【リスクマネジメント委員会】定期レポート 2026年6月度(グループ全体集計)

【リスクマネジメント委員会】2026年6月度(グループ全体集計)

2026年6月度のご報告

リスクマネジメント委員会では、クライアントの尊厳・安全・安心を守り、現場のアテンダントと組織を守ることを目的に、日々の支援で生じたヒヤリハットの収集に重きを置いて活動しています。

当委員会では、「事故報告書やヒヤリハット報告は、ミスに対する反省文や始末書ではなく、次の事故を防ぎ現場を守るための貴重な財産である」という基本方針を掲げています。

6月度は、前月を上回る86件のヒヤリハット報告が集まりました。

小さな異変や「ハッとした体験」を隠さず報告し、全体で共有する風土が確実に根付いてきている良い傾向です。

報告内容を分析し、事故に至る前段階での未然防止・回避に組織全体で取り組んでまいります。

事故・ヒヤリハット発生状況(全体)

2026年6月に報告された事故・ヒヤリハットは、合計148件でした。

【内訳】・行政報告対象事故:3件(約2%)
・行政報告対象外事故:56件(約38%)
・ヒヤリハット:86件(約58%)
・職員被害事案:3件(約2%)

ヒヤリハット発生状況 ワースト5(全体86件)

順位内容件数割合
1位転倒・転落14件16.3%
2位不穏10件11.6%
2位他害・暴力10件11.6%
4位ヒューマンエラー9件10.5%
5位外傷7件8.1%
5位予期せぬ動向7件8.1%

※他害・暴力(10件):送迎時や作業中、⾷事前後などに、他利⽤者や職員に対する叩く‧掴みかかる‧抓る‧物を投げる‧物で叩くなどの加害⾏為が発⽣しました。
不穏や興奮、注意を受けたことをきっかけとした事例が多く、⼀部では頓服薬の服⽤により症状の改善がみられました。

事故内容別 件数集計

【行政報告対象外56件】

順位内容件数
1位転倒25件
2位服薬関連7件
3位遅刻6件
4位外傷3件
4位物損3件
4位ヒューマンエラー3件
7位交通事故2件
8位転落1件
8位転倒・転落1件
8位落薬1件
8位無断欠勤1件
8位噛みつき1件
8位入浴関連1件
8位蓄電池発火1件

発生件数が多かった項目(ワースト3)

▸ 1位:転倒・転落関連(合計27件 ※転倒25件・転落1件・転倒転落1件)

トイレ、居室、廊下、リビングなど様々な場面で発生しています。
立位不安定や歩行器・車椅子のブレーキ未使用、ふらつきのほか、見守り中の一瞬の離席が主な要因となっています。

▸ 2位:服薬関連(合計8件 ※服薬関連7件・落薬1件)

服薬忘れ、薬のセットミス、投与方法の誤りなどが発生しています。
確認不足や情報共有不足など、個人の注意だけに頼らず「仕組み」で防ぐべき背景要因の特定を進めています。

▸ 3位:遅刻(6件)

シフトや時計の確認不足、入力ミス、交通事情などにより発生しました。
時間管理の確認手順や情報共有体制の見直しを進めています。

行政報告事故の状況(3件)

内容件数
転倒1件
落薬1件
支援中居眠り1件
概要・居室にて転倒・転落を繰り返し救急搬送。脳梗塞の診断にて入院(早期に安全確保する対応やフロア見守りの徹底など再発防止策を講じています)

・食堂の洗面所横にて朝食分の降圧剤を発見(口腔内に残っていた薬の脱落と推定、様子観察・服薬確認手順の見直しを実施)

・支援中の居眠りにより、利用者の体位交換の訴えに気づかず(謝罪・対応の適正化・行政報告を行うとともに、初期対応および管理体制の見直しを実施)

職員被害・労災事案(3件 / 労災手続き中:0件)

  • 駐車場にてご家族の車両がアテンダントの車に接触(怪我なし、事故対応を実施)
  • 信号待ち中に後方追突され受診(頸椎損傷疑い、今後の安全運転啓発へ)
  • 移乗介助中に噛みつきが発生(咬傷、医療受診とともに、噛まれない位置での介助手順を共有)

まとめと今後に向けて

今月のまとめ

6月は全体の報告数が148件となり、そのうちヒヤリハット報告が86件(全体の約58%)と非常に高い割合を占めました。

これは現場におけるリスク感度が高まり小さな兆候を捉えられている表れでもあり、不穏や他害暴力、予期せぬ動向など、事故の前段階となるサインを組織全体で共有・把握できている状況です。

一方、事故は59件(行政報告含む)で、内容としては「転倒・転落」が全体の約45%を占め、依然として最優先の課題となっています。

また、訪問系事業所を中心に服薬管理や遅刻といった業務手順・時間管理に起因する事例が目立ちました。

今後の課題と対策(重点目標)

当委員会が新設した「ヒヤリハット事故報告Gフォーム」の活用を引き続き推進し、現場で発生したヒヤリハットを迅速に収集・共有します。

集まったヒヤリハットデータをもとに、転倒リスクの高い場面での環境整備や声かけの統一、服薬・支援開始前の二重確認(ダブルチェック)の仕組み化を進めます。

個人のミスを追及するのではなく、背景にある課題や構造的なリスクを抽出し、アテンダントが安心して安全な支援を提供できる環境(尊厳・安全・安心を守る体制)を整えてまいります。

前月との比較(改善・悪化の視点)

5月(137件)から6月(148件)にかけて全体の報告数は増加しましたが、これはヒヤリハット報告数が64件から86件へと大きく伸びたことが主な要因です。

実際に発生した事故件数は69件から59件へと減少しており、ヒヤリハットを早期に吸い上げることで実際の事故回避へ繋がり始めている兆候と考えられます。

今後も「ヒヤリハット事例を多く集めること」を推奨し、得られた貴重な現場の声を活用して、同様の事故の未然回避・予防に努めてまいります。

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