【取り組み紹介①】
重度訪問介護とインクルーシブ防災の取り組み
2023年9月12日にオンライン配信された「読売SDGsフォーラム2023」では、幅広い分野の出演者がSDGs達成に向けた現状と今後の取り組みについて紹介、万博が描く未来予想図が、その後押しとなるようにと期待を寄せました。
土屋グループからは、㈱土屋取締役兼CMO最高マーケティング責任者 岡田千秋が出演し、防災委員会の取組である、「重度訪問介護とインクルーシブ防災の取り組み」をご紹介しました。
この度、このフォーラムのアーカイブページが公開されました。
「誰も取り残さない」インクルーシブ防災の取り組み
当社がメイン事業として行っている重度訪問介護とは、重度の障害をお持ちの「クライアント」(=利用者)宅を訪問し、生活全般における支援を行う福祉サービスです。長時間のマンツーマンの在宅ケアであること、たんの吸引などの医療的ケアが必要な方が多いことなどが特徴で、災害時には個別の対応が必要です。
東日本大震災では宮城県の障害者死亡率が東北3県の中で突出しており、一因として、在宅福祉の仕組みが整っていた反面、災害時の想定がされていなかったことが挙げられています。福祉と防災を一体として捉え、適切な個別計画を立てるために、当社では部署や立場などを超越した「誰も取り残さない」インクルーシブ防災の取り組みを進めています。
まず現状の把握に向けて、クライアントの情報やケアの方法なども盛り込んだ個別避難計画「災害対応パーソナルブック」を作成。また、車いすユーザーの方、視覚障害をお持ちの方とでそれぞれ避難訓練を実施し、地域の方々と災害時の協力関係を構築しました。このときクライアントからいただいた「災害が来たら死ぬしかないと思っていたが、助かることができるかもしれないと思えるようになった」との言葉は、私たちの取り組みの後押しになっています。
健常者でも事故や災害で障害者になる可能性はあり、誰もが自分事として考えることが大切です。当社は今後も要支援者を取り巻くすべての人たちを巻き込んで、普段から顔の見える関係を築き、共に考え、協働しながら「福祉×防災」の一助を担えるよう取り組んでまいります。