【高齢者地域生活推進委員会】定例レポート 2025年7月17日
開催概要
開催日:2025年7月17日
開催場所:オンライン
当日のアジェンダ概要
- 前回からの事業所毎の課題や取り組みの進捗等(グループホーム)
- デイホームの取り組み発表
- 定期巡回における支援内容の統一について
当日の定例レポート
当日の定例ミーティングでは、管理者の不在時に代わりを果たせる人材の育成という、多くの事業所が抱える課題について、さまざまな意見が出されました。
また、関係性の構築が困難なアテンダントに関しての相談ならびに、それに対するアドバイスが各人から提示され、白熱したディスカッションが行われました。
前回からの事業所毎の課題や取り組みの進捗等
グループホーム
<顧客創造活動>
現在、入居者4名で全員女性です。
入居予定の方は1名で、見学・相談については短いスパンで来訪があり、都度対応中です。
先月末から今月に2名が入居されたことで、ホームの雰囲気は明るくなっています。
クライアントからも「ここは自由でいいですね」という声もいただいており、好印象の反応があるほか、地域の自治会長さんより、「以前は評判も悪く、地域でも『あそこは止めておけ』という話ばかりだったが、土屋さんに代わって管理者に会ったときの印象が良く、対応も丁寧で安心感があった。
過去のイメージが根強く残っていて、それが先行しているのがもったいないが、評判を変えていくチャンスだと思うので頑張ってください」との言葉もいただきました。
地域密着型サービスとして、信頼を重ねながら過去のイメージを払拭し、現方針は継続しつつ、よりよい生活環境を築いていくよう努力します。
<チームビルディング>
・元調理スタッフ(非常勤)より、年齢により移乗ができないという相談があります。
「工夫をして、このようにやってみたら」と手技を伝えても、「できない」という回答が繰り返しある状況です。
その中で、他のスタッフから「賃金は同じなのに業務内容が違うのは不公平」という指摘も上がっています。
今後は上長とも相談の上、対応する予定です。
・他の元調理スタッフから「介護職が楽しめない」との相談があります。
「やってみるが、無理なら退職も考える」という話も出ており、まずは今月にどこまでできるかやってみて、それから考えるということで話がまとまっています。
・何度も同様の指導が必要で、なかなか改善が見られない常勤アテンダントがいますが、クライアントに対しても失言があり、態度にも課題があります。
指導した際には反省の色は見えますが、結局改善せず、今後は指導だけでなく文書も残しつつ改善を図る方向です。
・自分が不在の時に、適切なケアが提供できているのか、クライアント自身が安心してのびのびと生活できているのかについて不安があります。
今の状況ではマネジメントや自身の業務にもなかなか自信が持てず、チームの安定性に引き続き課題を感じています。
<上長による補足>
良い報告としては、要介護1の方が2名増えたので、その方たちと一緒に調理したり、ストレッチダンスもしたりと、ホームが明るくなって雰囲気が変わりました。
クライアントも対話ができる相手ができたことで、テレビの前で談笑するなども見られます。
一方でアテンダントさんたちからはいろいろ意見が出てきており、指導が必要な方も多い状況です。
退職についても、お互いのためなら受け入れて、次に進んでいきたいと考えており、異動も視野に入れて、色々な業種を経験していただくのもいいのではと思っています。
<参加者からのコメント>
・管理者の努力で、地域での風向きも変わってきており、今後は入居者さんの生活している姿を地域の方に見ていただければ、よりグループホームの変化や良さが伝わっていくと思います。
また、以前のグループホームでは当たり前だった良くないケアが変わりつつある中で、その変化に乗れていないスタッフを今後どうしていくのかは大変だとは思いますが、
来月には外国人スタッフの受け入れが控えているので、今のグループホームの当たり前のレベルをどこにもっていけるかが大事な問題になると思います。
・事業所の課題がはっきり見えたことは良かったと思います。
管理者が色んなスタッフに働きかけた結果、改善すべきポイントもはっきりしたので、すっきりした感じもしますし、あとは管理者だけで背負うのではなく、我々も力を合わせて、我々の課題として解決していくことが明確になったと思います。
・先月、私の職場でもスタッフの大きな不祥事があり、中核スタッフが急に退職するという出来事が起こってしまいました。
ただ、土屋は規模が大きいので、人事異動の手段があるのは羨ましいです。
ポジションが変われば目先も変わり、その方たちにもチャンスが生まれるので、チャレンジできる環境が整っているのであれば、その規模を有効活用していただきたいと思います。
・地域の方と話し合う機会が、地域と事業所の信頼回復のきっかけになることに驚きました。
管理者の人柄と、接した時の印象で、「事業所が変わった」と思ってもらえたということは、やはり管理者が事業所の強みだと思います。
・管理者が不在の時の仕事のありさまが心配ということですが、やはり管理者の方向性を理解して、代わりに現場で発信してくれるナンバー2になる人がいないと、管理者の理念や信念が徹底していかないと思いますので、そこは課題に感じました。
デイホームの取り組み発表
<取り組み内容および相談>
スタッフとのコミュニケーションの場を作る必要性から朝礼を開始しました。
少しは効果があると思われるので、現在も引き続き行っています。
ただ、最近は声を掛けられる方とはお話しをする時間も設けていますが、どうしても難しい方もいて苦戦しています。
先週、あるクライアントから「職員Aさんの対応が悪い」という話を聞きました。
自分に話しかけてくれることがない、湯に入れずにシャワーしかしてくれない、態度や雰囲気も悪くて少し怖いという印象もあるとのことで、Aさんに注意したいところではありますが、私自身Aさんとまだ関係性を築けていないので、どのように注意すればいいのか悩んでいます。
注意をして、今以上に仕事がしづらくなるのが自分自身嫌だと思っていて、なかなか話を進めていけない状況です。
クライアントには「名前は出さないで」と言われていますが、分かってしまうとは思うので、どう対応するかが今の課題です。
<質問による補足>
・Aさんと話をするのは、絶対必要な業務のことのみで、避けられているのか、気づいたらいなくなっています。
目も合わないです。
他のスタッフにも、私によりはましですが似たような感じで接していて、自分からそういう形を作られているように感じます。
<参加者からのアドバイス>
・まずはAさんとコミュニケーションを取るところからスタートするのが良いと思います。
コミュニケーションの頻度を意図的に増やすことで、距離を近づける努力をまずしてみるのが良いと思います。
毎日挨拶するなど自分の中にルールを決めて、それが続くと次は趣味の話など一言だけ話すなどして、自分からコミュニケーションを取るという意識をいったん持つと何か変わってくると思います。
・最低限の会話しかしていない状態では、急に指摘をしても反発が出るだけだと思います。
なので、Aさんとのコミュニケーションを少し増やして、話しができる環境を作ってから注意等をするのが効果的だと思いました。
私も同じタイプで、苦手意識を持つと目を合わせるのもきついと感じます。ご自身が今Aさんに抱えている気持ちを言語化してもいいと思います。
たとえば「苦手です」「嫌悪感を持っているかもしれない」など、まずはAさんに対する気持ちを文字などに表してみて、自分とAさんの状況を自覚して、その上でどう対応するかを考えるのがいいと思います。
・私は苦手意識をもった人と、もう一度関係を取り戻すのは苦手なタイプなので、これがもう少し早い段階だったらなんとかできたと思います。
Aさんの家族構成なども知らないということですが、そこのコミュニケーションのなさが、もともとの根っことしてあったかもしれないので、今からできることとしては、Aさんには難しいと思うので、
事業所の他のスタッフさんたちがどんな人と一緒に暮らしてるのか、家族に対してどんな悩みがあるのかなど、クライアントにしているように職員のアセスメントシートを埋めていくことが重要だと思います。
その人を知っていくと他人ごとでなくなり、「困った職員だな」と思っても、「なんとかしてあげなきゃ」という気持ちになったりするので、今後の課題としてはそれを日々努力して行っていくことだと思います。
・Aさんとの関係性をどう取り戻せるかはということはありますが、私もそこまで苦手意識を持ってしまった人といい関係を作る自信は正直ありませんし、Aさんの利用者さんに対する対応が改善できないと、ある程度見切りを付けることも必要だと思いました。
事実を文書に残して、「これを3回繰り返せば、仕事をどうしますか」など、専門職としての資質としても、この線を踏み越えたらしっかり向き合ってもらうといったことを具体的に考えてもいいと思います。
上長と相談しながらAさんとの話し合いを進めていくことも考えねばならないと思います。
定期巡回における支援内容の統一について
<相談内容>
現在、計画作成責任者(訪問介護のサ責)、マネジメント、人手が足りない時は現場にも入り、3つを兼務している状況です。
その中で、支援の統一まで行き届いておらず、人によって支援に時間がかかったり、逆に支援が早く終わったりしています。
クライアントへの寄り添い方の問題だと思いますが、ある人は手順書通りにして、ある人は寄り添いたい気持ちが強くて手順書にないことをして長く現場にいてしまう。
クライアントからすれば、寄り添って長くいてくれた方が好ましいので、手順書通りに進めるアテンダントは評価が悪くなってしまいます。
そのため、定期巡回で行うサービスの内容を統一したいのですが、それに当たって、スタッフにアナウンスするときに気を付けていることについて教えていただきたいです。
また、ナンバー2の育成についても、どう取り組めばいいのかご意見をいただきたいです。
今のところ、人選の目星もついていない状況です。
<参加者からのアドバイス>
・訪問介護では、スタッフによって時間差が出るのは仕方がないと思っています。
ただ、決まった時間内にサービスを提供するのも訪問の仕事の一つでもあり、私は「〇分で○○をする」などのサービス手順書は作っているので、それを目安に上手く調整していただくなどはしています。
またケア内容に関しては、スタッフの体格・体形もそれぞれ違っていて、体交一つをとっても感覚が違うので、根本をずらさないケアを必ずするようには伝えています。
・スタッフに同じように動いてもらうには、クライアントがどういう理由であるケアをある時に行わなければならないのか、それを浸透させるのがいいと思います。
繰り返し伝えていくのは大変ですが、一度で動いてくれる人たちばかりではないと思いますし、訪問は見えない部分も多いので、クライアントやご家族から聞き取りした情報も含めながらまとめていけるといいのではと思います。
・まず、ナンバー2になり得る人を見つけるところからスタートだと思います。
定期巡回は訪問の中でも拠点があるのが強みで、スタッフが事業所に来る頻度が多いと思います。
その中で、複数名のスタッフが集まって話をする機会を取り、「この人とは一緒にやっていけそうだ」という仲間を見つけるためのコミュニケーションを取ることが必要だと思います。
ケアの統一の前に、コミュニケーションが取れて関係性が構築されている環境を作っておかないと、自分が発信しても「また何か言ってるよ」で終わってしまいます。
なので、まずは気軽に話せる仲間を見つけ、そこでコミュニケーションを上手に取れるようになってきたら次の方を見つけて、少しずつ仲間を増やしていくのが大事だと思いました。
前の職場で上手くいったので、参考にして頂ければと思います。
【アドバイザーによる総括】
デイホームについては、絶対どうにかなるから大丈夫です。
強気に出ても、意外となんとかなります。
というのが、私が長年色々失敗してきたり、チームが壊れたりして感じたことですが、どうにかなった理由は、周りの人がたくさん助けてくれたからです。
今回、スタッフに注意することで他のスタッフが良くないケアをし始めるのが不安だというお話しがありましたが、
そうなった時に、他のスタッフがしっかり教えてくれたり、報告してくれたりというように、味方になってくれるスタッフがどれだけいるかがリスクマネジメントになると思います。
私も先日、右腕のように思っていた人が抜けてしまいましたが、他のスタッフが助けてくれました。リカバリーできたのは、普段からスタッフとコミュニケーションが取れていて、心が一つになっているからだと感じました。
実際、どうにもならない職員はどうにもならないので、その人を良くしようとするよりも、他の人たちとの関係を深めて、いかにチームを強めていくかがなにより大事だと思いました。
強気に出てAさんがおかしな行動をしても、他の方がリカバリーしてくれると思うので、そこを信じて、強気に出る時は強気に出てもいいと思います。そんなに簡単に組織は壊れないです。
定期巡回についても、チームの中の人間関係が作られてない限り、また心が一つでないとサービスは一つにならないと思います。
なので、遠回りに感じるかもしれませんし、直接の解決方法にはなりませんが、自分が弱音をはきやすい方を消去法でもいいので一人見つけるのがいいと思います。
一人でも「自分の気持ちを分かってくれそうな人がいる」と思えるだけで日々の辛さは乗り越えられると思いますし、その人から徐々に管理者のやりたいことや信念が広がっていくのを期待して、
土壌の改良をしていくつもりで、長い時間をかけて関係性を作っていくと、知らないうちにサービスは一つになっていると思います。
全体に関しては、やはり人間関係だと思います。
何よりそこが大事で、なにかを始めるにしてもそこがしっかり作れているかどうかがカギだと思いました。















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