【CSR推進協議会】みたき総合病院にて講演を行いました!

【CSR推進協議会】みたき総合病院にて講演を行いました!

令和8年3月9日(月)、みたき総合病院にて医療従事者の皆様(看護師、介護士、リハビリ職、ソーシャルワーカー等 約25名)を対象とした講演を行いました。

実施概要

日時:令和8年3月9日(月) 16:30-17:15
対象:医療従事者 約25名
講師:CSR協議会サポート部 青木健太

テーマ「頸髄損傷の私が見ている世界」

講演では、高校2年生の時の柔道事故から、現在の自立生活に至るまでの歩みをお話ししました。「手足が動かない」「体温調節ができない」といった頸髄損傷特有の身体状況。

その中で、マウススティックや顎操作の車椅子を使いこなし、多くのヘルパーさんに支えられながら「一人暮らし」や「仕事」を実現している現状をお伝えしました。

そして最後に、医療のプロフェッショナルである参加者の皆様へ、今の私の生活に直結する「4つの問い」を投げかけました。

医療従事者と向き合った「4つのクエスチョン」

Q1. あなたが私と同じ立場になったら、介助者に求める条件を3つ教えてください。

参加者からは「清潔感」「同性介護」といった声が上がりました。

生活のすべてを他者に委ねるからこそ、単なる「作業」ではなく、一人の人間としての信頼関係をいかに重視するか、皆様が真剣に考え込んでいたのが印象的でした。
Q2. 介助者不足で求める条件とはかけ離れた人しかいない。断って施設に行きますか? それとも我慢して一人暮らしを続けますか?
「自由な暮らしを守り抜きたい」という強い願いの一方で、約3割の参加者が「施設」を選択されました。

「苦手な人と密接に過ごす時間は、何よりも苦痛である」という切実な声があり、心安らぐ空間を何より大切にしたいという本音も伺えました。
Q3. 急な時間変更が多く、事業所から撤退(契約解除)の話が。あなたは翌月のスケジュールをいつ決めますか?
「外食程度なら、その日の気分で当日決める」という回答が多く挙がりました。
しかし、私のような障害当事者にとって、ヘルパーの手配なしに「ふらっと当日外食に行く」ことは極めて困難です。

支援する側が当たり前に行っている「自由な選択」が、障害があるだけでこれほど高いハードルになるという現実を、皆様と共に再認識する時間となりました。
Q4. 今この瞬間に頸髄損傷になったら、あなたは人工呼吸器をつけますか? つけませんか?
この日、最も会場が静まり返った問いです。
結果として、参加者の約7割が「つけない」という選択をしました。

「命があれば道が開ける」という医療者としての理念と、想像を絶する不自由な生活を前にした「一人の人間としての本音」の間に、静かな迷いや葛藤があるのを感じました。

最後に

質疑応答では、「日々のACP(人生会議:アドバンス・ケア・プランニング)を改めて見つめ直す機会になった」といった深い内省や、「これまでは知らず知らずのうちに利用者に妥協を強いていた」という現場の環境改善への感想がありました。

医療従事者の皆さんが、病院内でのケアだけでなく、退院後に患者さんが直面する「介助者との関係性」や「生活の継続性」という、より生活に踏み込んだ視点を持ってくださったことは、私にとっても大きな収穫でした。

事故によって日常が一変したからこそ伝えられる「今ある幸せの大切さ」。
そして、重度の障害があっても「自分の人生を自分で決める」ことの重要性。

今回投げかけた4つの問いが、現場を支える皆様の心に残り、日々の診療やリハビリの現場で、患者さんの「その先の生活」を支えるヒントになり、「もう一歩寄り添った支援」につながれば幸いです。

感想(アンケートより一部抜粋)

参加者の皆様にいただいたアンケートから、内容を要約してご紹介します。

「毎日お風呂に入りたいという当たり前の感覚。週6回入れることを『十分』と感じてしまう自分と、入れない1日にジレンマを感じる青木さん。

この感覚の壁を少なくしていかなければ、本当に寄り添うことはできないのだと痛感しました」
「障害は『受け入れる』のではなく、時間と共に悩みながら付き合っていくものだという言葉が印象的でした。

相手が現実を受け止めきれていない時に自分よがりのリハビリをせず、精神状態にも目を向けていきたいです」
「重度訪問介護が就労時に使えないという現実にショックを受けました。利用者さんの立場で考え、制限されていることに医療者として声を上げていきたいです」
「看護者への最後の一言『もう一歩少し寄り添う事をして下さい』を肝に銘じていきます。介護を受ける側としての本音を教えていただいたので、もう一歩寄り添った支援を目指します」

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