ジェンダーイクオリティ委員会 レポート2

2022年6月24日
ジェンダーイクオリティ委員会 レポート2

今回のテーマ

今、働く女性が陥っている「燃え尽き症候群」及び「ハラスメント・マイクロアグレッション」の増加について

2022年にデロイトトーマツが実施した世界調査「Women @ Work 2022: A Global Outlook」により、「コロナ禍で働く女性のストレスが増えた」との報告がなされました。

この調査を基に、当社での課題およびストレスを減らす方法についてメンバー間でセッションが行われました。

燃え尽き症候群

定義

①エネルギーの枯渇、または疲労感がある。
②仕事から離れたい気持ちが増加する。また仕事に対して否定的・冷笑的な感情が生まれる。
③効率的に仕事を進めることが難しくなる。また仕事に対しての達成感がなくなる。

日本では、57%の女性が「1年前と比べストレスが増えた」、50%が「燃え尽きたと感じる」と回答。また、半数以上(57%)の女性が「メンタルヘルスの状態が悪い」としている。

主な特徴

・情緒的消耗観(今まで楽しいと思えていた仕事がつまらないと感じる)
・脱人格化(同僚やクライアントの顔を見るとイライラするようになった)
・個人的達成感の低下(仕事を終えても達成感が生まれず、自己否定に陥る)

主な原因

・職場の人間関係に不満がある
・評価システムがあいまいで、正当な評価を受けられていないと感じる
・休息を取る暇がなく、仕事に追い立てられている

なりやすい人

・仕事に対して手を抜いてこなかった人
・仕事に取り組むうえで、周囲とのコミュニケーションも丁寧にこなしてきた人
・長時間勤務や過剰なノルマなど、職場で強い負担を抱えている人
・周囲から評価を正当に受けられていないと感じている人
・仕事とプライベートの境界がなく、生活が仕事中心になっている人

まとめ

「燃え尽きたと感じる」と回答した人は日本では50%(海外:46%)となり、1年前よりも増加。

パンデミック以降に「勤務時間・体系が変わった≒リモートワークになったり、リモートとリアルが混ざるようになった」と答えた女性が、従来と勤務体系が変わらなかった女性に比べて、ストレスや燃え尽きたと感じている割合が高かった。
また、「2年以内に退職する予定」だと答えた人の割合が57%で、その理由の最上位が「燃え尽きたと感じる」から。「燃え尽き症候群」は、日本でも世界でも働く女性のストレスの一つとなっている。

ハラスメント・マイクロアグレッションの増加

マイクロアグレッションの定義

特定の属性(人種・LGBT+・女性・障害など)の人に対し、無自覚に相手を傷つける日常的な言動≒アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)の表れ。小さな攻撃を指す。

典型的な例

・外国人だと勝手に判断し、相手に『どちらのご出身ですか?』『日本語が上手ですね』などと言うこと。その人がイメージする日本人の見た目ではないから、日本人のはずはないと決めつける、無意識の偏見がベースにある。

・障害を持つ方や高齢の方に対し、幼い子供に話しかけるようなトーンや言葉を用いて接する態度。『相手は自分より能力が劣っている』という先入観が働いている。

職場での典型的な例

・来客の際にお茶を入れたり、事業所を掃除するのは女性が当然という態度
・男性は女性よりITが得意、女性は男性より料理が得意
・クライアントからのセクハラ事案やクレーム対応は女性ではなく男性がやるべき
・女性職員を「女の子」と呼ぶ・男性リーダーがミーティングで意見を求めるのは男性職員が圧倒的に多い

日本で過去1年の間に、少なくとも1つのエクスクルーシブな行動(ハラスメントまたはマイクロアグレッション)を経験したと回答した女性の割合は64%。前回の調査より約20%増加(前回:45%)

その行動内容は、「インフォーマルなやりとりから排除される」が10%、「男性の同僚に比べ、会議の場で発言する機会が少ない」が10%、「他の人にアイデアをとられる」が8%となっている。

また、これらの行動を報告した人は29%で、7割の人が黙っていたと回答。報告しない理由については、31%の女性が「報告するほど深刻とは感じなかった」、26%が「自分の訴えが真剣に受け止められるとは思わなかった」、15%が「恥ずかしかった」ためとしている。

セッション

上記を踏まえ、出席者の間で活発な意見が交わされました。

・コーディネーター・マネージャーの方は、休む暇がない場合に燃え尽き症候群になってしまうと感じるので、超過労働はさせないようにと思いました。

・女性が感じるストレス、マイクロアグレッションという考え方自体が、差別的ではないのかと感じます。同じような項目で悩んでいる男性もいるので、男女関係なく、それぞれの得意分野、不得意分野という形で見てきたいです。

・偏見が生まれるのは、それについての知識がないからだと思います。例えば更年期に悩んでる場合、自らそれを発信して、相手に実情を知ってもらうことも必要だと思いました。

・知らないうちにマイクロアグレッションに該当するというのがあり得ると思うので、いかに訂正できるかが大事だと思います。普段からコミュニケーションをきちんと取れているかどうか。物事を言いづらかったり、発言をためらってしまうなどの職場環境が、マイクロアグレッションにもつながってくると思います。当社も働きやすい職場環境への取組みを推進していますが、この委員会でも率先して取り組んでいきたいです。

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