リスクマネジメント委員会【2022年8月31日開催】


リスクマネジメント委員会

リスクマネジメント委員会は

①クライアントの尊厳・安全を守る、
②アテンダントと組織を守る、
③事故、トラブルを未然に防止・回避する

―の3点を目的としています。事故を発生させたアテンダントに反省を促すのではなく、事故を未然に防ぐための共通認識を醸成するのが狙いです。8月31日に開かれたオンラインの委員会では、ホームケア土屋の「安全規則」の内容が共有されました介護は人の命と暮らしを守る大切な仕事です。そのためにも事故を未然に防ぐことが重要です。リスクマネジメント委員会では、クライアントやアテンダントの安全を守ることを目的に、ヒヤリハットの収集に重きを置いています。

古嶋航太 九州北部エリアマネージャー

安全規則は土屋の「最低基準」として作られたとの説明がありました。個別性が高い訪問介護において、多くの現場に共通する要素をまとめたルールが安全規則です。訪問時間の厳守や食事介助における注意点、車いすの扱いなど9項目が記されています。

ホームケア土屋 安全規則

【挨拶、訪問時間の厳守】
 ・相手に伝わるように挨拶をしましょう。
 ・訪問介護での支援の穴は重大な事故に繋がります。 遅刻・無断欠勤は厳禁です。
 ・遅刻しそうな場合や体調不良の場合には必ず上長に連絡をしてください。

【感染予防の徹底】
 ・入室時は手洗い、うがいをしましょう。
 ・マスク、フェイスシールドは状況に応じて実施又は会社の規定に従いましょう。

【サービス提供内容の理解】
 ・クライアントの安全安心を守るため支援内容をしっかり把握しましょう。

【車椅子の取り扱い】
 ・ブレーキのかけ忘れは、転落・転倒の危険があります。 必ず確認を行いましょう。
 ・車椅子の移動時は段差などで転倒の危険があります。 走らないようにしましょう。

【移乗時の事前準備】
 ・移乗時は事故が起きやすいです。 しっかり準備をしてから行いましょう。

【整理整頓】
 ・動線に物が置いてあると移動の妨げになり、転倒の危険があります。

【排泄時の配慮】
 ・クライアントの羞恥心を配慮し援助しましょう。
 ・便座はバランスを崩しやすい為、付き添い見守りし転落を防止しましょう。

【食事介助と口腔ケア】
 ・顔を上に向けた状態で食べると誤嚥しやすくなります。 顎を引いた状態で介助しましょう。
 ・上から目線の介助は失礼にあたりますので、なるべく目線の高さを合わせて介助しましょう。
 ・口腔内が清潔でないと誤嚥性肺炎などの危険が高まります。 しっかりと口腔ケアをしましょう。

【医療的ケア】
 ・喀痰吸引を含む医療的ケアは原則、 認定証が発行されてからしか行えません。 同行研修時も同様です。
 ・現場に医師の指示書があるか、 指示期間内であるか確認して医療的ケアを行いましょう。
 ・指示書に記載されている行為のみが実施できます。 吸引圧、挿入の長さ、一回の吸引時間に気をつけましょう。
 ・嘔吐など不調を引き起こす場合があります。 実施前後は注意深く見守りましょう。

■大きな事故・トラブルになる前に 【報告】 しましょう■

古嶋は以前、管理者を務めていた介護現場で事故を経験したといいます。ご遺族や警察への対応を振り返り、「この気持ちを皆さんに味わってほしくない」と規則の重要性を改めて強調。「紙ぺら1枚と思うかもしれないが、現場に浸透すればサービス品質の向上、そして事業所の安全な運営につながる」と話しました。

小山田康浩 ホームケア土屋九州 オフィスマネージャー

ホームケア土屋九州のマネージャー 小山田康浩は、最低限のルール徹底こそが重要だと呼びかけました。物事をなあなあにしない、いつもと違う支援要望があった場合は自分1人で判断しないなどの注意点を挙げています。アテンダントの注意力だけでは、事故を防ぐことはできません。「人は誰でも必ずミスをする」との意識のもと、組織全体で取り組むことが大切だといいます。

増田和也 ホームケア土屋弘前 オフィスマネージャー

ホームケア土屋弘前の増田和也オフィスマネージャーは「管理者やコーディネーターだけでなく、現場のアテンダントにも共有しないと意味をなさない」として、安全規則を組織全体で共有する重要性を改めて強調しました。いわゆる「暗黙の了解」ではなく、ルールとして徹底することが大切で、
具体的には
①クライアント宅のファイルに入れ、常に確認できるようにする
②事業所の会議で各項目について話し合う
③統合課程の際に「アテンダント業務開始にあたっての心得」とともに配布する
―などの方法が示されました。

 安全規則は新人研修でも活用する予定です。澤田由香委員長は「日頃から目につく場所に貼り、実施できているかどうかを職員に問いかけてほしい。アテンダント、コーディネーター、マネージャー間のコミュニケーションにもつながる」と、改めて徹底を呼びかけました。

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