ハラスメント・虐待防止委員会

第三期ハラスメント・虐待防止委員会 【事例検討会レポート2】

事例検討会レポート 2

日 時 : 2022年6月24日
出席者 : 56名(対象:役職者以上)
テーマ : 「マタニティハラスメント」(妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント:通称マタハラ)児休業等に関するハラスメント:通称マタハラ)

ハラスメントについて

①検討会ではまず、委員長の吉岡理恵より、前回までのハラスメントのおさらいがありました。

  • パワハラ防止措置の義務化(2022年4月1日~)
    パワハラの定義と6類型(その内、人格侵害に当たる②の精神的な攻撃)
  • 現在、防止措置が義務化されているパワハラ、マタハラ、セクハラについて

ハラスメントの加害者にも被害者にもなり得る可能性がある役職者。

そこで、本検討会では役職者を対象に、「裁判でどのようなことがハラスメントと認定されたかを学び、自身の周りで判例と同じような事態に発展する可能性があれば、それを最小限にとどめる行動を取れるようすること」が目標として掲げられました。

②「マタニティハラスメント」の概要として、下記2点に関する説明が行われました。

1.制度等の利用への嫌がらせ型
2.状態への嫌がらせ型

事例検討

当検討会の目玉である「判例から学ぶ事例検討会」

第4回目は、ホームケア土屋北海道シニアディレクター・澤田由香および関西エリアマネージャー・魯山香織により、マタハラの具体的事例を元に研修が行われました。

研修内容

事例:介護施設におけるマタハラ(2013年)

内容:介護職員として働いていた女性(A)が、面接で上長(B)に妊娠を理由とする業務軽減を求めたが対応がなされず、精神的苦痛を感じる言葉を投げかけられたというもの。最終的に、Bの上席との面接で業務軽減が図られたが、Aは育休取得後、Bと会社を被告として、慰謝料500万円を求めて提訴した。
判決:(2016年)Bの言動が不法行為に当たるとして慰謝料35万円の支払いが命じられる。
(会社は使用者責任により連帯して責任を負う)

研修では、内容・判決理由などの詳細な説明がなされ、とりわけAは指導が必要な対象であったと言えるものの、業務指導と妊娠への配慮の必要性は混同してはならないことが述べられました。

続いて本事例を介して、管理者が日々の業務の中で常々振り返る必要がある点についての講義が行われました。

また、職場におけるハラスメント行為をなくすために「情報共有」が大切であること。そして、ハラスメントの可能性を発見した場合は「事実関係の迅速かつ正確な把握に努める必要」があり、聞き取りは「中立的立場で行うことが大切」との結びがありました。

 

当社におけるハラスメント防止のための実施報告

委員長の吉岡より、事業主の取組みについての報告がなされました。

<事業主が取り組んでいること>

・ハラスメント問題に関する職員の関心と理解を深める

→事例検討会や社内研修を実施

・方針を明確化して周知する

→ポスターを全事業所に配布・就業規則にハラスメント事案の処分内容を明記

・相談体制の整備

→ハラスメントやコンプラ違反の窓口の設置、今はメールのみでの受付なので今後は電話相談窓口も設置を検討中

・介護現場ハラスメント防止のためのクライアント(利用者)への啓蒙

→新聞「土づくり」やチラシの配布

その上で職員に対し、ハラスメント問題に対する理解と関心を含め、他の職員に対する言動に必要な注意を払う、事業主の講じる措置に協力するなどを求めていくことを結論としました。

 

出席者とのセッション

本日の事案を踏まえ、セッションでは出席者よりさまざまな意見・感想が寄せられました。

「上司からの1回の発言がハラスメントと認定されるというのは、かなり重く受け止めなければならない」

「自分自身の判断や気軽にかけた言葉一つでも、問題としてつながっていく場合がある。どのように従業員と向き合っていくのかを常々振り返りながら業務に当たりたい」

「日常的に何気なく発した言葉が、相手を傷つけることは往々にしてある。とりわけ役職者は、組織の一員としての役割を担っていることを忘れてはいけない。また、そういう意識が欠如としたときに不適切な発言になるのではないか」

「不用意な発言をすることのないように言葉を選ぶ必要はある」

またセッションでは、当社顧問で本委員会の監修をしている大胡田誠弁護士より、今回の事案における3つのポイントが提示されました。

①業務指導の必要性と配慮の必要性をごっちゃにしないこと。業務指導の一環として妊娠への配慮を拒むのは法律に違反する。

②配慮の要否などに関して相談を受けた場合はきちんと記録に残し、時折それを見直してしっかり遂行されているのか確認することが必要。

③今回の事案では、訴えを起こされた会社には「妊娠すると退職」という社風があった。Aも妊娠以降、周囲から無視されるなどしたことが裁判に発展したという経緯がある。こうした事態をなくすためには、すべての社員がハラスメントについて理解を深め、その上で妊娠をした人に対して優しく暖かく接するという社風を作っていかなければならない。

そして、ハラスメントは基本的に対話不足に起因している面が大きいため、コミュニケーションの重要性が示されました。

最後に

関連事項として本年10月から始まる産後パパ育休制度についての説明と、ハラスメント・虐待相談窓口およびコンプライアンス連絡・通報窓口の再案内があり、本日は終了しました。

TOP