【異端の福祉 書評】介護未経験者が土屋で働いて社長の本を読んでみた / 佐藤 学(ホームケア土屋 和歌山)

介護未経験者が土屋で働いて社長の本を読んでみた / 佐藤 学(ホームケア土屋 和歌山)

東京生まれ東京育ち、お酒が生き甲斐。
40歳を転機に東京を離れ、地方で前職(夜のお仕事)とは全く関係ない仕事をしてみたい!と土屋和歌山で働きだして間もなく2年が経とうとしています。

自分の働く会社のトップがどんな人間なのか、人生を送ってきたかに興味もありましたが、「業界のタブーに挑む」という刺激的な表紙の文言に購読意欲が湧きました。
介護職未経験だった自分はどう感じるのか、介護職について働く前に思っていた「低賃金で3K」なイメージと、実際に土屋で働いてみて「そうでもないな?」と感じた理由がこの本にあるのかなと本書を手に取りました。

読み進める内に、言葉は違えど「お金を稼げないとダメ」という高浜社長の強い意志が読み取れます。そしてその後には必ず「営利優先という意味ではなく継続的に助けが必要な人を見つけ、救う為」という理にかなった説明がありました。

実際にこの会社に入り自分が思った事は、
「え?介護って話で聞くより稼げるじゃん!」です。
どの世界でも給与が良ければ良い人材が集まり、仕事へのモチベーションが上がります。
それが生命と近い介護職だからこそいかに大事か。
素人でもわかる話ですが、どうやら世間は違うらしい、だからそこを変えたいという社長の考えが本書中盤につめこまれており、強く共感しました。

この仕事のやりがいについても丁寧に書かれています。
重度訪問介護という1人の人間と長時間接することの難しさや楽しさ。
実際にこの会社で働いているからこそ

「そうそう!わかってるじゃん!社長!!」

と頷いてしまいました。また、直行直帰の仕事の為に他の社員との交流が少ない事に未だ慣れない身としては社員6人のエピソードコーナーはとても楽しく、勇気が出て一緒に飲みに行きたいなぁと思ってしまいます。

欲を言えば同僚との関係性が仕事だけしかなく、前職との違いに少し寂しい思いをしていたので、社員同士の交流など一般の会社にあるようなコミュニケーションについて触れられていたら働く人間としては参考になったかなと思います。ただ会社の特性として過分な交流がない分、人間関係に疲れないという点で社員皆さんのストレスが軽減されているのであればそれは素晴らしい事だと思います。

また高浜社長の生まれ育ちと並行に、介護という制度がどのように生まれ、変わっていき、その都度新たな問題点が出てきたかを歴史の本のように読める点も面白いです。
今の介護における状況が歴史や様々な社会活動をされた人の話と共に紐解かれていくと、本書の様々な言葉にしっかりと説得力が生まれていくのを感じます。

最後にこの本を読むきっかけになった「業界のタブーに挑む」という刺激的な言葉についてです。本書を読み終えて思ったのはタブーでもなんでもなく、1つの国において1つの会社を作り、社会貢献をしながら持続可能な活動を続ける為に必要な事が書いてあるだけでした。これがタブーなら、なんてこの業界は遅れているのだろう、と素人は感じてしまいました。

社長!こんなのタブーでもなんでもない当たり前の事だと世間が思えるように、もっと働いて会社を大きくして給与上げて下さい!!一平社員として努力は惜しみません。素敵な本をありがとうございました。

 

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