『男性社員育休プロジェクト』介護事業部 九州ブロックマネージャー 前波優さん

男性社員育休プロジェクト Vol.2  九州ブロックマネージャー前波優さん 「娘の成長の“第一発見者”になれる喜び」

今まで仕事を休んだことがほとんどなかった前波さん。
育休を取ったことでみえた「娘の成長」や、ご家族の「思い」。

そして育休を終えてからも続いている「家族の新しい形」などについてお話いただきました。

土屋の育休プロジェクトとは?

「ワークライフバランスの実現は、社会と個人の幸せにつながる」との思いのもと、2023年から始まったプロジェクト。

  • 社内外への宣言
  • 対象者は、男女共に育休を1か月以上取得
  • 社員への情報発信-を柱に取り組みます。

育休中は、現状国から給与の7割程度しか給付されません。

収入面は、特に男性社員が育休を取るうえでハードルになっているのではないかと考え、土屋は育休1か月目の給与を100%補償する制度をスタートさせました。

今回は1か月間育休を取得した、九州ブロックマネージャーの前波優さんにお話を聞いていきます。

前波優さん プロフィール

42歳。ホテルマン、病院の看護助手、養護老人ホームの介護士、救護施設、清掃業などを経て、2018年に土屋に入社。

佐賀で重度訪問介護の現場に従事し、21年2月に長崎・佐賀のエリアマネージャーに就任。22年11月から現職。

介護業界で勤務する同い年の妻、1歳の娘、義理の両親と同居。
22年3月1~31日に育休を取得し、妻は同4月から職場復帰した。趣味はNBA観戦とドライブ。

妻が職場復帰する前の、夫婦の「準備期間」

―育休中の1日の過ごし方はどうでしたか。

とにかく子どもと一緒にいる時間を増やそうと心掛けました。午前7時前後に起きて、娘が起きたらミルクをあげ、ご飯をあげ、着替え、おむつチェンジ、鳥の巣になっている髪の毛を直すのを手伝う、という流れです。

娘が生まれて1年ちょっとは仕事に集中させてもらっていたので、育休期間が始まった当初は「何をすれば良いんだろう」というところからでした。そもそも「手伝う」という感覚が間違っているのかもしれませんが、最初はそんな感じでした。

途中からは半ば意地になり、病院、買い物、保育園の手続き、全部についていこう、と思って。今は、そこにいるのが当たり前になれたと思います。また、いかに妻が休むタイミングが少ないかを実感し、「自分が少しでも代わりになれれば」と思いました。

―家事や育児の分担について、夫婦間で話し合いましたか。

特に話し合いの時間は設けていません。

妻は料理や家事が得意で、義理の母とも同居しているので、私が下手に手を出すとむしろ良くないんじゃないか、という気持ちもありまして。

私が担当しているのは家計のやり繰りぐらいで、何をやっているんだ、という感じですが…(笑)でも、おむつやミルクがそろそろ無くなるな、というタイミングで、率先して買い物へ行くようにはしていました。自分自身も楽しくて。

また、娘は夜、2~3時間おきに起きてしまうのですが、その対応は妻がやってくれています。その分、自分は朝の対応を担当しました。娘とお散歩へ行くことで、妻の睡眠時間を確保していました。

もともと夫婦間の会話は多いほうだと思いますが、育休を取って、妻から「ありがとう」と言ってもらえる回数が少し増えました。

今も自然と保育園の送り迎えなどをできています。妻が職場復帰する前に育休を取ったことで、良い準備期間になりました。

育休中だからできた、娘との初体験

―直属の部下3人のうち、育休中は筆頭格の奥永さん(福岡・大分のエリアマネージャー)が前波さんの業務を担当しました。業務の引継ぎは、スムーズにいきましたか。

3月1日から育休を取るにあたって、2月中旬から引継ぎを始めました。

奥永さんとはこまめにコミュニケーションが取れていましたし、もう一人の方にも一部業務を割り振るなどして、スムーズにいったと思います。

連絡系統もしっかりできていました。奥永さんからは週に2~3回、イレギュラー対応の相談や業務報告の連絡がきました。

―復帰後の周囲の反応は。

今まで仕事を休んだことがほとんどなかったので、「おかえりなさい」と迎えられて、照れ臭いような、くすぐったいような感じがしました。

仕事モードに戻るまでは1週間ほどかかりましたが、ルーティンをひと通り終えてからは、ほぼ元通りでした。周囲の態度が冷たい、といったことは全くなかったですね。

―育休取得前と取得後で、働き方や生活に変化はありましたか。

保育園の送り迎えが自然と自分のスケジュールに入ってきましたし、「今日はお迎えお願いね」といった夫婦間のコミュニケーションが増えました。また、子どもの変化に気づくことが増えましたね。

今までは「初めてつかまり立ちしたよ」「今日しゃべったよ」といった話を、家族に教えてもらっていました。

子どもと接する時間が増えたことで、「保育園で低い階段を登っていたよ」など、今度は自分が家族に伝える側になれたんです。子どもが近づいてくることも増えて、とても嬉しいですね。

―今回の育休プロジェクトの説明を聞くまで、育休を申請していませんでしたね。

育休を取るという発想が頭になく、検討すらしていませんでした。育休を取りたいと言う男性には「取らんばだめよ」と言っていたのに、自分が取る、という考えがなかったんです。

妻が産休・育休を取り、不具合なく生活が回っている、と思っていました。

実際に取得してみて一番よかったのは、さまざまな初体験を一緒にできたことです。初めての家族旅行をしてみたり、初めて子どもとドラッグストアーへ行ってみたり。

買い物をしてみて、子どもを抱っこしているときは小銭を財布から出すのすら煩わしい、という気づきがありました。

そんな時に店員さんが「袋に詰めましょうか」と声をかけてくれて、人に支えられているんだなあ、と実感しました。

同僚からのひとこと―福岡・大分エリアマネージャー 奥永孔太郎さん

仕事の引継ぎが丁寧で助かりました。前波さんは普段から細かく情報共有をしてくれいたので、不安はありませんでしたね。自分で対処できない問題については、育休中も相談させていただきました。

仕事を引き継いで、前波さんは見えないところでもさまざまな問題に対応していたのだな、と実感しました。

尊敬の念が増しましたし、復帰されたときの安心感は大きかったです。職場の結束は、むしろ深まった気がします。

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