【高齢者地域生活推進委員会】定例レポート 7月分

【高齢者地域生活推進委員会】定例レポート 7月分

開催概要

開催日:2026年7月16日
開催場所:オンライン

当日のアジェンダ概要

1 地域活動について
2 事例共有:若年性認知症の動画共有
3 マネジメント状況報告(定期巡回)

当日の定例レポート

当日のミーティングでは、定期巡回による認知症カフェの取り組み発表や、今後の障害福祉事業部との連携予定が共有されました。

また、デイホーム土屋より若年性認知症事例の動画が共有され、当事者の内面に寄り添うケアの重要性や現場での対応策が議論されました。

また、事業所が抱える課題をもとにマネジメント支援についても活発な意見交換が行われました。

地域活動について

先月、定期巡回サービス土屋の管理者を講師に迎え、認知症カフェの開設から現在に至るまでの取り組み、苦労した点、そして得られた成果についてご発表いただきました。

▸参加者数: 17名(高齢福祉事業部からの参加が中心)

▸アーカイブ配信後の反響:過去最多となるアンケート回答を得られ、「発表内容が非常に分かりやすかった」「自分たちも地域活動に取り組んでみたい」といった声が挙がりました。

特にホームケア(障害福祉事業部)のスタッフからの回答が多く寄せられています。

今後の展開

今回の発表をきっかけに、高齢福祉分野だけでなく障害福祉分野においても「地域に貢献できることはないか」という機運が高まっています。

現在、ホームケア領域でサポート可能な取り組みや人材について確認・検討を進めております。

事例共有:若年性認知症の動画共有

≪共有動画の概要≫共生型デイサービスにおける若年性認知症の支援事例

デイホーム土屋より、若年性認知症のクライアントの日常の様子や症状の変化を収めた動画が共有されました。

言葉だけでは伝わりにくい実際の行動や支援の工夫を可視化・理解することを目的とした報告です。

1. クライアントのプロフィール
  • 年齢・性別: 40代後半(男性)
  • 診断名: 前頭側頭型認知症(FTD)
  • 主な症状: 排泄失行、失語、異食傾向、脱抑制行動など
  • 趣味:アニメやジブリ、音楽鑑賞・イラスト制作が好き。
動画で共有された主な様子と支援状況
・おやつ作りやレクリエーションに参加。
ただ、投球は難しく、ボールを口に入れようとする(異食)傾向が見られる。
・食事はスプーンで自力摂取可能も、飲む行為自体を忘れつつあるため自発的な水分補給を促している。

・決まったルートを歩く傾向はあるが、どこかに行ってしまうこともある。

好きなアニメ動画を流すと落ち着いて鑑賞する様子が伺えるが、最近は椅子に座るのも難しくなってきているため、声かけや付き添いによる個別対応を継続している。

・文字執筆では丸などを繰り返し書く現象が見られる。
名前は書くことはでき、細やかな筆致を残す場面もある。
3.今後の展望

発症から約4年が経過し、症状の進行スピードや行動の変化を知ることで、若年性認知症への理解と現場支援への気づきを得ることができると思います。

今後も状態の変化や症状の経過を継続して追い、知見を共有・蓄積していく予定です。

質問への回答

・課題は異食傾向(他の方のおやつやコップに口をつけてしまう等)です。

その対応には苦慮していますが、制止するのではなく上手く別の場所に誘導するよう意識しています。

また、様々な年代のご利用者がいる共生型なので、他ご利用者が自然に声をかけフォローしてくれる良い空気感があります。

・他のクライアントからのクレームはよくありますが、もう皆さん慣れてしまって、当たり前の日常になっている感じです。

苦痛になるクレームはありません。

参加者の感想・意見

・現在意思疎通支援研修を受講しています。

失語症の方は「ひらがな」よりも「漢字や記号」の方が理解しやすい場合があるそうですので、関わりの参考に共有します。

・若年性認知症の方は体力があるため動く量が多く、対応の難しさを改めて実感しました。

自事業所でも若年性アルツハイマーの方がおり、走ってどこかへ行ってしまうケースや、制止した際の他害傾向(胸を押すなど)、外出時の見守りで残業になるなど職員の負担増加が課題となっています。

GPSの導入や、その方とのコミュニケーションに専念するため配食サービスの活用などを検討していますが、理念とのバランスに悩んでいます。

対応できる職員もいるので関り方に改善の余地はあると思っています。
⇒発表者のコメント本人の幼少期〜若い頃の生活歴や好きなことを家族から深くヒアリングすることが重要だと思います。

その上で、アテンダントにも共有しながら、対応を考えるのがいいと思います。
また、統一したケアを徹底することが事故・リスクの回避につながると思います。

・私自身が対応した若年性認知症の方とは異なる症状が多く見られ、学びになると同時に、私と同世代の方が「できないこと」が増えていく姿に切なさを感じました。

応援しています。

⇒発表者のコメント私も「昔はよく笑っていた」というご家族の言葉には切なさを感じます。
元気で生活してほしいというご家族の希望に沿って対応を続けています。

坂本副委員長によるアドバイス

1. リーダーとしての姿勢と職員への配慮

ケアが得意なリーダーほど、「自分が対応できるのだから周りの職員もできるはず」と思い込まないよう注意が必要です。

トップが前向きすぎると、現場の職員が弱音や課題を言えず、我慢して一人で抱え込んでしまうジレンマが生じてしまいます。

職員が無理なく声を上げられる環境づくりを意識することが大切です。

2. 「切なさ」を感じることの大切さとモチベーション

映像を通して言葉以上に現場の様子が伝わってきました。
同世代の方が認知症によって変化していく姿に「切なさ」を感じることは、ケアに寄り添う重要なモチベーションになります。

この感覚がないと、支援が単なる作業や業務になってしまうため、非常に大切な感情です。

3. コックピットケア(本人の内面・人格へ寄り添う意識)

介護する側のモチベーションをどう整えるかは、どのようなケアをするかと同じぐらい大事なことです。

認知症により身体機能(ロボット)が低下していても、その内面には元々の経歴や個性を持つ「ご本人(パイロット)」がしっかりと存在しています。

「中のパイロット」を意識した関わりが重要だと思います。

4. できた部分を肯定的に捉える(スモールステップ)

前頭側頭型認知症の方はストレスに弱く、作業を継続することが難しい傾向にあります。

「最後までできなかった」と捉えるのではなく、「丸が数個書けた」「1つできた」と考えていただき、それを1日の中で積み重ねていくことが望ましいです。

5. 落ち着いた対応がもたらす良い環境

他のご利用者からクレームではなく、「また口に入れているよ」などの声が上がるのは、職員が慌てず落ち着いて対応し、本人の行動を受容しているからだと思います。

その姿勢が、日常の当たり前の場面として他のご利用者にも捉えられていると思うので、いい施設だと感じます。

6. ケアの限界の見極めと次のステージへの移行

職員やご家族を守るために「どこまで対応できるか」の限界を見極めることも大切です。

次のステージへ移る場合は、スムーズにそのステージに移行できるようサポートすることも、重要なケアの一環だと思っています。

マネジメント状況報告(定期巡回

議題:マネジメント状況報告(指示が伝わらないアテンダントへの対応)

1. 相談内容の概要
・口頭での指導、同行支援による実演、事細かに記載した「手順書」の作成などを行っているが、手順書通りの支援が行われない。

・「部屋に入る前に手順書を読む」ルールが守られず、手順書に書いてある内容を電話で質問してくることが繰り返され、管理者・計画作成責任者等が精神的に疲弊している。

もっとも、「薬を飲んでもらう」という手順書にもかかわらず、「薬を飲ませていいんですか?」という電話があるなど、介護技術以前の、非常に基本的な業務指示の段階での悩みではある。

・周囲のスタッフはできていて、その1人だけができていない状態になっており、対象者が孤立しかけている。
⇒どのようにしたら、当該スタッフに我々が望む支援の統一ができるのかについて、アドバイスをお願いします。
2. 参加者からの意見・アドバイス
・同様の悩みを抱えています。
一度頼んだことを継続してもらえなかったり、途中でやめてしまったりする際の指導・注意の難しさを感じています。

・経験者ほど我流になりやすく指導を拒否しがちですが、その中には有用な支援方法もあると思います。

なので、頭ごなしに否定せず「目的(ゴール)が同じであれば多少のやり方の違いは容認する」スタンスで接しています。

やはり、「それが絶対にいい」という介護はないと思うので、日々考えてケアしていくことで、その人に合った介護ができると考えています。

全員がロボットのように全く同じ動きをする必要はないと思いますし、基本姿勢さえ合っていればいいと思っています。

・1対全体で発信しても当事者意識が薄れるため、まずは思いに共感してくれるスタッフを1人ずつ増やし、「正しく動く人が多数派(当たり前)」となる雰囲気を作っています。

・根気強く頑張って指導せねば何ともならないと思います。

私自身は、そのようなスタッフに対しては、「どう思う?」「服薬させた方がいいと思う?」などと自ら考えさせる質問を繰り返しています。

ある方は半年から1年かかりましたが、根気強く問いかけを繰り返すことで孤立や離職を防ぎつつ、自走を促すコミュニケーションが大切だと思います。

総括(小川力信委員長)

各事業所がさまざまな課題を抱える中で、本委員会がまさに「ハブ」となり、さまざまなアイデアや意見が飛び交う活発なディスカッションの場として機能していることを実感いたしました。

俯瞰して見守る中で、大変感慨深く思っております。

参加者の皆さまがこの委員会に愛着を持ち、前向きに関わってくださることが、今後のさらなる発展につながると思っておりますので、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

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