【高齢者地域生活推進委員会】定例レポート 2026年1月15日

【高齢者地域生活推進委員会】定例レポート 2026年1月15日

開催概要

開催日:2026年1月15日
開催場所:オンライン

当日のアジェンダ概要

  1. コミュニケーションについて(ホームケア土屋BM)
  2. 失敗から学ぼう、気軽に語ろう(坂本副委員長)

当日の定例レポート

今回の定例ミーティングでは、「コミュニケーション」と「失敗の共有」をテーマに、現場での具体的な対応や管理者としての在り方について意見交換を行いました。

新規相談への対応では、受け入れが難しい場合でも、考える姿勢や誠実なフォローが信頼につながることが共有されました。

また、管理者自身の失敗談を通じて、失敗を開示することが心理的安全性を高め、職員との信頼関係構築につながることを改めて確認する機会となりました。

コミュニケーションについて(ホームケア土屋BM)

テーマ:新規の相談や依頼が入った際の対応について

通常、相談員やケアマネージャーからの依頼に対し、受け入れ体制が整っている場合は問題なく対応できます。
一方で、アテンダントの不足や条件面の難しさなどにより、すぐに受け入れが難しいケースも少なくありません。

今回は、そうした「受け入れが難しい状況下での相談対応の考え方や姿勢」をテーマに、現場で活かせる視点を共有します。

<「断り方」や「対応の姿勢」が相手に与える印象の違い>

例:友人と行った飲食店が満席だった場面
①入店の瞬間に一方的に断られるケース
②状況を確認したうえで丁寧に断られるケース
③さらに工夫を重ねて席を用意してくれるケース

同じ「満席」という結果であっても、対応の仕方によって受け取る印象や気持ちが大きく異なることが分かります。

▸上記の例を、新規の相談・依頼が入った際の対応に落とし込んだ場合
~質問と参加者による回答~

Q:条件面や体制上の理由から受け入れが難しいと判断せざるを得ない場合、あなたならどのように対応していますか?

A(メンバー①):
ケアマネージャーに対しては、こちらから対応可能な条件を伝えながら相談することが多いです。

例えば、「女性限定」と言われた場合は、「一時的に男性が対応することもあり得ますが、大丈夫そうですか?」など、一時的な対応の可能性を含めて確認したり、場所や時間に制約がある場合は、対応できる曜日や時間帯を提示しています。

また、アテンダントが確保できない場合でも、その理由によって対応を分けています。

人的リソースの不足が理由であれば他事業所を紹介し、人材の条件面で不一致がある場合には相手の要望だけを受け入れるのではなく、双方の条件をすり合わせる形で対話しています。

A(メンバー②):
とりあえず聞くだけ聞いて、全部受け止めて、事業所でできることがないかを考えてお返事する形を取っています。

<相談員・ケアマネから新規の相談や依頼が入った際の対応について>
お急ぎ編
▸パターン1:まずは「考える姿勢」を示す

①内心では難しいと判断していても、1回目の電話では即断らない
「シフト調整ができるか確認したいので、1時間ほど考える時間をください」と伝える
②約束した時間に、改めてお断りの電話を入れる

<効果>
他社ではファーストコンタクトで「うちは無理です」と即断るケースが多いが、土屋の場合は「ちゃんと考えてくれた」と受け取ってもらえ、感謝されることが多い

<さらに一歩踏み込む対応>
数日後にフォローの電話を入れる。
例:「今回は行けるアテンダントがいなかったのですが、その後どうでしたか?無事つながったか心配になって…」

→ ここまで行うと、信頼感が大きく高まる

▸パターン2:同業他社を紹介する

①名刺交換をしている同業他社があれば、管理者名・連絡先を具体的に伝える。
②さらに一段階上の対応として、「私が〇〇さんと知り合いなので、こちらから連絡しましょうか?」と提案。「助かります」「いえ、こちらから連絡します」のいずれの反応でも好印象。

<効果>
「ここまで親身にやってくれる会社なんだ」と思ってもらえ、ケアマネ・相談員が土屋のファンになることが多い。

比較的ゆっくり編

例:アテンダントが見つかれば退院したい、など

▸パターン1:採用前提での継続フォロー

「現在採用活動中なので、支援に入れる方が決まったらご連絡します」と伝えてクローズ。
その後、定期的に「まだ見つかっていないのですが、いつ頃までお待ちいただけそうですか?」などの状況確認の連絡を入れる

→ 誠実さが伝わる

▸パターン2:難しい状況を正直に伝えつつ、他社も提案

「現状すぐに支援に入るのは難しいのですが、引き続き努力は続けます」と伝えつつ、同時に「数社で探した方が確率が上がります」と同業他社情報を提供。

→ ケアマネ・相談員から「一生懸命考えてくれる会社」と評価され、信頼関係につながる

まとめ
好感度と信頼を高めるために、必ず意識したいこと

・「なぜ当社に連絡をくれたのか」を必ず聞く。
紹介してくれた方がいた場合には、その方への感謝を伝えるとともに、今回の相談者にも感謝を改めて伝える

→ 紹介者・相談者双方に喜ばれる

▸ポイント

喜び・感謝・お詫びは、少しオーバーに。
電話越しでも、表情・雰囲気・誠意は必ず伝わります。

※ ダジャレや軽い冗談も、相手との関係性次第では有効

絶対に守るべきこと

①「いつまでに連絡します」
②「できる・できないは必ず報告します」

約束と報告を必ず守ること。
これを忘れると、信頼関係は一気に崩れます。

やり方やキャラクターは人それぞれで構いませんが、全員に共通して持ってほしいのは「誠実さ」です。

「誠実さ」と「どうにかしてあげたい」という気持ち、この2つは、電話対応であっても必ず相手に伝わります。

共通認識として大切にしてほしいポイントです。

参加者のコメント

・現場にいた時は、急ぎの相談であっても、状況に応じて2〜3日ほど時間をいただき、非常勤職員や常勤職員に対して「その地域まで行けるか」「何時から何時まで対応可能か」といった確認を行い、約束した期日までに必ず折り返し連絡をしていました。

対応方法に正解はないと思いますが、現場で大変参考になると感じました。

・「他者を否定しない姿勢」を重視していて、現場は異なれど、クライアントを第一に考える姿勢が共通していると感じました。

私のいる事業所は現在空きがある状況ですが、見学者の方々に「うちが一番良い」という伝え方はせず、場所や人、方針の違いを踏まえ、「ご本人に最も合った事業所を選ぶことが最も大切」という考え方を必ずお伝えしています。

この姿勢が、今回の講話内容と重なる部分であると感じました。

・相談員も困っている利用者のために事業所を探しており、その先にはさらに困っているクライアントがいらっしゃるので、一緒に考えて、寄り添うといった「伴走する姿勢」が必要不可欠であると感じました。

失敗から学ぼう、気軽に語ろう(坂本副委員長)

テーマ:「失敗を共有することの意義」について

長く働く中で、頼れる上司や先輩の存在に支えられてきた一方で、そうした上司たちにも過去の失敗や試行錯誤があったことに気づかされる場面があります。

困難な時期には語れなかった経験も、時間が経ち、共有できるようになることで、その失敗から学べることが多くあります。

また、上司の失敗談を知ることで、距離が縮まり、「同じように悩み、成長してきた存在なのだ」と、身近に感じられるようになると思います。

ケース1

私は2012年に独立して会社を立ち上げましたが、それ以前は小規模多機能型居宅介護とグループホームを併設した施設で、40〜50名ほどの職員を束ねる管理者をしていました。

その後、事情により退職し、職員数10名に満たない小規模なデイサービスを開設しました。

当時は「これまで大規模な組織を管理してきたのだから、小規模な事業所は問題なく運営できるだろう」と考え、理想の介護や職場づくりに強い思いを持ってスタートしました。

しかし、開設5年目には離職率が45%となり、半数以上の職員が辞めていく状況となりました。

特に、大量離職に至る前の1〜2年間は、職員同士の私語が多く、利用者よりも業務や職員の人間関係が優先される状態になっていました。

また、特定のグループに馴染めない職員が孤立して退職したり、強いストレスを抱えて円形脱毛症になるケースもあり、当初思い描いていた職場像とは大きく異なるものになってしまいました。

振り返ると、私は理想や信念を強く持って、それを職員に強く求めていた一方で、うまくできない職員に対して「できるようにさせなければならない」という意識が先行して教育に力を入れていました。

ここまでだと押しの強い上司というだけですが、自身は忘れ物や約束の失念、勘違いなどの失敗が多く、職員にとっては「口うるさくて怖い上司が、失敗を繰り返しているにもかかわらず、理想や綺麗ごとを並べ立てている」と映っていたのだと、今では感じています。

教訓として今思っているのは、自分の表情や声、態度、働く姿が、自分には見えておらず、やみくもに頑張っていたことが全部裏目に出ていたことです。

自分の経験や知識に自信があった分、「理解されないのは相手が間違っている」と思い込み、自分の正しさを疑う視点を持てていなかったことが、信頼関係を損なう要因になったと考えています。

その結果、職場内で私以上に影響力を持つ職員が生まれ、その人を中心とした人間関係が形成され、その人に気にいられないと働きづらさが増し、さらに離職が進む状況になってしまいました。

もっと早い段階で、自分のリーダーシップや関わり方を客観的に見直すことができていれば、軌道修正も可能だったのではないかと感じています。

現在は、なるべく感じの良い上司になろうと、失敗を隠さず、むしろオープンにすることで、心理的安全性を高めることを意識しています。

上司が失敗する姿を見せることで、部下も安心して働ける職場になると考え、会議や研修の場でもその姿勢を共有するようにしています。

その結果、以前に比べて人が辞めにくい職場づくりにつながってきているのではないかと感じています。

参加者のコメント

・現在、管理者として現場を任せられる中で、年齢的な部分もあり、職員からなめられているのではないかと感じる場面もあります。

一方で、アテンダントの中には、必ずメモを取り、約束を確実に守る非常に信頼できる方もおり、その姿勢から学ぶ点が多いと感じました。

自分自身も、うっかりしてしまうこともあるため、職員に話を聞いてもらう立場として、まずは自分がしっかりしなければならないと改めて感じました。

・失敗した際には素直に謝ることを心がけており、時には笑いに変えたり、自分がするミスについては他の職員が同じことをしても叱らない、というスタンスで関わっています。

自分自身の姿は自分ではなかなか見えないという点では、「ジョハリの窓」が思い浮かびました。

管理者として現場をまとめ、職員に安心してついてきてもらうためにも、今後もそうした取り組みを継続していきたいと感じました。

・管理者に就任し、これまでの体制を見直しながら、少しずつ変えていく必要がある立場にあります。

そのような中で、改めて「上から目線にならないこと」の大切さを強く感じました。

また、自分自身の課題として、プライドが高く、「失敗しているところを見せたくない」という思いがあり、周囲からも「聞けば分かる人」「できる人」というイメージを持たれている部分もあるからこそ、あえて失敗している姿を見せることも、一つの有効な関わり方なのではないかと感じました。

坂本副委員長による参加者のコメントの感想

「みんながいないと仕事は成り立たない」ということを、やんわりと伝えていく姿勢が大切だと感じました。

どれだけ理想を語っても、実際に行動するのは現場の職員であり、「この人の言っていることをやってみよう」と思ってもらえる存在になる必要があると改めて感じています。

そのためには、苦しそうな時に「助けてあげたい」と思ってもらえる関係性や、こちらもうまく頼れるようになることが重要ですが、以前はその点がとても苦手でした。

最近は少しずつ、そうした関わり方が楽にできるようになってきたと感じており、自身としても助かっています。

ケース2

前職の老人保健施設での経験です。
約20年前、20代後半の頃に、通所リハビリテーション(デイケア)の責任者として配属されました。

当時は結婚して子どもが生まれたばかりで、仕事にも非常に意欲的に取り組んでいました。

配属先には18名の職員(看護師1名・常勤7名、他非常勤)がおり、私以外は全員女性でした。
離職が多く、マネジメントがうまくいっていなかったことが、私が配属された理由でした。

現場に入ってすぐ、問題の原因は把握できました。
特定の看護師の方が強い影響力を持ち、ルールよりもその看護師個人の判断が優先される状況となっており、それに不満を感じた職員が辞めていくという悪循環が生じていました。

そこで私は、「良くしたい」「改善したい」という思いから、正論でルールの徹底や改善策を熱く語っていきました。

その結果、職員がよそよそしくなり、配属当初は仲が良かった職員からも距離を置かれ、私が話しかけなければ会話が生まれない状況になりました。

かつ、私の言う事を全く聞かない環境になりました。
のちに同僚から、「あの人は面白くない」という看護師の発言をきっかけに、私を仲間外れにする空気が職場内で広がっていたことを聞きました。

正論や熱意だけでは、組織はうまくいかないという失敗でしたが、これに対して、まず現場を見直しました。

看護領域と介護領域の違いから、看護を中心とした環境が形成され、利用者や介護をなおざりにしていた面が見受けられたので、人員配置や勤怠管理などを運営体制を一から見直しました。

業務終了後も毎日夜遅くまで作業を続けましたが、その姿勢が徐々に伝わり、私の考えに賛同してくれる職員が増えていきました。

賛同者が半数ほどになった段階で、看護師と改めて話し合いを行い、介護にとってメリットのある形で人員配置や業務の進め方を調整しました。

結果として、看護師自身も「仕事が楽になった」と感じる形で納得し、周囲の職員にも「責任者の方針が認められた」という実感が広がっていきました。

最終的には、約1年半をかけて職場環境が改善され、その後5年間、責任者として安定した運営を続けることができました。

管理者として熱意が強いがゆえにうまくいかないと感じている方には、ぜひ参考にしていただきたい経験だと感じています。

参加者のコメント

現在、私自身がまさにその立ち位置にいると感じています。
昨年グループホームへ異動しましたが、施設長と、もともと在籍されていた管理者の方との間で、考え方や発信内容に違いがある場面を見てきました。

どちらも施設を良くしたいという思いからの意見ではあるものの、現場にはフラストレーションが溜まっていたように感じています。

先々月から管理者という立場になり、職員の皆さんが「私がこの問題に対してどう動くのか」を非常によく見ていると実感しています。

そのため、まずは職員一人ひとりが何を考え、どうしたいのかを聞かせてもらい、その上で、今できることを一つずつ見つけて進めています。

職員の皆さんは、「これまでのやり方ではいけない」「変わらなければならない」ということは何となく理解しているものの、これまで続けてきたことを急に変えることには強い抵抗があるように感じています。

だからこそ、日々の関わりの中で、少しずつでも良い方向へ変えていけるよう模索しながら対応を検討しています。

その中で、これまで感情的に反応されることが多かった職員の方から、後日「感情的になってしまって申し訳なかった」と謝罪の連絡をいただく場面もありました。

少しずつですが、こちらの思いや姿勢が伝わり、信頼関係が芽生え始めているのではないかと感じています。

今後も、こうした積み重ねを大切にしながら、職員の皆さんとの信頼関係を築き、施設を今よりもさらに良い形にしていきたいと考えています。

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