【Well-being委員会】Well-being委員会の発足に当たって~委員長メッセージ~

Well-being委員会の発足に当たって
~委員長・高浜敏之代表取締役からのメッセージ~

当社は創立以来、従業員の幸福度を高めることを目標にしてきましたが、この度、会社の基盤も固まったことより、かねてからの念願であるWell-being委員会を発足しました。Well-beingは「幸福」「良い状態」を意味しますが、会社としても従業員のより良い状態を生み出すべく、力を入れていく所存であり、委員長には私、高浜敏之が就任させていただきます。

委員会発足の理由としては、当社でも依然として一部に残る過剰労働が端緒ではありますが、労働におけるストレス解消法としてアルコールに耽溺する方も見受けられます。私自身、30代の頃にアルコール依存症になり、生活保護を受けるなど大変な目にも遭いましたので、これはなんとかしたいと。適切な形で自分自身のメンタルヘルスに取組める方法を、当事者の立場から発信していく考えです。

委員会の方針~従業員本位の取り組みを~

基本的には過剰労働の解消や、メンタルサポートによる高ストレス解消などが大きな柱となります。

過剰労働に関しては人事労務部門で以前より取組んではいますが、本委員会で重視しているのが「従業員本位」の取組みであるということ。やはり、過剰労働や高ストレスの解消と言った場合、過労死や離職等、人的資本を失うことへのリスクヘッジという「組織本位」の面が強くなります。もちろん、それはそれで大切なことですが、当委員会では従業員を中心に考えたい。なぜなら従業員にとって、その状態は「ハッピーではない」から。

事業を運営してきた中で、目的が違うと、同じことをしていても最終的に結果が違ってくることを痛感しているので、こうした視点でWell-being経営に向かうことで取組みのニュアンスも変わってくるはずです。

また私自身、現場目線を忘れないために、2022年に久しぶりに現場の支援(医療的ケア児の日中生活介助)に8か月ほど入りましたが、これが非常に自身の益となり、日中短時間サービスの重要性を再認識したところから、プロジェクトチームの創設および賃金体系の刷新を提案しました。こちらは実際に形になりつつありますし、医療的ケア児に対するサービスに力を入れていくことにもつながり、トップダウンが功を奏したと思われます。組織の階層性を守ることは大切ですが、ここに代表取締役が委員長を兼ねる意味もあると思いますし、会社全体にとってプラスだと考えています。

アディクション(依存症)からの脱却

アディクションには、はまってしまうと、そのこと自体を客観的に自覚できなくなるという特徴があります。私自身、アルコール依存症だった時は、これが人生で一番楽しいことだと思っていましたが、止めると幸せになりました。これははっきり言えるんです。お酒を飲んでいるときは、これが究極の幸せを自分にもたらすと思っていますが、いつか、それは究極の幸せの種ではなくて不幸の種だったことに気づくんです。そういうものなんです。

結局、仕事を辞めて生活保護を受けながら依存症回復支援施設に通うことになりましたが、そのコミュニティのメンバーも、はたから見ると、不幸の塊のように見えるかもしれません。けれど、中にいるとそうじゃない。依存症で底をついて、回復の道を歩んでいる人の方が、猛烈に仕事をして大酒を飲んでいたり、依存しながらそれに気づきもしないで不適切な行動をしている人よりどう見ても幸せそうです。幸せな人って、日常の所作など見た目で分かるものです。私は従業員に「幸せ」になって欲しいんです。

また、アディクションはアルコールだけにとどまりません。ギャンブルや、場合によっては対人関係もこの対象に入ります。心身の健康を破壊する行為だというのは明らかで、Well-beingの対極に位置するものです。本委員会では、依存的な行動を抑止するための啓発活動を行い、アディクションの全体像を知っていただくことで、歩む方向を変えてもらうためのきっかけになることを、当事者として願っています。

*2023年9月28日、株式会社山口達也 代表 山口達也氏(元TOKIO)との対談トークイベント開催予定

介護業界におけるWell-being経営に向けて

介護業界には日夜欠けることのない支援が求められ、当社もまた24時間365日のサービスをしています。そうした中で夜勤の問題があり、これがWell-beingとミスマッチとされる所以ですが、介護業界において組織の発展とWell-being経営は実は連動しうる可能性があると思っています。

というのも、夜勤に専従したいと思われる従業員のほとんどが、高収入の維持を理由に挙げています。夜勤をして下さる方には本当に感謝しかないですし、その方たちのおかげでクライアントの生活を24時間見守れる環境が作れています。我々の事業をまさに支えて下さっているわけですが、身体がきつい中でも収入のために夜勤にとどまるのは一つの通過点であるべきです。ずっとそんな状態に身を置かせていてはいけない。そんなことをしなくても、同じような対価が得られる場所に身を移せるよう、我々がすべきことがWell-being経営です。

例えば日勤3~4日、夜勤が1~2日といったように、バランスの良い就労環境を整える必要がありますし、精神的にも肉体的にもヘルシーな状態でありながら、経済的にもポジティブな状態を作らなければならない。そのためにも当社が発展し、経営体力を付けることが不可欠です。そうすると、キャリアアップや就業チャンネルもどんどん拡充し、ヘルシーな選択を提案できる人も増えるなど、働き方改革にもなりえます。

当社はこれまで介護難民問題の解消を目指して社の発展を急いできましたが、従業員の賃金面での待遇改善や健康、メンタル、個人のライフの改善というWell-being経営を追求するためにも、社の成長を促進していきます。

主な活動内容

現在、以下の4つの実施に向け、上層部で試用を行っています。

  1. 1on1ミーティング
  2. マインドフルネス
  3. 幸福度診断
  4. アサーティブコミュニケーション研修

来期以降、効果があると思われるものを順次、推進していく所存です。また、著名人によるセミナーも実施予定です。

さいごに

私たちが住む日本では、仕事の評価が圧倒的な優位性を持って存在しています。そうした中ではコンディションを優先することも「悪」だとなりかねず、これが企業体においてWell-beingが軽視される流れになっています。けれど放っておくと、従業員それぞれが自身や部下などに刻苦勉励を課していくことになるので、ここは食い止めたい。もっとも、あまり過剰にWell-being経営に向かいすぎると組織の危機にも陥るので、バランスを保つことも重要です。Well-beingというのは到達点がなく、追求し続けるテーマです。本委員会では、従業員の幸せな状態を軸において、Well-being経営を推進していきます。

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