【高齢者地域生活推進委員会】定例レポート 2025年8月21日
開催概要
開催日:2025年8月21日
開催場所:オンライン
当日のアジェンダ概要
- 前回の相談事項からの進捗(グループホーム/定期巡回)
- 「ジョハリの窓」の説明
- 事業所毎の課題や取り組み(グループホーム)
- 高浜将之委員長による総括
当日の定例レポート
当日の定例ミーティングでは、「ジョハリの窓」が大きく取り上げられました。
「ジョハリの窓」の実施後に離職を減らした経験をもつ副委員長からは、使い方や注意すべきポイントまで丁寧に解説をいただきました。
また、マネジメントが上手くいく方法についても、心理学の知見などを用いて有効なアドバイスが提示されました。
前回の相談事項からの進捗
グループホーム
<運営状況>
現在の入居者数は5名で、夏風邪が流行したこともあり、今月末に1名が退去予定となっています。来月中には2名が入居予定で、うち1名は若年性アルツハイマー(生活保護受給者)の方です。
また現在、見学が絶えない状況で、今月にも新規の見学予定と相談がそれぞれ2件入っています。
<アテンダント状況>
元調理スタッフによる積極的なコミュニケーションケアが見られるようになり、チームとして、わずかではありますが一体感を感じられるときもあります。
ただ、「虐待の芽チェックリスト」(アンケート形式)に該当する事例が複数確認されているので、今後面談を実施し、自覚を促すことで「ゼロ」を目指します。
<課題>
・遅番勤務体制の確保(*定期巡回の方に声掛けなど)
・若年性アルツハイマーの方への対応
・生活保護受給者向け重要事項説明書の整備
・各種加算の取得
<質問による補足>
要介護1の方が増え、クライアントが4名になった先月の段階で、「職員を増やしてほしい」という声が上がっていました。動き回って落ち着かない入居者(Aさん)もいらっしゃいますが、本来の忙しさだと思うので、理解をいただきたいと思っています。
<参加者によるコメント>
忙しさの一因として、認知症の方を上手くコントロールできていない面もあると思います。ケアが上手くできないから、そこに労力がかかって大変になっていると思うので、職員を増やす以前に、ケアを改善するのが良いと思います。そうすると、今の人員でできることもあります。
・大変になってくると、「あれはできない、これはできない」という職員が出てくるのはどこも同じだと思います。
その際、できない理由を言う人は多いですが、どうしたらできるかを考えてくれる人が少ないと感じます。
なので、“どうしたらできるか”を考えるのがいいと思います。
あと、入居者さんと関わっている中で、「○○さんはこういうふうに感じているんだよね」などの話を現場のスタッフにするのも大事だと思います。
私も管理者という立場からずっと見ているのではなくて、敢えて現場に入ってクライアントと関わる場面も見せつつ、苦戦している次第です。
定期巡回
前回の会議の後、委員会メンバーの方々が「いつでもお話聞きますよ」と言ってくださり、「一人じゃないんだ、これが株式会社土屋なんだ」と大変嬉しく思いました。
当事業所は、アテンダントと私のコミュニケーションが上手く図れておらず、その解消に向けて、先日「ジョハリの窓」を実施しました。
ネガティブなイメージが自分に対してあるので、実施には乗り気ではなかったのですが、やはり他のアテンダントから自分自身がどう見られているのかを知ることは大事で、それを知ることで円滑にコミュニケーションを図れるのではないかと、今は前向きに捉えています。
現状、対象者6名のうち返信者が3名で、なかなか進んではいません。
<参加者によるコメント>
・私も介護の業界経験が30年以上になり、これまでに「どんなふうに自分が見られているんだろう」「どうして職員とうまくいかないんだろう」、「もうちょっと打ち解け合って色んなことを話し合いたいのに」と悩んだ場面もありました。
でも、どこかで割り切らないといけない部分もあったり、女性同士であれば、女性特有の妬みやひがみがある人も中にはいるので、こちらがいくら心を近づけようとしても拒否されることもありました。
それでも努力を積み重ねると心が通う瞬間もたまにあるので、「大きなトラブルにならず、目的遂行のためにチームに反発する気配がなければいいかな」という割り切りをもつようにしてきました。
管理者の方々は「自分が悪いから上手くいかないんじゃないだろうか」と自問自答を繰り返していると思いますが、全部が自分のせいではないので、ポジティブな気持ちに転換することが必要だと感じています。
・私たちは利用者さんに「寄り添う」という言葉をよく使いますが、今回はアテンダント同士が寄り添うために「ジョハリの窓」を使われたと思います。
互いを知るためにそのツールを使うのも一つの手法だとは思いますが、私はスタッフとはいつも一言二言交わすようにしていて、そうしたちょっとしたコミュニケーションが大事だと思っています。
それが職員同士寄り添った瞬間になっていくと思うので、そうした小さな努力を続けると次の道が開けてくると思います。
副委員長より「ジョハリの窓」の説明
以前、事業所で大量離職がありました。
私はリーダーとして身を粉にして働いて頑張っているつもりでしたが、「もしかして自分にも原因があるのかな」と疑問に思い、それをチェックする方法として「ジョハリの窓」を実施しました。
「ジョハリの窓」には20項目ほどの質問事項があり、自分が自身について当てはまるものをチェックし、スタッフにも自分について当てはまるものをチェックしてもらうものとなっています。
その後、それを集計して、4つに分類します。
自分も他の方も選んでいるものを「解放の窓」に、自分しか選ばなかったものが「秘密の窓」に、自分は選ばなかったけど他の方が選んだものは「盲点の窓」に、誰も選ばなかったものは「未知の窓」に落とし込みます。
多く選ばれたから良いというものでもありません。
実際に私が行ったものを分析してみると、総じて相談しにくく、話しかけにくいリーダーだったことが見て取れました。
たとえば、誰も選ばなかった項目に「聞き上手」「リーダーの資質」「責任感がある」「親切」がありましたが、これを逆説的に見ると、聞き上手でも親切でも責任感もなくて、リーダにも向いていないことが読みとれるわけです。
この結果を見て、自分自身は一生懸命仕事していましたが、空回りしていたこと、安心して相談できるリーダーではなかったことに気付けました。
近しい人にアドバイスを求めた時、「あなたがしようと考えていることはすごくいいことだけれど、普段のふるまいやコミュニケーションの少なさを見た時に、みんなが付いていける人になっているかどうかが問題ではないですか」と言われて、自分も変わりたいと思い、メンバーから気軽に話しかけてもらえるリーダーになれるよう行動を変えました。
いつも笑顔を心がけたり、話しかけられた時に嬉しそうな反応をしたり、1か月間スタッフに、1日1個、私に用事を言いつけるというワークもしてもらいました。
そのうちにスタッフが話しかけてくれる回数が増え、2年後に再度「ジョハリの窓」をしてみると、「リーダーの資質」「責任感」「聞き上手」「親切」という項目が選ばれるようになって、離職も減っていきました。
私自身は「ジョハリの窓」がきっかけで行動を変えることができましたが、ジョハリに限らず、自分が人にどう見えているかは常に意識する必要があると思います。
ただ、相手から見た自分と本当の自分は全く別のものなので、相手からはそう見えているという事実だけ把握しておけばいいのであって、たとえば相手が自分をひどい人間だと思っていても、だからといって自分はひどい人間ではないというように、自分を守る上でも、そこはしっかり区別して考えておく必要があります。
<質問による補足>
・「ジョハリの窓」は当てはまると思うものに直感で丸を付けるだけなので、短時間でできます。
質問項目にはネガティブなことは書いていないので、チェックする上で抵抗感のないアンケートになっていると思います。
その項目を選ばなかったことで、そう思っていないことが分かるということで、たとえば「責任感がある」を選ばなければ、責任感があると思っていないことが分かるなどです。
というのも、分析結果を公表すると、スタッフは私を傷つけたと感じると思います。「みなさんからのチェックを元に、こういう前向きな気持ちになりました、だからこうしていきます」ということだけをフィードバックするのがいいと思います。
・行動変容については、自分のリーダーとしての10点満点の姿を改めてイメージして、そのイメージと、スタッフから見られている自分の姿のギャップを埋めるようにすればいいと思います。
私はまず「話しかけやすいリーダーになっていない」ことが分かったので、「話しかけやすい姿」をイメージし、いつも微笑んでいるなどしました。
なので、今の自分と理想の自分のギャップを言葉にしてみて、今の自分を理想の自分に近づけるにはどうしたらいいのかを考えることがいいと思います。
事業所毎の課題や取り組み
グループホーム
相談内容:現場の職員さんが「この入居者さんに困っています」などと言う場合に、当該の入居者さんを対象とした「ひもときシート」をよく実施しています。
ただ、発する言葉が「馬鹿」「分かんないよー」などに限られている入居者さんがおられ、その場合、「ひもときシート」がやりにくいと感じています。
もっとより入居者さんの視点に立って考えることのできるツールがあれば教えていただきたいです。
<質問による補足>
・入居後3か月頃から本人の声の強さが非常に強くなり、言葉も限られてきました。他の入居者さんからも「うるさい」と言われ、入居者さん間で言い合いになることもあります。
主治医の精神科医からは認知症の進行と言われており、薬の調整をしていただく中で、最近は徐々に言葉数も増えてきてはいます。
・入居時より、入居後3か月頃から本人の声の強さが非常に強くなり、言葉も限られてきました。
他の入居者さんからも「うるさい」と言われ、入居者さん間で言い合いになることもあります。
主治医の精神科医からは認知症の進行と言われており、薬の調整をしていただく中で、最近は徐々に言葉数も増えてきてはいます。
耳から入る音全てに反応しています。
職員や他の入居者さんの声、テレビの音、散歩中に遠くで聞こえる電車の音にも「うるさい」と反応しています。
現在は食事なども部屋で取ったりと、個別対応を取ることが多くなり、他の入居者さんと一緒に過ごすのではなく、場合によっては日中臥床傾向になる場面も多くなっています。
<参加者によるコメント>
・「ひもときシート」は、その方の全体像が見えてくるというより、その瞬間のその人の「ばかやろう」の理由は何だろうということを紐解くものだと思います。
時間帯・場所・相手によって、その理由や背景が変わってくるので、まず場面を限定して、その時の表情や室温、周りの音、誰に対しての言葉なのか、といったように、その瞬間のその人の感情を紐解くことが必要です。
そうすると言葉が少ない方に対しても情報の拾い出しが限定的にできると思います。
その上で、そこに認知症の症状がどのように作用しているか、環境にどう絡んでいたのか、以前のその方はどのような方だったのかを考えるためのツールです。
・音が作用しているかもしれないということがクローズアップされていると思います。
以前からそうだった可能性もあり、認知症になったがゆえに音を正しく拾い出せないとしたら注意障害の可能性もあります。
そういった認知機能障害があるとすれば、それが正しく働けるように静かな場所で過ごすというのは、仮にそれが部屋であっても解決方法の一つとしていいと思います。
その方がどならないように個別のところに押し込めるのなら、それはケアというよりは隔離ですが、その方にとって快適な環境、たとえば音が落ち着いてコミュニケーションが取れる環境を作り、落ち着いて食事をするというケアをしていると考えると捉え方も変わると思います。
【総括:高浜将之委員長】
グループホームについては、クライアントが増えたので職員を増やしてほしいということですが、ばたばたしながら現場にハレーションが起きるのは当然のことです。
ただ、2か月も経つとその状況に慣れるので、「忙しくなって大変」というスタッフの気持ち自体は受け止めて感謝を伝えつつ、スタッフがその環境に慣れるのを待つことが大切だと思います。
定期巡回では、管理者が委員会メンバーからあたたかいサポートをいただけたのはとてもありがたく、誇らしい委員会になったと思いました。
そして、「みなが仲良くするのは難しい」という話がありましたが、それはマネジメントをする上では重要なポイントだと思います。
リーダーになると、みなで同じ方向を見て仲良くしたいと思うものですが、人は群れで動く動物なので、262の法則にもあるように、2割がすごく働いて、6割は中間くらい、あとの2割は働かないものです。
働かない2割の人は集団から距離を置くので、全員が同じ方向を見て仲良くするのは難しいことです。
ただ、真ん中の6割は、上の2割の人たちがいい雰囲気で頑張っていると、そっちにつられるようになります。
マネジメントが失敗するときは、下の2割に6割が引っ張られる状況だと言われていて、下の2割をどうにかしようというマネジメントは上手くいかないとされています。
だからといって、真ん中の6割にアプローチするわけでもないんです。
マネジメントに重要なのは、実は上の2割の人たちをどう巻き込むか、そしてその2割の人たちに6割の人たちがどれだけ巻き込まれるようにマネジメントするかです。
これが一般的には上手くいくマネジメントの法則ですので、無理して頑張りすぎないのが重要だと思います。
居心地のいい人たちと、どう良い事業所を作っていくか、どう良いケアをしていこうかを考えて、そこに向けて動くと、6割の人はそこについていかないと生きていけないと思って引っ張られます。
すると、下の2割の人たちもついていかないと生きていけなくなるという心理が働くので、そのようなマネジメントを意識すると気持ちも楽になって進められると思います。
「ジョハリの窓」については、内容自体は気にしなくていいと思います。
自分自身が正義だと思っているのが人間というものでもあり、自分がなりたい姿を考えて、改善する一つのきっかけをもらうというような前向きな気持ちでしていただければと思います。















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