
『本当の声』 が届く場所
– 医療的ケア児とご家族の “本音” が安心して話せる場づくり –
医療的ケア児地域生活推進委員会では、医療的ケア児とご家族、支援者が繋がり、課題や喜びを共有できる「オンラインコミュニティ」を開催しました。
第3回目となる今回も、テーマをあえて絞らない「フリートーク形式」で実施いたしました。
初参加のご家族をお迎えし、地域での新しい取り組みや外出支援の体験談、そして災害への備えについて、多角的な視点から温かく深みのある対話が交わされました。
開催概要
実施日 : 2026年8月26日(水)
参加者 : 医療的ケア児とご家族、支援者、 委員会メンバー
当日の話題
初参加「NPO法人near」の取り組み
和歌山県新宮市から初参加いただいた加藤さんより、NPO法人「near」を設立した経緯と、地域社会の医療的ケア児と、重度心身障害児のご家族をつなぐクリエイティブな活動についてお話しいただきました。

移住とカルチャーショック、そして法人の立ち上げ
東京での出産・育児を経て、ご主人の実家がある新宮市へ移住された加藤さん。
医療や支援体制が整っていた東京と比べ、地域による支援環境の大きなギャップに直面されました。
また、街中で医療的ケア児を見かける機会が少なく、ご家族だけで抱え込んでしまう現状を知り、「地域社会との接点を作りたい」という強い使命感からNPO法人を設立されました。
福祉の枠を超えたクリエイティブな地域連携
・ユニバーサルビーチイベント:砂浜でバギーが使えない課題に対し、ビーチシートを活用して障がいのある子どもたちが海を楽しめる場を提供(今年で2回目)。
・アートイベント&ポストカード制作:アーティストと連携し、手や肘、筆を使ってキャンバスに絵を描くワークショップを開催。制作された作品はポストカードとして販売もされています。
・ボランティアサポーター制度:資格の有無を問わず、地域の一般企業勤務者やママさんなど約60名が登録。「感動体験を共有できる」双方向の価値提供を生み出しています。
「医療・福祉関係者だけで終わらせず、一般の地域住民を巻き込む」という一貫した方針に、参加者一同深く感銘を受けました。
3回目の参加 徳島のSちゃんご家族
移動支援でひろがる世界医療的ケアがあるSちゃんの「初めての博物館外出」
徳島から参加のご家族より、今年の夏の嬉しい近況報告がありました。
ホームケア土屋 徳島の徳本さん(移動支援・車椅子専用ガイドヘルパー資格を保有)のサポートのもと、Sちゃんと一緒に初めて「博物館」へ外出されたとのこと。
「これまで、Sちゃんの弟とは出かけられても、Sちゃん本人を連れて行くのは難しかった」というご家族。
サービスを活用することで念願の外出が実現し、Sちゃんが館内の雰囲気をしっかりと肌で感じ取っている姿が見られました。
この体験をきっかけに、「次はあそこに行きたい、ここにも行きたい」と未来の楽しみが広がっています。
支援者を「半分お母さんのような存在」と信頼し、一人で抱え込まずに頼ることの大切さについても共有していただきました。
子どもたちの外出を支えるための体制づくり
Sちゃんの喜びの体験談の一方で、制度的な課題も浮き彫りになりました。
「制度のすき間」を埋め、子どもたちの豊かな外出体験を守るためにも、今回のオンラインコミュニティで得られた学びは大きいものです。
加藤さん(上の写真のご家族)の12歳の娘さんの場合、重度訪問介護の外出支援対象年齢(原則18歳以上、特例15歳以上)に達しておらず、現地の事業所での移動支援体制の整備が待たれる状況です。
今回の気づきを受けて、当委員会では「車椅子専用ガイドヘルパー資格」の情報共有を進めながら、子どもたちの外出ニーズに応えられる支援体制を整えていきたいと考えています。
防災・個別避難計画の継続対話
前回の第2回に引き続き、災害への備えについても話し合われました。
熊本地震や直近の災害報道を受け、Sちゃんのご家庭でも個別避難計画について話し合われたとのことですが、「医療的ケア児に必要な具体的情報が届きにくく、備えの難しさを実感している」という切実な声が寄せられました。
土屋グループでは防災感染症対策委員会もあり、その強みを活かし、現地での実践的な避難訓練の企画を進めていくことを検討しています。
ライフライン途絶時の対応も含め、平時からの備えを一緒に考えていきます。
参加 支援者のコメント
和歌山南事業所/矢田管理者

温かで穏やかな時間が流れる中で、それぞれの日常で感じていることや取り組んでいることなどを聴き、自分は何ができるだろうかと想像を膨らませる機会となりました。
まずは声を聴くことを大切にしながら、土屋でできること自分にできることなどを見出して行きたいと思います。
まとめ
子どもたちの「やってみたい!」という想いと、ご家族の『本当の声』に寄り添う大切さを実感した時間でした。
制度のすき間にある課題を見逃さず、防災も含めた「安全な備え」を全国の仲間と連携して届けること。
そして、子どもたちやご家族と一緒に、ワクワクするお出かけや挑戦をあきらめずに形にしていくこと。
これからも、みんなで本音を安心して話し合える温かい場と未来を、大切に育てていきます。













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