竹害を竹益に 【竹林プロジェクト】
就労継続支援B型事業所「あぐり工房土屋」
管理者 井上早織
2023年3月7日(月)8日(火)山梨から
株式会社土屋高浜将之(常務取締役・高齢者地域生活推進員会委員長・地域密着型サービスゼネラルマネジャー)
株式会社アトリエDEF 代表取締役 大井明弘様
社長室 環境事業チーム チームリーダー 植松和恵様、
環境事業チーム 嶋亜香里様(計4名)が
三重県名張市の株式会社アグリーが所有する約1万坪の耕作放棄地を視察に来られました。
縁あって所有することになった1万坪の耕作放棄地は、これまでNPO法人あぐりの杜と株式会社アグリーが連携し、「あぐりの杜プロジェクト」として少しずつ整備を進めてきました。
当初竹害で足を踏み入れることすらできなかった荒れ地に道を作ることからはじめましたが、竹の根っこは非常に強くしっかり地面にはびこっているため、道を作るには、まずその大きな根っこを掘り起こさなければならず、先の見えない根気のいる作業をひたすら続けてききました。
その結果、今では軽トラが通れるくらいの道ができ、キャンプやイベントができるような広場もでき、少しずつ木漏れ日が入る素敵な森へと整備されてきました。
今回は、荒れ地を整備する上で発生する「竹」について、有識者である株式会社アトリエDEFの皆様に現地をご視察いただき、「竹害」を「竹益」にするべく有益な材料として活用する方法を竹炭づくりの実践も行いながらレクチャーしていただきました。
株式会社アトリエDEF様が長年取り組まれた自然素材で建てる家づくりの考え方や環境事業「環と環」の活動で生産されている「竹」を使った商品の説明などそのノウハウは「人」が豊に暮らすための知恵の提案そのものでした。
荒れ地の整備はまるで宝探し。
その使い道を知り、うまく生活や暮らしに取り入れ循環させることで「害」は「益」に変わります。
株式会社アトリエDEF様は建築の会社でありながら、その域を超え、地球環境にやさしい素材づくりから手掛けることで持続可能な暮らしづくりに力を入れ、様々な活動をされている組織です。
今回は特に竹の活用法についていろいろなアイデアをいただきました。
中でも竹からつくる炭は消臭や防湿の効果が高く、様々な分野から注目を浴びています。
今後も株式会社アトリエDEF様と交流を深め、ご指導を仰ぎながらあぐり工房土屋としても環境問題に取り組んでまいりたいと思います。
将来的には、就労継続支援B型事業所あぐり工房土屋の就労訓練の一環として、竹炭づくりを主とする「森づくり部門」を創設することで、農(農業)×福(福祉)に環(環境)が加わる素晴らしい事業に発展できるのではないかと期待を膨らませております。
農×福✕環の持続可能な暮らしのロールモデルとして
名張市は大阪と名古屋のちょうど真ん中ぐらいに位置し、人口は約8万人、自然豊かな地域ですが、近年急速に人口減少が進んで家は空き家化、それに付随して耕作放棄地が増え問題が徐々に深刻化しています。
中でも東田原は昔から存在している集落で、約600世帯が暮らしており、由緒ある古民家が今も点在していますが、年々後継者が減り、残念なことに空き家化が進んでいます。
縁あって株式会社アグリーが東田原の空き古民家「福井さん家」と「中尾さん家」を管理することになり、その周辺の耕作放棄地も委ねられることになりました。
2015年には両古民家と周辺の耕作放棄地を株式会社アグリーが所有することになりました。
株式会社土屋では、この事業を(CSRorCSVorSDGs)部門として、農×福✕環の持続可能な暮らし(orコミュニティ)のロールモデルとして位置づけ、様々な部署と連携しながら発展させていければ、社会(地域)貢献度の高い企業として認知されるだけでなく、社員の研修の場としての活用も有効であることから、様々な相乗効果が見込まれると思います。