【高齢者地域生活推進委員会】第2回 勉強会レポート
テーマ
認知症になると、なぜあんなにも人は“かたくな”になるのか?
― 介護拒否という表現を捨てよう ―
開催概要
日時: 2025年12月18日 (木)17:00~18:00
講師: 坂本 孝輔氏(認知症専門の介護福祉士)
~認知症のある人特有の「かたくなさ」自己防衛・病識低下・感情残像~
「介護拒否」という言葉が招く思考停止
現場で多用される「介護拒否」という言葉は、実は専門用語ではなく「俗語」にすぎない。
この言葉をやめ「かたくなさ」に切り替えることを提案したい。
介護拒否という言葉を使うことで、介護側は「本人の意思だから仕方ない」と原因究明を放棄し、無意識に思考停止に陥るリスクがある 。
「拒否する(動詞)」ではなく、「かたくな(形容動詞)」と捉え直してほしい 。
それにより、「なぜ今、かたくなになっているのか」という本人の感情や背景に対する想像力を促すことができる。
1. 拒絶の正体は「自己防衛」
認知症の人が示す「かたくな」な態度は、攻撃ではなく、心を守るための「防具」を固めている状態です 。
2. 「病識の低下(メタ認知)」の低下と被害妄想
自分自身の記憶障害を自覚できない。
客観的に自分を把握する能力(メタ認知)」が低下することで、周囲との認識のズレが生じてしまう。
これは、健康な人でもよくあるものだが、記憶障害があっても病識があれば、家族などに支援を求めることができる。
・対応の心得:説得や論破をせず「安心」に置き換える。
「自覚」がない相手を正論で動かそうとすることは、かえって自己防衛本能を加速させ、かたくなさを生み対立を招くだけとなる。
「わからせよう」とする押し付けをせず、まずは相手の不安を取り除くことにがケアのポイント。
3. 感情の残像:扁桃体に刻まれる記憶
認知症が進行し、出来事そのものを忘れても、脳の「扁桃体」が感じた不快感や恐怖は「感情の残像」として長く残ってしまう現象を、感情残像という。
・メカニズム:直前に嫌なことがあっても、その理由は忘れてしまう。
しかし、「不安」「恥」「怖さ」「嫌な感じ」だけが残っているため、その後の食事や入浴の誘いに対して理由なき拒絶反応(かたくなな態度)を示す。
【結論】
誰もが持つ自己防衛本能が、病識低下によって過剰に働き、そこに感情残像が上書きされ続けている状態が「かなくな」さを生んでいる。
態度や普段の振る舞いから安心できる環境を作り、「説得・論破」をしない。
ケアを前進させるには、「介護拒否」という言葉を捨て、「かたくなさ(心が一時的に閉じている状態)」と捉え直すことで、「拒否」という言葉による思考停止を防ぎ、本人の感情に寄り添う視点が必要。
「いいひとメソッド(技術)」を使い、相手に「この人は味方だ」という安心感を抱いてもらい、自ら心を開ける環境を整える、この「関係性の構築」が、ケアをスムーズにする鍵となる。


以上














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