
【第7期 知的障害者地域生活推進委員会】
社内研修①「強度行動障害支援に必要な視点と統一した支援のつくり方」
登壇者
小林 周流
(アクティブプレイス土屋三重 管理者)
開催概要
主催:知的障害者地域生活推進委員会
目的: 強度行動障害支援についての理解を深め、アテンダントの支援の質の向上を図ること。
開催日: 2026年1月21日
開催場所:オンライン
参加対象:土屋グループの全スタッフ(非常勤含む)
プログラム
<研修内容>
- 強度行動障害とは
- 行動の背景を見る視点
- 自閉症・知的障害の理解
- 統一した支援
- 虐待防止と連携
- まとめ
研修の概要
支援とは”理解に始まり、理解に終わる”
強度行動障害とは
強度行動障害とは、自傷、他害、こだわり、もの壊し、睡眠の乱れ、異食、多動など本人や周囲の人の暮らしに影響を及ぼす行動が、著しく高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要になっている「状態」と意味する用語
〇 その人の状態のこと
なぜ”状態”なのか
・本人の特性
・関わった支援者/家族・周囲の人
・置かれた環境
それぞれが相互的に作用して本人の状態を作る。
生まれた時から「強度行動障害」という人は存在しない。
行動の背景を見る視点
課題となる行動(人を叩く、暴れる、急に走り出すなど)だけでは理由に辿り着かない。
背景をみて行動の意図を理解する視点が必要。
行動はコミュニケーション
言葉で伝えられない分、行動で伝えている。
全ての行動に意味があると考え、その意味や意図を理解しようとする姿勢が必要。
課題となる行動そのものは重要ではない
なぜ、その行動に至ったか。「なぜ?」という視点が大切。
支援者目線では課題となる行動に注視しがちですが、その視点だけでは支援の組み立てはできません。行動そのものではなく、背景をみることが大切です。
▸背景①障害特性
当事者の方は、私たちとは”違う世界”を生きている。
▸背景②生活歴・経験
成功体験・失敗体験が”今の伝え方”をつくる。
経験こそ、行動の基盤
▸背景③体調/薬/睡眠etc.
わずかな変化が行動に直結する。
”今日は違うな”には必ず理由がある。
▸背景④支援と環境の影響
支援者の関わり方が行動を変える
私たちの関わり方は
本人の人生を変える程の影響力を持つ
氷山モデル

氷山は水面に出ている部分よりも水面下の見えていない部分の方が大きい。
強度行動障害の状態を氷山に例えると、
加害、破壊、自傷等の課題となる行動は氷山の目に見えている部分。
支援者にとってはこの部分が目につきやすいが、行動として表面に出てくる前に、
水面下でご本人の障害特性と人や物などの環境の間でミスマッチが生じている。
水面下の部分を全く見ずに、表面にでてきた行動に対しての支援を組み立てることはできない。
水面下のミスマッチを減らすためにどのようにサポートできるか考えることが大切。
・行動を分析する
第一歩として、行動を分類することで背景の理解を助ける。
同じ行動であっても背景となる要因は違う場合も多い。

行動=意思表示
行動の意図を理解できないなら私たちの理解が足りない
”なぜ?”の答えは本人にある
支援は
仮説⇒実行⇒検証⇒修正
その繰り返し
この中でアセスメントをさらに深め、本人を理解することに繋がる
・行動には必ず背景がある
・背景を理解しようとする姿勢が必須
統一した支援
統一とは、誰が支援しても同じ対応になる状態を指す。
・統一が乱れるケース
①Aさんは止める/Bさんはゆるす
対応の違い⇒本人の混乱
②特定の支援者への依存
”この人なら通る”⇒依存の形成
③声かけの差
声かけの量・タイミングにばらつき⇒本人の理解を妨げる
統一を乱すのは、本人ではなく支援者である
統一するために必要なこと
・可視化(見える化/構造化)
・相談しやすい/意見を言いやすい環境
・全員で実行する姿勢
統一によりご本人が安心感を得ることができるとともに、チーム支援が成立する。
まとめ
・行動から背景を考える
支援は感覚ではなく理屈で考える
仮説と検証、その精度が支援構築の鍵
・支援者の姿勢
本人理解×障害理解=支援の質
自分の感覚よりもチームで決めたことを優先(統一する)
支援は統一されなければならない
委員長より
現在、土屋ではホームケアの重度訪問介護、アクティブプレイスの生活介護、デイホームたいわの共生型デイサービス等で強度高度障害のある方の支援を行っています。
支援の質の向上のために、正しい知識を持っていただく、またクライアントのおかれている状態を正しく理解していただきたいという思いから定期的に社内研修を企画しております。
今回の研修を通して、現場での日々支援で困っている方々の課題解決に繋がり、また正しい理解を持つことで支援に興味を持ってくださる方が一人でも増えていただければ幸いです。
委員会としては、「知的障害、強度高度障害のある方を支える」のではなく、重い障害があっても、なくても、一人でも多く地域で自身の望む暮らしを続けていくことを支えることを目標に、今後も活動していきたいと思います。
委員長 奥永孔太郎













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