『異端の福祉「重度訪問介護」をビジネスにした男』出版レポート

『異端の福祉「重度訪問介護」をビジネスにした男』出版レポート

23年1月には全国47都道府県すべてに重度訪問介護事業所を構える株式会社土屋。その創業者で代表取締役CEOの高浜敏之が出版した『異端の福祉 「重度訪問介護」をビジネスにした男』
2023年3月に発売されて依頼、様々なメディアで取り上げられ、話題を呼んでいます。

書籍概要

  • 書籍名:異端の福祉 「重度訪問介護」をビジネスにした男
  • 出版社:幻冬舎
  • 発売日:2023年3月22日
  • 発売場所:Amazon・ 全国の書店

社員によるレビュー誌

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書評 【元宮城県知事 浅野史郎氏】

重度訪問介護事業が2006年施行の「障害者自立支援法」で制度化された時、私は「これで重度障害の人たちが地域で自立生活を送ることができる」と喜んだ。重度の障害者が重度訪問介護を利用すると、介護スタッフにより自宅で介護も医療的ケアも受けられる。必要であれば、24時間365日の利用もできる。

 著者は、様々な困難の末に重度訪問介護に辿り着いた。現在は、重度訪問介護事業の最大手の(株)土屋の代表取締役を務めている。重度訪問介護という福祉の施策を株式会社がやっている。しかも、利益を最大化しようとしている。「福祉は清貧であれ(福祉で金儲けをするな)」という業界の「常識」から見たときには、高浜が進めているのは「異端の福祉」ではないかと見る人がいるかもしれない。

 本書で高浜は、営利企業にこだわる理由を明らかにしている。そのほうがより多くの重度障害者を支援できるからである。「介護難民」をなくしたいという強い思いがある。そのためには、利益をあげて事業規模を大きくしていかなければならない。スケールメリットとして収益率が高まり、従業員(介護職)の処遇改善につながる。

 実際に、(株)土屋の介護職員の初任給は26〜31万円と一般的な介護職の平均17万5千円を大きく上回っている。従業員の給与を高くする理由として、「高給をアピールすることで福祉に興味がなかった人が職業選択の一つとして考えるようになったり、低賃金がネックで別の職業を選ぼうとしていた人を呼び戻したりできる」と高浜は言う。

 高給に加えて仕事の魅力を高浜はアピールしている。「利用者と向き合う重度訪問介護には“介護の本質”がある」という。クライアント(利用者)と1対1でじっくり関わる重度訪問介護はやりがいが大きいとアピールする。さらに、アテンダント(介助者)は家族とはまた違った特別な存在としてクライアントの人生に寄り添える、非常にやりがいのあるケアの現場だ。

 高浜の会社が利益をあげているのには、理由がある。本社は岡山県井原市という小さな自治体にあるビルの1室。部屋の広さは100平米ちょっと。従業員2000人超、年商50億円の規模の会社としてはとても小さい。会社の仕事は基本的にオンライン。会議も研修も採用面接もリモートで。会計処理もクラウド会計ソフトで処理。社員は通勤の必要はないので、通勤時間や交通費のコストが削減できる。そうやって節約した分を従業員の給与引き上げや事業展開のための投資に回して、事業成長を続ける。

 本書の前半では、著者が重度訪問介護事業の運営に営利企業として参加するまでの自分史が展開されている。その自分史がとても興味深い。

 プロボクサー目指すも、挫折と再挑戦を繰り返す。大学も中退と再入学。卒業後は一般企業への就職には気が進まず、アルバイトで自分探しの日々を送る。転機が訪れるのはアルバイトで飛び込んだ東京都多摩市の自立ステーションつばさでの経験。つばさは重度の障害者の自立生活を支援する障害当事者団体。団体の代表は重い障害を抱えた木村英子氏。現参議院議員である。木村氏から厳しい薫陶を受けた。現場での介護の仕事もした。我が国の公的介護保障運動のリーダーである新田勲さんに同行して厚生労働省に赴くこともあった。

 この時期、障害者運動だけでなく、労働運動、ホームレス支援に没頭していく。食べるためには、朝は清掃、昼は介護、夜は家庭教師などアルバイトをかけもちしていた。そんなこんなの肉体的、精神的ストレスからアルコール依存症となり、身体もぼろぼろ、そして生活保護を受けるまでになる。このことを高浜は本書で赤裸々に語っている。

 そこから回復し、認知症のグループホーム勤務で社会復帰する。その後、介護系ベンチャーの設立に関わり、介護事業所の所長になる。2014年6月社内に重度訪問介護事業所を新設する。2022年8月には、株式会社土屋を妻の実家がある岡山県井原市の地で創業する。経営方針の違いから元の会社を飛び出したという形なので、創業時には従業員700人、クライアント300人を擁していた。

 創業から2年半、従業員は2184人になり、47都道府県に事業所が設置されている。クライアントも775人を数える。(株)土屋は業界ナンバーワンである。本書は達成した高浜の成功譚の如くであるが、そうではない。重度訪問介護事業には、解決すべき懸案がまだまだある。著者は、介護難民をなくすことが第一、そのための方策として介護スタッフを増やす、自治体間の格差を正す、制度の存在を広く知ってもらうことをあげている。

 「障害福祉という異端の業界に、ビジネスの方法を持ち込んだ社会運動出身の起業家という異端の存在。ボクサーを目指し、哲学に憧れ、社会運動に没頭したのち、生活保護を受けたという経歴の異端性」(著者あとがきより)。「異端の福祉」というタイトルは編集者が決めた。福祉の業界そのものが、他の業界から見たら、ビジネスとしては異端ではないか。その意味では、本書は既成福祉業界への啓蒙の書である。

推薦文

高浜敏之の壮絶な生き方に圧倒されながら、重度訪問介護事業の最大手に辿り着く手腕に圧倒される。「福祉の事業で利益を上げるのはよくない」という福祉業界の常識に、現実をもって反論する。重度訪問介護事業の目標は、重度の障害者でも希望すれば自宅で自立生活を送れる社会を創ることである。重度訪問介護をビジネスにするのは、利益を最大化することにより、介護職の待遇改善につながるから。介護の話なのに、読んでいてわくわくしてくる本。役に立つ情報も満載。やりがいのある仕事を探している人におすすめ。福祉業界の人たち、市町村の福祉担当者にも是非読んでもらいたい。

販売状況

販売書店 ポスター展開

ポスター掲載書店(4/1~4/30)


①紀伊国屋書店 札幌本店
②丸善 仙台アエル店
③ジュンク堂書店 池袋本店
④丸善 名古屋本店
⑤MALZEN&ジュンク堂書店 梅田店
⑥丸善 岡山シンフォニービル店
⑦フタバ図書 TSUTAYA アルティ福山点
⑧ジュンク堂書店 松山三越店
⑨紀伊国屋書店 福岡本店

販売書店

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2 丸善 丸の内本店
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6 丸善 仙台アエル店
7 丸善 名古屋本店
8 ジュンク堂書店 松山三越店
9 紀伊國屋書店 札幌本店
10 紀伊國屋書店 福岡本店
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14 コーチャンフォー 旭川店
15 コーチャンフォー 若葉台店
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28 紀伊國屋書店アリオ鳳店
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30 ブックスミスミ オプシア店 (鹿児島県 )
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32 ブックファースト 阪急西宮ガーデンズ店
33 MARUZEN & ジュンク堂書店 新静岡店
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プレスリリース

  1. 株式会社土屋代表 高浜が執筆した書籍「異端の福祉」が3/22に発売
  2. 「異端の福祉」が 「丸善丸の内本店週間ベストセラー(ノンフィクション)」1位にランクイン

メディア掲載・セミナー依頼

THE OWNER

高浜代表 4/28㈮セミナーへ登壇
創業2年で年商50億円「異端の福祉」著者が語る経営戦略

BigLife21

「影響を受けた本」に掲載

『理念と経営』WEB記事

《編集長が選ぶ「経営に役立つ今週の一冊」》にて、『異端の福祉――「重度訪問介護」をビジネスにした男』が取り上げられました。

共同通信の記事がYahooニュースへ

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■イベント 認知症カフェ
「かたつむり」
■日時 令和5年7月11日㈫ 15:00~16:00 (本イベントは毎月第2火曜日14:00~16:00に定期開催しています)
■場所 芳井生涯学習センター2階研修室 (井原市芳井町吉井4058-1)

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【異端の福祉】書評


 

 

 

 

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