
【CSR推進協議会】四日市看護大学にて講演を行いました!
令和8年6月26日、四日市看護大学にて看護学生(約100名)を対象とした講演を行いました。
実施概要
日時:令和8年6月26日
対象:看護学生 約100名
講師:CSR協議会サポート部 青木健太
テーマ「重度障害者の生活について」
まずはじめに、簡単な自己紹介と合わせて「脊髄損傷」についての説明をしました。
私の障害の「頸髄(けいずい)損傷」は首の神経の損傷のことで、首から下が動かなくなったり、体温調節が難しくなったりします。
さらに人工呼吸器が必要なだけでなく、急に血圧が下がってしまったり、自律神経のバランスが崩れたり、筋肉が突っ張ってしまったりと、日々の排便のコントロールひとつをとっても一筋縄ではいかない難しさがあることをお伝えしました。
続いて、少しでも身近に考えてもらうためにクイズを出題しました。
「頸髄損傷になる人ってどれくらいいるの?」「男女比率は?」「原因になるスポーツのランキングは?」といった問いかけに、学生の皆さんにも一生懸命頭をひねってもらいました。
こうして少しずつ現状を知ってもらった上で、私自身が柔道の練習中に大怪我を負ったこと、そこからの心の葛藤や変化についてお話ししました。
そして、現在はたくさんのヘルパーさんに支えられながら、念願の「一人暮らし」や「仕事」を叶えている今の暮らしをお伝えしました。
最後に、これから医療のプロフェッショナルを目指す学生の皆さんへ、今の私の生活に直結する「4つの問い」を投げかけました。

看護学生と向き合った「4つのクエスチョン」
学生の皆さんからは「仕事が丁寧な人」「同性」といった条件のほか、「社交的で明るい人」や「おばあちゃんのように何でも優しく包み込んでくれる人」といった温かみのある理想が挙がりました。
単に身体のケアという「作業」をこなすだけでなく、自分の人生を預けるパートナーとして「どんな心の通わせ方をしたいか」まで、一人ひとりが自分のこととして深く想像してくれたことがとても印象的でした。
断って施設に行きますか?それとも我慢して一人暮らしを続けますか?
この問いには、3名中2名が「施設入所」、1名が「我慢する」と回答されました。
「相性の合わない人と四六時中一緒に過ごすことには耐えられない」と施設を選ぶリアルな本音が聞かれた一方で、それでも在宅生活にこだわる葛藤もあり、住環境における「精神的な安らぎ」の重要性と、人材不足という厳しい現実を皆で感じる時間となりました。
「家族との決まっている予定は早めに組んで、1週間前にはヘルパーさんに伝える。
でも、友達との急な予定は前もって決められないから、ヘルパーさんに謝ってなんとか調整してもらう」という、学生さんらしい素直で一生懸命なアイデアが返ってきました。
ただ、私のような立場になると、その「急な変更」や「ヘルパーさんに無理を言って謝る」ということ自体が、最悪の場合、事業所からサポートを断られてしまうような死活問題に繋がってしまいます。
私たちが普段何気なくやっている「予定をちょっと変更する」という融通が、障害のある人にとってはどれほど綱渡りで、高いハードルなのか。
そんなお互いの「当たり前」の違いについて、みんなで一緒に優しく見つめ直す大切な時間になりました。
この大きな選択に対して、2人の学生さんが「つける」と答えてくれました。
「やっぱり亡くなってしまうのは怖いし、どんな状況でも前向きに生きていきたいから」という、とても真っ直ぐな理由です。
もし自分だったら……という難しい問いかけに対して、彼らが示した「生きたい」という素直で力強い思いには、講師である私もハッとさせられました。
学生たちの「生きる」ということへの前向きな姿勢に、驚きとともに、とても温かい感動をもらった瞬間でした。
最後に
同大学での講演も今回で5回目を迎え、このように継続して貴重な機会をいただけることを本当にありがたく思っています。
私自身、自分の障害についてお話しする中で、新しい価値観や大切な気づきをたくさんもらえる、とても大切な時間になっています。
今回の学生さんはとても明るく、温かい雰囲気で耳を傾けてくれたので、私自身もリラックスしてありのままをお話しすることができました。
講演が終わった後、「頸髄損傷について、たくさんの深い学びがあった」という感想を多くいただけたことは、本当に嬉しかったです。
今回投げかけた4つの問いが、これから医療の現場を支えていく皆さんの心に残り、いつか出会う患者さんの「気持ち」に寄り添う一歩につながれば、これほど幸せなことはありません。
今後はさらに多くの場所へ、この講演活動の輪を広げていけたらと思っています。
感想(アンケートより一部抜粋)
学生の皆様にいただいたアンケートから、内容を要約してご紹介します。
自分は、気管切開をひとつの医療行為としか見ていない時もありましたが、今日の青木さんのお話で、気管切開をすると言葉が話せなくなり、吸引が必要になることを知りました。
そのため、気管切開が閉鎖されれば、吸引という医療行為の必要がなくなり、声が出るようになってカニューレ交換の手間などもなくなるのだと、その重みを学ぶことができました。
また、人工呼吸器をつけないという選択をする患者さんもいることを知りました。
コミュニケーションを重ね、患者さんの意見を尊重することは、非常に大切なことなのだと改めて感じることができました。」
そんな中、少しずつ現実を知っていき、自分がしたいことを見つけて前向きに捉えている青木さんの姿にとても感動しました。
でも、その背景には家族、医療従事者、ヘルパーさんなど、さまざまな人が関わっていることを知り、医療従事者の存在はものすごく大切な存在なのだと改めて学びました。」
また、大切なのはコミュニケーションであり、笑顔で挨拶するのが良いと伺ったので、これからの実習などでもぜひ生かしていきたいです。」
健常者と呼ばれる、健康な体を持って生活をしている人たちから見ると、「どれほど障害があっても生きているなら」「生きてさえいれば」と簡単に思ってしまいがちです。
しかし、今回の青木さんのように、今まで動いていた体が動かなくなり、人生をかけていたと言っていいほど夢中になり努力をした柔道もできなくなるということ、さらに生きてみて「周囲に手間や迷惑をかけているな」という実感、すべてのもどかしさや葛藤を含めると、「本当にただそれでも生きていけるのか」「生きているのが幸せなのか」と考えてしまうのだということを痛感しました。
だからこそ、本人の「何かをやりたい」「どこかに行きたい」という思いをなるべく尊重して実行できるようにするということは、生きる意味や生きがいにもつながる大切なことなのだと強く感じました。」













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