地域で生きる/21年目の地域生活奮闘記㉗~更年期・老化恐るべし~ / 渡邉由美子

土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)

以前にも似たようなことを書いたことがあったかもしれませんが、私は障がいはあってもそれは物理的なことだけであり、性格として元気印が取柄であったはずが、本当にこの頃無理がきかないのです。

特に持病はないのですが、体力が落ちて思考力が働かない状態なのです。それに加えて年齢相応の視力の低下、これは老眼というやつか?と、悪い目を凝らして物を読み、スマートフォンをいじり、パソコンを使うのです。

元々はかどらなかった事務的作業に時間がかかるようになり、その時間をどのように捻り出すかに悩むことが多くなりました。

みんないつかは経験する事、通る道と思えば腹を立てても仕方がないのですが、症状がきつく現れると、やりたいことが沢山あるけれどできないというジレンマと戦うことになるのです。

上記に加えて、40代の後半から現れた更年期障害と思わしき病気?症状?も最近顕著に現れ始め、いわゆる更年期障害真っ只中のようなのです。

今年の冬は夏用の掛け布団を愛用し、時にはみんなが寒がっている時に一人で暑がって窓を開けて欲しいというので、介護者はこごえながら介護をしていました。

最近だんだん暑くなって、薄着になって楽になりましたね、などとあいさつ代わりの雑談を振られることがしばしばあります。私にとっては今はもう夏本番で、いつエアコンのスイッチを入れようか、いつ扇風機を強で回そうかと考えているのです。

女性特有の現象なので、婦人科など何件かの病院に相談し解決を少しでも図ろうとしましたが、治療をしたとしても薬の副作用がきつく、治療した方が良いのかしない方が良いのか超悩みます。世の女性はこんな辛い状況をただ黙って耐えているのかと思うと、改めて女性という生物の生命力の強さを感じます。

みんな少なからず耐えていることだからとは言われますが、ここにもまた重度障がいがもたらす大変さが横たわって出てくるのです。何事も障がいと切り離した状態ではできない宿命をもった生涯なのです。

先日、眼鏡を作り直すため、普通の視力検査も可能な眼科に行ったのですが、機械が固定式で、機械に額をぴったりつけてのぞき込まなくては正しい視力が測れず、試行錯誤しました。

しかし、結局ここでは処方箋が出せないと言われ、やむなく障がい者専門の療育センターに3か月先で予約を取り、検査をしてもらい、やっと使いやすい眼鏡を手にすることができました。ただでさえ体調的にきつい時に、そしてこのコロナ禍に病院をたらい回しにされたことは大変苦痛の多い出来事でした。

障がいを持った人を集める場所というのは前々から思っていましたが、普通の人でも行きづらい場所なので、体調のきつい時に行くべきか行かざるべきか本当に悩んでしまうほどアクセスが悪いです。

患者の数も少ないし、経済的な観点から考えると利益の追求ができにくいからそうなってしまうのでしょうが、そこを求める人は移動がしにくかったりする人なので、もう少しなんとかならないものかと思います。

それならば医療に依存せず、日常生活の改善と休息を取る時間を増やすことで体調の改善をしようと努力はするのですが、なかなかこれが一筋縄ではいかないのです。

介護者と相談しながら、よくCMでやっている冷感マット的なものをベッドに敷き込み、暑さを忘れて熟睡ができる方法を考えたり、扇風機をリモコン付きのものに替えてベッド上から自分で付けたり消したりできるようにしたいと思ったりしながら、安眠休息を得るための努力をしています。

ところが、センサーにリモコンをうまく向けてそれを機械が感知しないと作動してくれないので、私のように手が上手く使えないと、リモコンは作動せずイライラして投げつけたくなる感情が湧いただけで、終了しました。

なかなか自分の身体の不調を人に伝えることは抵抗があり、タブー視される社会的状況もあったりする中で、障がいを持った同世代の女性たちが介護を受けながら、更年期の時代をどう生き抜いているのか知りたいと思う今日この頃です。

感情的には、イライラの沸点が低くなってしまい、どうでもいい事で怒りたくなってしまったり、ちょっとしたことがうまくいかないというだけで人生の終わりのような落ち込みをしてしまったり、自分自身の内なる感情のコントロールも本当に難しいのです。

そんなときは、こんなに苦労して欲しくて欲しくて勝ち取ってきた介護時間数により、それに協力しようと集まってきてくださっている介護者に、つい一人にして欲しいなどと今までとは真逆の要求を言ってしまい、困らせてしまいます。また、私のそんな矛盾する言動行動が理解できず戸惑わせてしまうこともあるのです。

物理的には介護者にいてほしくても感情的には一人になりたいと思う気持ちは、手足が動かないという状況で生きてみなければわからない複雑な状態なのです。

介護者の皆さん、ごめんなさい。ご理解ください。としか言いようのない矛盾なのです。

とにかく確実に人生折り返しの時期に来ており、後半戦の暮らしになっていかざるを得ない状況です。暮らしも社会参加活動もプラスして様々なことに取り組むばかりではなく、時にマイナスして余裕を作り、穏やかに楽しく年を重ね、若い人たちが支援しやすい状況をキープしていきたいと思います。
 
◆プロフィール
渡邉 由美子(わたなべ ゆみこ)
1968年出生

養護学校を卒業後、地域の作業所で働く。その後、2000年より東京に移住し一人暮らしを開始。重度の障害を持つ仲間の一人暮らし支援を勢力的に行う。

◎主な社会参加活動
・公的介護保障要求運動
・重度訪問介護を担う介護者の養成活動
・次世代を担う若者たちにボランティアを通じて障がい者の存在を知らしめる活動

 

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