
あなたの・誰かの・私の小さな声
「賞金がもらえる」
正直に言うと、今回この書評を書こうと思った最初の理由だ。
しかし、読んでいくうちにいくつかの思いと考えが湧いてきた。
・なぜ「今の職場」が「今までの職場」より心地よく働けるのか
・僕らの見えない所で動いていてくれる人が居る、だから安心して働ける。
・「笑い」に対する大切さと難しさ
・アルコール依存がきっかけで亡くなった友人への想い。
・自分の仕事の意味と役割について
・これから自分に出来ること、したいこと
それ以外にも様々な想いがじんわりと心から出てきた。
その一部分だけでも伝えられればと思う。
一番最初に感じたこと、
それは僕が今まで働いてきた職場では「他に仕事が無かった」「自分に出来る仕事は介護くらいしか無かった」という理由で働いている方が結構な割合でいた。
理由というより言い訳になっているとさえ感じることも多々あった。
それが今の「グループホームのがわ」に来て驚いたことを覚えている。
多くの職員が介護職をしているということに前向きで、むしろ楽しんでさえいる、そう感じたからだ。
何よりも自然な「笑い」が多いことが、そう感じさせたのだと思う。
本書内でも「笑い」への大切さ難しさに触れている項もあったように、今の職場に慣れ始めた頃にクライアントもアテンダントも共に笑いあえる職場なんだと気付かされた。
職員の話しかける内容やタイミングから相手の笑顔を導き出す。
クライアントが笑っているときは一緒に喜び、共に笑う。
そういった心地よいリズムは、介護の仕事に言い訳を持っている職員には到底できるものではないなと感じさせられた。
そんな人たちが所属する会社はどんなところか、どういった流れで出来てきたのか、その答えがこの本に記されている、そう感じさせてくれた。
そして次に、僕らが安心して働けているのは「働いた分の給与が支払われる」「社会保険などが問題なく手続きが行われ利用ができる」「困った際は専門職へ相談できる」「何かがあったとしても、周りでサポートしあえる」
日頃から自分の目に見えないところで、それぞれの場所で仲間が役割を担って、果たしてくれているから、僕らは安心して働けているのだなと実感するとともに、一緒に働く仲間への感謝とリスペクトを改めて感じる、そんな文章がいくつも出てきていた。
最後にもう一つ。
それは正直に言うと、現在の職場で働くまで僕は「土屋グループ」を知らなかった。
おそらく、その頃の僕と同様に「土屋グループ」は社会の大多数からは認知されているとは言い難いのかもしれない。
だからこそ、この本にあったように、社会へ、それぞれの仕事を知ってもらい認知してもらいたい。
社会インフラの一つであり、大切な職業であることを、少しでも多くの人に知ってほしい、そんな気持ちが湧いてきた。
脱線しますが、僕の息子(小学中学年)は不登校児です。
そんな息子が「楽しい」と言い、通えるようになったフリースクールに行き始めたのは2025年4月でした。
奇しくもそれと同じ月に、僕は土屋グループの「グループホームのがわ」へ入職しました。
不登校の息子と、会社に無理を言って在宅勤務をしていた妻と僕、家族3人が疲弊していました。
そこで週4日で非常勤で働き、妻への負担軽減、息子といる時間を増やしたい、そういったことを受け止めた上で山根ホーム長は採用してくださいました。
そんな息子が先日行った博物館で急に「乾パンが食べたい!」と言い始めました。
ミュージアムショップで売っている「非常食用の柔らかい缶詰パン」と「昔からの乾パン」をフリースクールのみんなで食べ比べたいというのです。
なかなかおもしろい企画だと思い、両方購入し、息子の結果報告を待つことにしました。
仕事を終えて家に帰ると、息子が「両方美味しかった!」と意外な報告をしてきました。
息子が持ち帰った乾パンを食べると、30年近く前に食べた乾パンより柔らかくて確かに美味しい!
小学生の息子に新たな発見をさせてもらいました。
なぜこんな話をしたかと言うと、今回、この本を読んで、どうにかして多くの人に社会に必要な福祉の事を知ってもらえないかと考えていたからです。
例えば、こんなことはできないだろうか?
入居型施設には緊急時に備えて備蓄している非常食があると思います。
それを賞味期限が切れる1年から半年前にフリースクールや学童のおやつ(学童によってはおにぎりをおやつ時間に出したりしているそうです)、子ども食堂などや地域の催しで、防災デーとして非常食の試食会用に提供し、「防災」「福祉」「地域協力」「フードロス」について考えるきっかけにできないだろうか?
その際にこういった施設から提供されたものだと告知させてもらえたら、「あそこの施設はこんな方が生活しているんだ」ということを知ってもらう機会になり、将来的に福祉の仕事に興味を持ってもらえる種まきになるのではないだろうか?
少なくともこういった方たちを支援している場があると知ってもらえるだけでも価値があるのではないだろうか?
また大きな災害時には、地域との協力は不可欠だと思われますが、そのきっかけとして、地域の防災と福祉について考える機会になるのでは?
これは個人で行うより会社で行えたら少しでも大きな発信になるのではないでしょうか?
息子の思いつきと父親の思い付きを書評という名目で親会社に届けようと発信する、そんな反則気味なことをしても届けてみたい、そんな声が心から出てきました。
グループ子会社の経歴も短い非常勤職員の小さな声にもぜひ耳を傾けていただけたらと願います。
閑話休題
賞金目当てではあったはずが、読んでいくうちに心が少しずつ動かされ、いろいろな考えが巡り、息子の思いつきと重なりアイデアが生まれる。
そんな結果になったこの本は、僕的にはけっこうな良書になったようです。
この書評を書くという行動で「土屋グループ」が「グループホームのがわ」もしくは「僕個人」のいずれかでも、とても小さかったとしても一歩前に前進できたら、それは素晴らしいことだと信じ、終わりたいと思います。





















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