
【リスクマネジメント委員会】定期レポート8月分 2026年8月度(グループ全体集計)
2026年8月度のご報告
当委員会では、「事故報告書やヒヤリハット報告は、ミスに対する反省文や始末書ではなく、次の事故を防ぎ現場を守るための貴重な財産である」という基本方針を掲げています。
8月度は、ヒヤリハット報告が70件寄せられました。
事業所ごとの特性に応じた「ハッとした体験」や危険の兆候が積極的に報告されており、現場のリスク感度の高まりを示す貴重な情報として収集されています。
事故報告においては、「室内での転倒」および「確認不足によるミス」が全体の半数以上を占めたほか、鍵紛失や猛暑に伴う体調不良(熱中症)など季節・生活環境に起因する事案も確認されました。
各事例の背景を分析し、組織的な未然防止・予防対策を進めてまいります。
事故・ヒヤリハット発生状況(全体)
2026年8月に報告された事故・ヒヤリハットは、合計153件でした。
・行政報告対象外事故:73件(約48%)
・ヒヤリハット:70件(約46%)
・職員被害事案:3件(約2% ※うち1件労災手続き中)
ヒヤリハット発生状況 ワースト5(全体70件)
| 順位 | 内容 | 件数 | 割合 |
| 1位 | 他害暴力 | 16件 | 約22.9% |
| 2位 | 転倒転落 | 15件 | 約21.4% |
| 3位 | 不穏 | 8件 | 約11.4% |
| 4位 | ヒューマンエラー | 6件 | 約8.6% |
| 5位 | 外傷 | 4件 | 約5.7% |
| 5位 | その他 | 4件 | 約5.7% |
| 5位 | 予期せぬ動向 | 4件 | 約5.7% |
※8月のヒヤリハットは特定拠点・事象に集中する傾向が見られました。
事業所の特性に合わせた個別ケアの見直しや環境整備を進めています。
事故内容別 件数集計
【行政報告対象外73件】
| 順位 | 内容 | 件数 |
| 1位 | 転倒 | 23件 |
| 2位 | 服薬関連 | 11件 |
| 3位 | ヒューマンエラー | 8件 |
| 4位 | 他害 | 7件 |
| 5位 | 交通事故 | 6件 |
| 6位 | 物損 | 5件 |
| 7位 | 遅刻 | 4件 |
| 8位 | 外傷 | 2件 |
| 9位 | 緊急搬送 | 1件 |
| 9位 | 誤嚥 | 1件 |
| 9位 | 支援中の居眠り | 1件 |
| 9位 | 熱中症 | 1件 |
| 9位 | 離設徘徊 | 1件 |
| 9位 | 鍵紛失 | 1件 |
発生件数が多かった項目(ワースト3)
▸ 1位:転倒(23件)
ベッドからの滑り落ち、歩行器のブレーキ未完了、立ち上がり時や車椅子でのバランス崩しなど、室内での発生が大半を占めています。
転倒リスクに対する予測と見守り体制の強化が必要です。
▸ 2位:服薬関連(11件)
寝薬の提供忘れ(サービス介入漏れ)、記録不備による誤薬、落薬などが発生しました。
確認不足を防ぐため、確実なダブルチェックと手順遵守の徹底を進めています。
▸ 3位:ヒューマンエラー(8件)
予定変更の伝達・確認漏れによる訪問未了、医療器具(カテーテル等)の誤使用、郵便物の誤廃棄などが発生しました。
業務手順の標準化と情報共有体制の再確認が求められます。
行政報告事故の状況(7件)
| 内容 | 件数 |
| 転倒 | 2件 |
| 救急搬送(てんかん) | 1件 |
| 転倒骨折 | 1件 |
| 離設徘徊 | 1件 |
| 服薬忘れ | 1件 |
| 鍵紛失 | 1件 |
・転倒:居室にて転倒しているのを発見(頭痛・大腿部痛み訴えあり、外傷なし、経過観察)
・救急搬送:居室での発作持続に対し頓用薬投与を行うも改善せず救急搬送・入院(基礎疾患起因、緊急時手順に沿った迅速対応を実施)
・転倒骨折:夜間にポータブルトイレ移動時転倒し左大腿骨骨折(腰痛悪化による筋力低下が要因。退院後の立位安定まで移乗介助の徹底および報告体制の再確認)
・離設徘徊:訪問時に不在が発覚し、徘徊・一時行方不明となる。
その後、近隣病院へ緊急搬送されたことが判明も、肺炎で入院(せん妄の可能性、退院後の支援内容見直しを検討)
・服薬忘れ:昼食後の薬の服薬声かけを失念し、翌日薬を発見(体調変化なし、日報への記載等を再徹底)
・鍵紛失:支援時に使用したキーボックスの鍵を戻し忘れて紛失(帰り際の確認徹底を全スタッフへ周知)
職員被害・労災事案(3件 / 労災手続き中:1件)
- 強度行動障害の支援中、クライアントより他害行為を受け職員2名が負傷(目を殴られる・噛みつき、通院実施、労災手続き中)
- 支援終了後の帰宅時、信号待ち中に後方から追突される交通事故(頸椎捻挫・腰椎捻挫の診断、通院・リハビリ対応)
- 自傷行為を制止しようとした際、クライアントより右手首を噛まれる他害事故(手首腫れ・内出血。立ち位置の工夫や声かけの調整を徹底)
まとめと今後に向けて
今月のまとめ
8月は全体で153件の報告があり、行政報告事故7件、社内事故73件、ヒヤリハット70件となりました。
社内事故においては「室内での転倒」と「スタッフの確認不足によるヒューマンエラー・服薬ミス」が全体の半数以上を占めており、日常的な基本動作や手技の見直しが引き続き重要です。
また、ヒヤリハット報告(70件)の分析からは、事業所ごとの傾向が顕著にあらわれ、拠点特有のリスク領域が明確になっています。
今後の課題と対策(重点目標)
転倒リスクに対しては、個々の身体状況に応じた見守りの強化や歩行補助具の見直し、マットセンサー等の環境整備を進めます。
服薬管理や鍵管理、スケジュール確認などのヒューマンエラーに対しては、個人の不注意として終わらせず「二重確認(ダブルチェック)の徹底」と「確実な手順の遵守」を組織として仕組み化します。
さらに、ヒヤリハットで明らかになった事業所ごとの特性に合わせ、強度行動障害や不穏状態に対する個別ケアプランの改訂、スタッフの安全確保とメンタルサポート、訪問拠点における手順の標準化を重点的に推進してまいります。
前月との比較(改善・悪化の視点)
7月と8月を比較すると、総件数は128件から153件へと増加しました。
ヒヤリハット報告数が52件から70件へと増加したほか、行政報告対象外の事故も63件から73件へと微増しています。
事故傾向としては、「転倒」および「服薬関連」が主要なリスクの上位を占める構造に変化はありません。
一方で、8月は「鍵紛失」や「熱中症」、支援中の強度行動障害に伴う「他害事案」など、現場の個別環境に依存するリスクが表面化しました。
今後も「ヒヤリハットを積極的に集め、背景にある課題を可視化する」という委員会の基本方針のもと、事業所ごとのリスク傾向に応じた予防策を速やかに実行してまいります。













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