所生活介護)

介護老人福祉施設などが常に介護を必要とする方の短期入所を受け入れ、日常生活の支援や機能訓練をするサービスです。

ご本人の孤立感の解消や心身の回復、ご家族の予定がある時や介護疲れの軽減目的で利用できます。

介護認定のメリット②施設サービスを利用できる

介護認定は長期間入所できる施設サービスを利用できるメリットがあります。

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

介護老人保健施設は常に介護が必要な方(要介護3以上)が入所し、日常生活の支援や介護、機能訓練を受けられます。

施設によっては看取りまで対応しています。

介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設は在宅復帰を目指している方(要介護1以上)が入所できる施設です。

日常生活の支援や介護、リハビリ、必要な医療を受けられます。

介護認定のメリット③地域密着型介護サービスを利用できる

地域密着型介護サービスとは、市区町村が指定している事業者が提供しているサービスで、住み慣れた地域で過ごせるように支援するサービスです。

地域密着型でない施設との違いは、施設がある地域の住民が利用できること、定員が多くないことです。

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

グループホームは認知症の方(要支援2以上)を対象とした専門的ケアが提供できるサービスです。

5〜9人の少人数の認知症の方が入居でき、介護職員と共同生活をおくります。

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(地域密着型特別養護老人ホーム)

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、介護老人福祉施設が要介護1以上の方を対象に日常生活の支援や介護、機能訓練を提供します。

入所できる定員は29人以下です。

地域密着型特定施設入居者生活介護

地域密着型特定施設入居者生活介護は、有料老人ホームや軽費老人ホームなどが要介護1以上の方を対象に日常生活の支援や介護、機能訓練を提供します。

入所できる定員は29人以下です。

介護認定のメリット④福祉用具がレンタル・購入費用の支援が受けられる

介護認定を受けると必要な福祉用具がレンタルでき、レンタルに向いていない福祉用具(排泄や入浴に用いるもの)を購入する際の支援が受けられるメリットがあります。

レンタルは1割〜3割の自己負担でレンタルできます。

購入は支給限度額10万円以内で購入でき、自己負担は購入額の1~3割のみです。

例えば10万円の福祉用具を購入した場合、自己負担1割だと9万円の支援が受けられます。

【レンタルできる福祉用具】
  • 電動ベッド
  • 手すり
  • スロープ
  • 歩行器(シルバーカー)
  • 車いす など

介護認定のメリット⑤住宅改修の費用支援が受けられる

介護認定は住宅改修の費用支援が受けられるメリットもあります。

認知症の方の身体の状態によって、手すりやスロープなどバリアフリーのリフォームが必要になる場合があります。

住宅改修の支給限度上限額は20万円です。

例えば住宅改修で20万円かかった場合、自己負担額1割だと18万円の支援が受けられます。

認知症が介護認定を受けるメリットはたくさんある

認知症の方が介護認定を受けると、介護保険サービスを利用できるようになるので、ご本人と家族の双方にメリットがあります。

サービスを受けることでご本人らしく過ごすことができ、ご家族の介護負担が軽減します。

介護保険サービスの種類はたくさんあるので、記事で紹介した内容を参考に検討しましょう。

また介護認定を受けるには市区町村の窓口へ申請が必要です。

お住まいの地域包括センターが最初の介護の相談窓口となっており、介護認定申請のサポートも受けられるので、まずは相談してみましょう。

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この記事を書いた人

介護業界で働かれる方や、介護サービスを利用されている方、これから利用を考えている方などへ向けて、介護保険、障害福祉サービス、社会的背景などの制度情報や役に立つ情報を定期的に発信しています。

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