
小さな声・多様性を探し求めて/門野 法子(訪問看護ナーシングプラス土屋すまいる鹿児島)
クライアント、スタッフの小さな声に耳を傾け、一人ひとりの違いや多様な価値観を尊重している姿勢がとても印象的でした。
言葉では簡単ですが、「小さな声」「多様性」を重視することはとても難しいと思います。
時に私たち、看護師・介護士は小さな声にもならない声、心の声を拾い上げないといけない時があります。思いと裏腹に強がってみせる声。
不安からつい強い口調になって本音を隠してしまう声。そこを上手く拾い上げることによって、残された人生が充実したものになるのではないかと思います。
この本を読んだ時に、私はNさんのことを思い出しました。
去年の夏に腹部大動脈瘤切迫破裂となった90代のNさん。
最期を自宅で過ごしたいとの希望で自宅に退院してこられました。自宅では自力体交も難しく寝たきりの状態。
Nさんの小さな希望は【大好きな風呂に入り、大好きなビールを飲みたい】
このささやかな願いを叶える為、家族・訪看・主治医・ケアマネとで検討しました。
何度も何度も計画を練っては、繰り返す誤嚥性肺炎による高熱でとん挫。
体力も落ち、腹部大動脈瘤の状態もいよいよ厳しくなってきました。
点滴などの医療処置の合間、熱が下がり、血圧が安定したタイミングで訪問入浴が介入。
家族やナース、ケアマネが見守る中での入浴。お風呂の中では笑顔でピースサイン。
そして風呂上がりのビール。終始穏やかな時間でした。
クライアント一人ひとりの思いを大切に、それぞれに合った支援を行う多様性の大事さを感じることができました。
Nさんは入浴した日から3日後に旅立たれました。
入浴せずに過ごしたら、あと数日は生きることができたかもしれません。
ただ、入浴後のNさんの嬉しそうな顔、ご家族の希望を叶えられたという安堵した顔を見て、正しい選択だったと実感しています。
亡くなる前日に、年老いた妻に「今までありがとう」と言葉を残されたそうです。
その温かい小さな声に奥様がどれほど癒されたかと思うことでした。
私たちの事業所は訪問看護部門所属です。
新川さんのヒストリーにも触れてみたいと思います。
私たちの事業所がM&Aになってすぐは、意見が合わないことも多く、随分と新川さんを悩ませたのではないかと思います。
目指しているゴールは同じでも、そこへ至る方法や考え方には違いはあります。
意見が合わなくても、根底の「より良くしたい」という思いは共通していたと思っています。
新川さんが書かれていた「スイミー」のお話。
多分、異色の経歴の幹部の方たちの中に、看護一筋の新川さんは、たくさんの赤い魚の群れの中にいる、たった一匹の黒い魚、スイミーの気分だったのでしょう。
でも、スイミーのお話はまだ続きがあります。
スイミーの声掛けの元、赤い魚の群れが集まり大きな魚の形を作ります。
目の役割のスイミーが皆を引っ張り、敵の大きな魚を追っ払うというお話です。
新川さんが書かれているように、訪看全体が大きなチームとなり、スイミーを中心に動き出している実感があります。
色々な意見をまとめ、方法を考え、最終的には大きな形となっていけたらなと思っています。
代表の仰る、会社の世代交代の際に受け継がれる根幹の部分。
そこを忘れず、大切にしながら時代に応じた多様性を盛り込んだ土屋の成長を祈念致します。
今回の賞金付きの読書感想文。
初めは「え⁉」と意表を着いた企画で驚きましたが、多様で遊び心のある、ある意味カラフルな会社だなと思い、応募した次第です。





















-1.png)




















